今週は、沖縄県那覇市久茂地で「炭火焼と泡盛のお店Gen」を経営されている
上江洲(うえず)安紀社長をお迎えしてお送りしています。
もともと上江洲さんの家業が飲食店だったわけではなく石垣島で牧場をされているそうです。
自身も人工授精師として畜産業に関わっていた上江洲さんですが、鹿児島にも牧場があり
そこで運命を変えるアクシデントに遭遇します。
平成5年の「8・6水害」と呼ばれ死者も多数出た豪雨の中、上江洲さんも移動中に
土砂崩れに巻き込まれ数時間後に救出されるという九死に一生体験をされたそうです。
もちろん牧場の施設もかなりの被害が発生したそうですが
幸い牛たちが死ぬ被害が無かった救いだったとか。ところが実は、本当に大変だったのは
その後だったと語る上江洲社長。
災害時のストレスで牛たちがかなりまいっていた様で、食肉市場に持っていった牛が
ほとんどで値段もつかないという災難が待ち受けていたそうです。
ある買参人たちに言われた「こんなもの持ってくるな」
「動物園で餌にしかならない」などと言われてショックを受けた上江洲さんは
牛だけでなく、豚も鳥も野菜も…その命を人間が食料として全うするために、
それぞれの意思とは関係なく創られて、生まれ、育てられてきたのに
を散々な目に遭わせてたと
落ち込み、その逆境の中で
「市場、買参人や消費者によろこんでもらえる牛をつくろう」と決意したそうです。
弱肉強食の世界の頂点に立つ人間の業を受け止め、牛たちへの愛情、きっと牛にも
伝わっているんじゃないでしょうか。
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