出水駅「黒豚角煮弁当(西郷バージョン)」(1,150円)~黒豚が動かす?幕末の歴史

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

N700系 さくら

N700系「さくら」

鹿児島に新幹線がやって来て、早いもので15年目。
博多から最速の「みずほ」なら1時間16分、新鳥栖・久留米・熊本・川内停車の「さくら」でも、1時間25分程度で鹿児島中央に到着します。
東京からでも、夕方5時定時退社で飛び出せば、新幹線だけで当日中に鹿児島まで行くことが出来ます。(東京17:20発「のぞみ245号」~「みずほ611号」鹿児島中央23:40着)

黒豚角煮弁当 西郷 バージョン

黒豚角煮弁当(西郷バージョン)

今年は、大河ドラマで話題の鹿児島。
九州新幹線・出水駅を拠点として、鹿児島の駅弁を製造しているのは、昭和4(1929)年創業の「松栄軒」です。
駅弁膝栗毛」では2回目となりますが、「松栄軒」ご自慢の「黒豚角煮弁当」(1,150円)も掛け紙が西郷バージョンとなって盛り上げています。

黒豚角煮弁当 西郷 バージョン

黒豚角煮弁当(西郷バージョン)

【お品書き】
・味付けご飯
・黒豚角煮
・すきやき牛蒡
・たたき牛蒡
・錦糸玉子
・高菜漬け
・紅生姜
・さつまいもレモン煮

黒豚角煮弁当

黒豚角煮弁当

薩摩の黒豚は江戸時代初め、薩摩藩主・島津家久によって琉球から移入されたといいます。
全国区となったのは、幕末から明治にかけてのこと。
水戸藩に黒豚が献上され、徳川斉昭・慶喜の親子がたいそう好んだ上、合わせて西郷隆盛も無類の黒豚好きだったことが、今に続く“鹿児島黒豚”ブランドの大きな流れを作りました。
それゆえ掛け紙にも、“西郷どんも愛した”という文字が躍る訳ですね。
一方で、彦根藩・井伊家も、徳川斉昭には長年、近江牛を献上していましたが、直弼(南紀派)の代になって、殺生禁断のため、恒例の牛肉献上を中止しました。
ややこしい幕末の歴史ですが、南紀派・一橋派の対立の後ろに「牛肉と豚肉」を置いてみると、歴史は面白く学べて、駅弁も美味しくいただくことが出来るでしょう。

(参考)
JA鹿児島県経済連ホームページ、滋賀県畜産振興協会ホームページ

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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