北方領土問題~22回目の日露首脳会談で進展はあるか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月10日放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。日露首脳会談による北方領土返還の可能性について解説した。

安倍総理が今日ウラジオストクでプーチン大統領と会談

昨日北海道の被災地を視察した安倍総理大臣。本日9月10日からロシアのウラジオストクを訪問し、今晩プーチン大統領と22回目の会談に臨む。13日までの滞在期間、東方経済フォーラムに出席する他、中国の習近平国家主席や、韓国の李洛淵首相、モンゴルのバトトルガ大統領とも会談予定。

飯田)総理のスケジュールによると、本日10時から自民党総裁選の所見演説。11時から記者会見し、その後ロシア入りの流れです。日露首脳会談ということは、北方領土の話ですね。

須田)22回目の会談です。プーチン大統領とこれだけ会談している外国の首脳はいません。その点では、お互いの人間関係は構築されているわけですから、ここからです。言ってみれば、安倍総理でなければ、もはや北方領土問題は解決できないというところまで来ています。どの程度進展するのか?
安倍さんはおそらく今回の総裁選に勝利を収め、ラスト3年間の任期でその辺が見通せるのかどうかが、1つの大きな焦点となってくると思います。

領土返還には日米安保条約とのすり合わせが必要

飯田)ロシアも硬軟織り交ぜて、という感じです。軍隊をかなり配備して、ミサイルも配備する、みたいな話とか、宗谷海峡に艦隊を出したり。いろいろやっていますね。

須田)ロシア側の事情からすると、北方領土を返還するのは、やぶさかではない。しかし、もし返還されてしまうと、そこに日米安保条約が及んでくる。それがロシアにとって最大のネックになっている。その問題をどう解決するかです。
片や、その辺りについてはアメリカとの協議も必要になってくる。そうなると安倍さんとトランプさんの人間関係も大きく影響してくると思います。

飯田)仮にロシアとの間で日本が約束したとして、それをアメリカに通す力がはたしてあるのか。そういうところは見られていますよね。

須田)いま官邸内で、水面下で進んでいる方針としては、「北方領土については日米安保の適用除外にする。完全返還に至る一定期間はロシア軍駐留を認める」が落としどころになってくるのではないか。そういう風な言い方もしているわけです。ですので、アメリカ側、トランプ側が了解するかどうかも1つの焦点になると思います。

飯田)そのためには、当然条約の改定が必要になってきますよね。「日本の領域すべてに、アメリカはどこでも基地を作れる」という文言が書かれているわけですからね。

須田)すると、今度はトランプさんに了解を取り付けるための協議が必要になってくるわけです。

飯田)これから正念場ですね。いちばん難しい問題に直面していくわけですから。

須田)ただ、私としては「そこにようやく到達した」という方が評価すべきところだと思います。

飯田)「外交は特に長くやっているとメリットがある」と宮家邦彦さんも仰っていました。まさにこの問題はそうですね。

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