IR法成立~カジノの役割とギャンブル依存症との関連性についての疑問点

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月23日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。IR法のカジノ以外の有用性、ギャンブル依存症に対する姿勢の疑問点について解説した。

国会議事堂 参議院 国会

国会議事堂(参議院 – Wikipediaより)

IR実施法のもう一つの目的~国際見本市会議場の確保も必要

カジノを含む統合型リゾート実施法。いわゆるIR実施法が、20日夜の参院本会議で、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。
政府はIRを東京オリンピック後の成長戦略の柱に掲げていて、自治体の攻防を経て、2023年以降、初のカジノが国内開業の流れとなる。

飯田)これまでは刑法の賭博罪に該当するとして、カジノは禁止されていましたが、今回設置が認められました。これが野党からはだいぶ批判を浴びていますね。

須田)世論調査の結果を見ても、やはり反対は6割強に上っています。ただ、この問題に関して言うと、これを「IR実施法」という法律で見るのか、「カジノ法」として、カジノだけ取り出して見るのかで、見えてくる風景がまるで違うと思います。その点で言うと、カジノ法というある意味での野党のレッテル貼りは成功したと思います。
ただ、本質を考えなければならない。なぜカジノを作るのかというと、本来であるなら、これから日本はどんどん経済成長が必要ですが、その一方で国際会議場や国際見本市会場。あるいは、要人たちが来るようなホテル。そうしたものが、まだまだ足りないのですよ。それをどんどん建設しなければいけないのだけれど、いま申し上げたようなものは、あまり黒字化は見込めないのですよ。「赤字になった場合、誰が補填するのか。自治体なのかどうか」となったとき、「カジノの黒字によってそれを補填しよう」というのが、実はIRの目指すところなのです。ここ近年の、シンガポールなどで開設されたカジノなどは、概ねそうしたIRの枠組みのなかで進んできたのです。

東京ビッグサイト ビッグサイト 有明 国際展示場

東京ビッグサイト – Wikipediaより

場所が不足して国際見本市ができない~中小企業にとっては死活問題

須田)では、日本でそんな必要のある場所はあるのか。大阪の国際見本市会場はほとんどワークしていないし、会議場も縦長のものが1本あるだけで、非常に使い勝手が悪い。「商業の都大阪」を目指すにはあまりに寒い状況です。「それならIRを整備したい」というのは当然の話だと思います。

飯田)展示会業界の方に話を聞くと、中小企業とかは自前のプロモーションは難しいから、そういう国際見本市みたいなものをやるときに、1個でいいからブースで出展して、世界中から来るバイヤーたちとふれ合ってプロモーションができるかどうかは、中小企業にとって死活問題のようです。

須田)「有明にあるじゃないか」と言われても、今回オリンピックのために、その施設のために、飯田さんが先述したような中小企業の展示会がまったく開けない状況になっているのです。

飯田)あそこが皮肉なことにというか、メディアセンターになるから、建込工事もふくめて1年前から閉めるそうです。すると、1年前からプロモーションができなくて死活問題。実は相当、問題になっているようですね。

須田)そういう意味では、東京首都圏でも数が足りないと言ってもいいと思います。だから、その辺をどうするのかも合わせて考えていかなければいけない。

カジノ建設とギャンブル依存症問題は分けて考えるべき

須田)それからギャンブル依存症問題です。別にカジノを作るかどうかの話とは別に、ギャンブル依存症に対する対策は考えていかなければいけないのではないかな。既に、相当の人がいるわけですからね。

飯田)カジノがまだ作られていないのに、先進国では相当大きな割合で。3%以上の方がギャンブル依存症になっている。原因は何でしょうか?

須田)パチンコや公営ギャンブルのなかでギャンブル依存症が出ているのだから、別にカジノを作らなくても、ギャンブル依存症対策は進めていかなければならない。だから、切り分けて物事を考えていかなければならないと思います。

飯田)それこそ一昔前だと、「パチンコはギャンブルじゃない! 遊技だから風営法が管轄している。だから、ギャンブル依存症と言うな!」と特にメディアではそんな感じで怒られる風潮がありましたが、今回はそれが浮き彫りになった部分があって。ちゃんと議論ができるようになったのは、いいことかもしれません。

須田)だって、どう考えてもシステム的には、一昔前は陰に隠れてこそこそ景品替えも行われていたじゃないですか。

飯田)いまは景品交換所で換金されていますよね。

須田)もう一部の地域では、パチンコホール内でも景品交換できるような状況になっているから、もうこれは明らか。パチンコに行く理由が「景品のチョコが欲しいから」とか言う人はいないでしょう。やはりきちんと「パチンコはギャンブル」を前提としないと、依存症対策も進まないと思います。

飯田)外国人を日本に案内すると、「日本にカジノがないと言うけど、駅前にたくさんあるじゃないか」と言われても、「いや、あれは違う!」と説明できないですからね。

須田)今回の問題で言うと、「トランプ大統領のために」とか、「頼まれたから」とか議論でよくあるけれど、実を言うとIR法(実質的なカジノ法)は、もう何年も前から進んできている話なのです。トランプ政権よりも前から議論が進んでいて実現させようとしていたのだから、トランプ政権とは関係ないと思いますけどね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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