愛に向かって生きる、強さと気高さ『ダリダ〜あまい囁き〜』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第413回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、5月19日公開の『ダリダ〜あまい囁き〜』を掘り起こします。


ダリダ生誕85周年、その波乱の生涯がスクリーンに。

愛に向かって生きる、強さと気高さ『ダリダ〜あまい囁き〜』
1960年代、フランス。エジプト・カイロでイタリア移民の家系に生まれたダリダはミス・エジプトの栄冠に輝いた後、歌手として一躍スターの座に上りつめていた。デビューからわずか2か月でゴールドディスクを受賞。アラン・ドロンとのデュエット曲「あまい囁き」や「18歳の彼」など、世界的なヒット曲も生み出し、女優としても活躍する。

富と名声を手にし、幸福の絶頂にいるはずの彼女だが、ヨランダ(ダリダの本名)自身は私生活では恋愛に翻弄される日々を送っていた…。

愛に向かって生きる、強さと気高さ『ダリダ〜あまい囁き〜』
パローレ、パローレ♪ で知られるフランスの歌姫ダリダが、2018年、生誕85周年を迎えます。ミス・エジプトに輝いた類いまれなる美貌とエキゾチックな歌声で、60年代のフランス全土に社会現象を起こし、一躍スターとなった彼女の人生が映画になりました。

哀しくも美しい54年の生涯に迫った伝記ドラマです。

愛に向かって生きる、強さと気高さ『ダリダ〜あまい囁き〜』
1987年5月に54年の生涯に自らピリオドを打ったダリダの人生を映画にしたのは、リサ・アズエロス監督。
「ふさわしい女優がいなければ撮らない」と決めていたと語るほど、ダリダ役には強いこだわりを持っていたというアズエロス監督の目に止まったのが、モデル出身で本作が初主演となるイタリア人女優スヴェヴァ・アルヴィティ。60年代から70年代の洗練されたファッションを鮮やかに着こなし、華やかなステージシーンでも堂々としたパフォーマンスを披露。ダリダの眩いばかりの光と切ない影を見事に演じきっています。

愛に向かって生きる、強さと気高さ『ダリダ〜あまい囁き〜』
輝かしい成功の一方で、プライベートでは出会いと別れに傷つく。それでもデビュー以来30年、休むことなく第一線を走り、きらびやかなステージに立ち続けるダリダのときめきと痛み、幸福と絶望が情感たっぷりに描かれいてる本作。

恋に悩み振り回されることで歌が円熟し、哀しみに出会うたびにそれを振り切るかのようにステージに戻ってくる。歌うことそのものが人生だったダリダの生き様、その情熱と狂おしさに触れてみて。

愛に向かって生きる、強さと気高さ『ダリダ〜あまい囁き〜』
ダリダ〜あまい囁き〜
2018年5月19日から角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー
監督・脚本:リサ・アズエロス
出演:スヴェヴァ・アルヴィティ、リッカルド・スカマルチョ、ジャン=ポール・ルーヴ、ニコラ・デュヴォシェル、アレッサンドロ・ボルギ、ヴァンサン・ペレーズ、パトリック・ティムシット ほか
©BETHSABEE MUCHO- PATHE PRODUCTION-TF1 FILMS PRODUCTION-JOUROR CINEMA
公式サイト http://dalida-movie.jp/

連載情報

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シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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