音で情景が浮かんでくる、音を楽しんで歩きたくなる
「東京の名所」を紹介します。
お聴きのあなたから「お薦めスポット」も受け付けています。

2005年6月11日(土曜)新宿編



◆新宿大ガードの音

東京に数多くガードあれど、
「新宿大ガード」ほど大きいガードは、なかなかありません。
新宿駅東口側から順に、JR埼京線、中央線の快速と各駅停車、山手線と、
全部で4路線×2、8本の線路を一気にガードでくぐります。



この「新宿大ガード」を境に、内側は「靖国通り」。
外側は「青梅街道(正式には都道4号線&5号線)」と
道路の名前も変わります。
甲州街道の“新しい宿場”内藤新宿から始まった「新宿」も、
今や、都庁はじめ、東京の中枢といってもいい街になりました。
今週は、ビジネスマンの街「新宿」で、
「オアシス」を求めて、てくてく歩きます。



◆新宿中央公園の音

都庁をはじめ、新宿西口・高層ビル群で働く人たちにとって、
まさに「オアシス」なのが「新宿中央公園」です。
やや年配の方ならご存知でしょう。
明治時代から昭和40年までは、都民の水がめ「淀橋浄水場」でした。
新宿副都心計画に基づいて、浄水場は東村山に移転。
「新宿中央公園」は、昭和43年4月に開園しました。



新宿中央公園の「富士見台」は、浄水場の沈殿池を掘った土。
その上に建っている「六角堂」の飛び石は、沈殿池に使われていたレンガ。
作った当時は、富士山もしっかり見えたそうです。



◆歌舞伎町の雑踏

一転、新宿の「夜のオアシス」といえば「歌舞伎町」。
新宿西口で昼間、目いっぱい働いたサラリーマン達は、仕事が終われば、
新宿大ガードをくぐって、日本一の繁華街「歌舞伎町」へとやってきます。



歌舞伎町、新宿コマのあたり、明治の頃は「沼」だったとか。
これを例の「淀橋浄水場」を掘った土で埋め立てたというんですね。
戦争で焼け野原になった後、この地に歌舞伎を上演できる「菊座」を
作ろうとしたことから、昭和23年、「歌舞伎町」が誕生します。
昭和25年には、歌舞伎町を舞台に「博覧会」が開かれますが、
ただ占領下で、様々な計画が頓挫。
結局「新宿コマ」が歌舞伎場の代わりとして、昭和31年に完成。
今の歌舞伎町の原型が出来上がったわけです。
そんな歌舞伎町の象徴…「新宿コマ」が先日大変身!
外壁は真っ黒に塗られ、8月までクイーンの曲のミュージカルをやってます。
その後は、再び演歌歌手のショーに戻ります。



繁華街にして歓楽街の「歌舞伎町」には、様々な顔があります。
意外にも本格的に発展されたのは、ここ50年と歴史の浅い街。
「歌舞伎町」のもつ派手なイメージは、
ある意味、街の「若さ」を現しているのかもしれません。

西口の摩天楼と東口の繁華街を併せ持つ街「新宿」。
音1つにも、そのギャップが感じられる、面白い街です。





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