東京が抱える様々な問題に対する都の取り組みを調査。
問題の背景にあるものを、掘り下げてお伝えします。

■2005年9月10日(土曜)第24回

『突如、首都圏を襲った集中豪雨!東京大洪水の恐怖!』


9月4日夜から5日未明にかけて首都圏は、局地的に1時間100ミリを超える集中豪雨に見舞われました。
特に被害が多かったのは、中野区・杉並区・世田谷区。住宅浸水や、道路の冠水が相次いで、
実に1000軒以上の家に浸水被害が出ました。



画像の西武新宿線・鷺ノ宮駅付近も、駅前の妙正寺川が溢れ、一面水浸しになった地域…。
しかし、普段の川は、これほどまでに水が少ないんです。
一体なぜ、あれほど甚大な水害が起きてしまったのか?
東京都の水害対策の実態は、どうなっているのか?
東京都建設局・河川部副参事の長島修一さんに話を聞きました。



水害の原因は?…「雨量が尋常ではなかった!」
 昭和33年の「狩野川台風」では総雨量402ミリ、
 1時間76ミリという集中豪雨に見舞われて
 都内のほぼ全域が浸水するという事態に陥りましたが、
 今回、短期集中型としては、この狩野川台風を凌ぐ雨量。
 (杉並区下井草では、1時間112ミリ!)
 しかも、中野・杉並だけにまたがるように南北に向かって、
 雨雲の異常な動きも、集中豪雨の要因の1つ。



■都の河川整備における雨量想定は?…「ピーク時:1時間50ミリまで耐えられる」
 この河川整備は、東京都内全域のうち、60%が完了済み。
 今回の水害でも、この対策方針で改修が進んでいた場所では、
 被害が少なくて済みました。
 そもそも河川改修は、下流から上流に向かって進めていく。
 途中で「100ミリ対応」に切り替えると、上流の対策は
 いつになっても終わらない…。
 まずは「50ミリ対応」を速く進めていくことで
 水害の軽減を図りたい…。

■河川整備の他の「洪水対策」は?
      …「都内各所に洪水調節池という水の逃げ場所を作っている」

 今回のケースでは、環状7号線の地下に設置した
 「神田川地下調節池」に大量の洪水を貯め込んだ。
 ただ、残念ながら善福寺川から取水する工事が完了しておらず、
 神田川の洪水を第一期で完成した区間に満タンに貯め、
 さらに工事現場にも洪水を取り込む決断をして対応した。
 本来、24万立方メートルのところ、
 未完成のトンネル部分も使って、全部で40万立方メートルを
 貯め込んだ。



首都・東京を襲う自然の猛威…。豪雨との戦いは、まだまだ続きます。


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