音で情景が浮かんでくる、音を楽しんで歩きたくなる
「東京の名所」を紹介します。
お聴きのあなたから「お薦めスポット」も受け付けています。

2005年6月18日(土曜)渋谷編



◆渋谷駅の音

新宿に続いて、副都心シリーズ第2弾「渋谷」にやってきました。



渋谷ときいて、誰もが思い浮かべるのは「ハチ公」でしょうか?
戦前、ご主人の帝大・上野先生を10年間待ち続けた「ハチ公」…。
戦後は「ハチ公の銅像」自体が「待ち合わせスポット」ですね。
地方の人は「ハチ公」で待ち合わせることに憧れも??
首都圏の方は「混んでいてチョット…」と思われるかもしれませんね。
(ちなみに、ハチ公の銅像は秋田県大館市にもあります。
比較したい方は「駅弁膝栗毛・2005年4月」を…)



渋谷という地名の由来はいくつかあって、
@昔、江戸湾の入り江で「塩谷」と呼ばれていたのが「渋谷」に変化。
Aこの地に本拠地を置いていた豪族の苗字が「渋谷」だった
Bこの辺りの川の色が、鉄分を含む「シブ色」だった
Cこの辺りが、しぼんだ谷だったことから「渋谷」に。

さあ、渋谷をてくてく歩いていくと、こんなトコに辿り着きました。



◆鍋島松涛公園の音

渋谷の街に鳴り響いた「午後5時」のチャイムの向こう側に
ギィ〜って音…、分かりましたか?
実はこれ、区立鍋島松涛公園にある「水車」の音なんです。
元々、この辺りは湧き水も多かったそうです。



鍋島…とは、歴史に詳しい方ならご存知でしょう、佐賀の鍋島藩の鍋島。
明治の初めに、それまで紀州徳川家の屋敷だった、この地を購入します。
ここに鍋島家が「狭山茶」を植えて「松涛」ブランドで売り出しまして、
それが明治10年代、「渋谷茶」として人気を博すんですね。
しかし、明治22年、東海道線が全通して、安い「静岡茶」が一気に流入し、
あっという間に衰退。今はその地名に名残りを残すのみです。
ちなみに「松涛」とは、「茶の湯が煮えたぎる様子」をいうんだそうです。



◆水車の音

園内は現在、アジサイの花がきれいに咲いています。
花を愛でながら、水車の音を味わうのも悪くないですよ。



渋谷区立松涛美術館も、公園からスグ。
京王井の頭線の神泉駅から歩いてもいいですね。
渋谷駅前の喧騒、松涛・高級住宅街の静寂、
そして円山町の独特な雰囲気…。
この3つがすべて隣接しているというのが、実に面白い!
ぜひ、あなたの足で実際に歩かれることをおススメします。



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