辺野古埋め立て承認撤回~沖縄の政治は基地問題だけではないはず

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ニッポン放送「宮家邦彦のOK! Cozy up!」(8月31日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。沖縄県の辺野古埋め立て問題について解説した。

沖縄県が辺野古の埋め立て承認を今日にも撤回

普天間基地の移設問題を巡って、沖縄県は名護市辺野古の埋め立て承認を今日にも撤回する方針を固めた。政府は来月30日に行われる沖縄県知事選挙が終わるまで撤回を延長するよう要請していたが、沖縄県としては知事選挙の前に撤回を行って、移設反対の気運を高める狙いがあるとみられている。

新行)謝花喜一郎副知事が記者会見をして、撤回の理由などを説明する予定になっています。この撤回については亡くなられた翁長知事の意思を受けた対応だということです。

宮家)知事選挙がこれからあるときに、1つの論点を提示するというのも1つの考え方だと思います。それと同時に、この問題は議論がいろいろとあるわけだから、そのまま選挙の結果を待つというのも1つのやり方だったと思う。しかし、どちらが良い悪いじゃないです。政治判断ですから。それはそれで、日本政府も対抗措置を取るでしょう。粛々と司法の世界の中で処理をしていくしかないということです。ただ基本的には知事選挙の結果によって変わってくることは十分あり得ると思います。

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【天皇譲位について政党・各会派全体会議】自由党の玉城デニー議員 2017年3月17日=東京・永田町の参議員議長公邸

基地問題だけが沖縄の政治ではないはず

新行)辺野古の埋め立ての承認を撤回するかという、この報道ももちろんなのですけれども、ここに注目が集まっていますよね。沖縄県知事選挙の争点として。

宮家)いま沖縄の経済はすごく良いんですよ。そして、沖縄は人口が増えているんです。一昔前であればどうやって観光客を増やそうとかいろいろな議論があったのだけれども、いまはたくさん来るわけです。県民の意識というのも大きく変わってきている部分もあると思うので、基地問題だけが沖縄の政治ではないはずなのですよね。米軍基地があることも事実だけれども、どうやってこの経済を更に発展させるか、そして水準を高めるか、いろいろとやることがあるのではないかと思うのですが、残念ながら争点が1つしかないというのは少し違うなという感じがします。

新行)関連してメールも頂いています。
いそじいさん、大田区の方です。「オール沖縄のムード作り、弔い選の準備のようにしか見えないなあと思います。玉城デニーさんがせっかく面白い沖縄の経済活性化案をお持ちなのだから、そういうところで論を戦わせれば良いものを、国が訴訟を起こして、辺野古が停滞して普天間の移設まで先送りになって、経済が滞ることになるんじゃないか」といただいています。

宮家)選挙というのは勝つ必要は無いんです。相手が負ければいいのです。デニーさんからすればこうやって論点を拡散するよりも、1つに絞って、翁長さんを支持してきた保守からも票を取らないと彼は勝てないだろうと思うから、政策よりも政局か、何かそういうふうになってしまうのかなと思います。個人的には残念ではありますけれども、これは沖縄県民が決めることですから、仕方ないですよね。

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