米中の貿易摩擦が長期化するとどうなるのか?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月22日放送)に国際政治学者の高橋和夫が出演。今週再開するアメリカと中国の貿易協議について解説した。

中国との貿易協議~トランプ大統領が期待していないと発言

アメリカのトランプ大統領は20日、ロイター通信のインタビューに答え、今週再開する中国との貿易協議について、進展は期待していないと発言。また、中国との貿易摩擦解消に期限は無いとして、対立が長期化しても厳しい姿勢を崩さない考えを強調している。

飯田)今週にも高官協議ということで、アメリカの財務省の担当者と中国側は商務次官が来るということですが、やる前に期待していないって言われてしまうのはどうなのでしょう。

高橋)トランプさんとしてはそう言わないと中国側が折れてこないという、トランプさんの大好きな「ディールというのはこうやってやるんだ」と、最初に相手をドーンと脅かして、それから妥協するという作戦かもしれないし、本当に期待していないのかもしれないですね。

飯田)なるほど(笑)。長期化辞さずということですが、これも11月を睨むわけですか?

高橋)そうだと思います。トランプさん支持派の保守派のなかには、台湾を支持する人も多いし、中国を叩くことは良いんですよね。それから中国国内でキリスト教の布教が自由ではないということに対する批判というのもあります。今回は珍しくアメリカが中国のイスラム教徒に対する弾圧を批判するという、宗教勢力に対する配慮もある。ただ、大企業などの経済界は中国から部品が入らない、物が入らない、もう勘弁してくれよと言っています。「11月6日が済んだら考える」という発想だと思います。

中国への制裁は長い目でみるとアメリカの経済にマイナスになる

飯田)経済に対する影響はじわじわ来るという感じになりますか?

高橋)そうですね。中国はアメリカにこんなに言われると、というところはあるし、中国に対する制裁、ロシアに対する制裁、トルコに対する制裁、イランに対する制裁と、もう制裁だらけです。制裁を受けた国々は「じゃあもうドルを使わないで貿易をやろう」ということでドル離れに行く。長期的に見るとアメリカの経済には決してプラスではないですね。

飯田)中国は元の国際化みたいなことを一時期は声高に言っていましたけれども、これはその機会が転がり込んできたみたいなものですか?

高橋)そうですね。イランとかロシアとか、北朝鮮で実際、元が限られた範囲ですがそういう通貨として使われ始めているというのが事実です。ただ現実的に、第三世界の発展途上国の独裁者が、いざ逃げるときに何の紙幣を持って逃げるかと言ったら、元を持って逃げる人はいないですね。やはり、ドルかユーロです。

飯田)まだまだ小さな範囲に留まると。

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