中国による産経新聞への取材拒否問題~日本の報道機関は一致して取材取りやめ

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ニッポン放送「宮家邦彦のOK! Cozy up!」(8月31日放送)。中国による産経新聞への取材拒否問題について、日本のメディアの対応とあり方について解説した。

今月29日、北京で行われた外務省の秋葉事務次官と副首相級の国務委員を兼ねる王毅外相との会談を巡って、中国側が産経新聞社の取材を認めなかったため、日本側の報道機関は中国側の決定を受け入れられないとして、一致して取材を取り止めました。

中国による産経新聞への取材拒否問題~菅官房長官が抗議

菅官房長官) 政府としては表現の自由を含む自由、基本的人権の尊重、法の支配、これについては国際社会における普遍的な価値であって、いかなる国においてもその保証は重要であると考えています。このような観点から今回のような事態が発生したことは極めて遺憾であり、中国側に抗議を行いました。

新行)中国側が産経新聞の取材を認めなかったことについて、菅官房長官の昨日の記者会見の模様でした。一方で、中国外務省の華春瑩副報道局長は、日本政府の抗議については「理不尽な抗議で受け入れられない。日本政府は自国メディアを教育し、制限しないといけない」と反発しているということです。

宮家)何を言っているのですか。メディアを教育なんてできるわけないでしょう。制限なんかできるわけないでしょう。僕が2000年に北京に行って、その前後ですけれども同じことを言われました。全く変わっていないです。要するになぜ日本側は反中的な報道を止めることができないのか、と言うのです。彼ら中国は、止めることができるからなんですよ。だけどそれはメディアではないです。メディアというのは、ジャーナリズムというのは真実を伝えることでしょう。であれば、こういう形で理不尽な取材を認めないのであれば、皆一致して取材を取り止めることは当たり前です。それがジャーナリストですよ。抜け駆けをするような人たちではないと思っています。ちゃんと筋を通して抗議は抗議、取材の一斉取り止めも正しい判断だと思います。変わらないとは思うけれども、中国にはもう少しよく考えてもらいたい。そんなことをしたら逆効果だと思わないのか、ちょっと理解できない。

新行)これに関連してメールもいただいています。
大阪府堺市の舞姫さんからです。「今回の中国の外交の対応もそうですが、日本はもっと信念を貫いた強い外交をして欲しいと思います。顔色を伺うのが日本らしいと言えば日本らしいのですが、それでは相手国に舐められっぱなしになってしまいます。日本ファーストの外交を熱望致します」ということです。

宮家)それはね、仰る通りなんですけれども、私がいた2000年頃以前で考えたら、中国のことを配慮したことが多かったかもしれない。しかし今の状況、強い抗議をして日本のジャーナリストが一斉に取材を取り止めたわけだから、これはかなり強いことです。日本的ではないと思う。ですから、対中政策に関しては徐々にかもしれませんが、仰るような形に向かっていることは間違いない。かと言って、喧嘩すればいいということではない。それは相手もいますから。しかし、信念を貫いた強い外交という方向に動いていることは間違いないです。それだけ中国との問題が深刻になっているということだと思います。

新行)日本がこのように団結して取り組んでいくというのは、今までメディアではなかったということですか?

宮家)メディアはジャーナリストですからね、もちろん日本のメディアも問題が無いわけではない。ジャーナリストというのはプロ野球選手と同じですからね、巨人だろうが阪神だろうがプロ野球選手なわけです。ところが、日本のジャーナリストは○○新聞、○○テレビの人間、社員になってしまう部分があるので、そこはアメリカのジャーナリストに批判されます。そうは言っても日本はジャーナリストがちゃんといる国ですから、頑張ってこういうかたちで一致団結するのは大事だと思います。

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