2005年5月

2005年5月9日(月曜)上田編 2

すっかりご無沙汰で、申し訳ありません。
「駅弁膝栗毛」、今月のテーマは「小さなローカル線の旅」。
まずは駅弁…、長野新幹線・上田駅をご紹介します。



上田駅の紹介は、03年2月以来の2回目。
東京からは、長野新幹線「あさま」で1時間半です。



上田駅の駅弁は、小諸の「ひしや弁当店」。
去年2月に紹介した、佐久平駅とも同じ駅弁屋さんです。
新幹線改札を入って左前方、東京方面・1番ホームの下です。
営業時間は、朝7時半〜夜8時です。



上田駅でも、上田交通・別所線乗り場の前には、
おなじみの「おぎのや」さんが、そば屋をやっています。
もちろん「峠の釜めし」も販売しています。



今回は、上田駅の「大人の休日」シリーズ、
「信州の舞」(1200円)をいただいてみました。
ご飯は、白飯に栗おこわ、シナノユキマスの押寿司と
バラエティに富んだ構成で飽きません。
加えて佐久の鯉の甘酢あんかけに、信濃産の紅鱒西京焼きなど
これでもかという位の「信濃尽くし」!
上田駅では最も高価な弁当ですが、お得感のある弁当です。






ここ数年、ローカルフードが話題になっていますね。、
長野も駒ヶ根辺りは「ソースカツ」で町おこしをしていますが、
「ひしや…」にも「ソースカツ弁当」(900円)があります。
包装紙の謳い文句通り、信州りんごのデミグラスソースが
カツにしみこんで、フレッシュな野菜とマッチ。
食べた分だけ若返りそうな、気分にさせてくれる駅弁です。



今回は、季節モノの新発売「桜御膳」(1000円)も食べてみました。
信州産コシヒカリを使った竹の子ご飯&桜ご飯という、
春らしいご飯に、鰆の西京焼・菜の花など、
見た目にはそんなボリュームは感じませんが、
春と胃袋を両方満喫できる、なかなかの新作です。
個人的には、桜ご飯の味わいがスキです。
本当は、上田あたりで桜が満開になる4月第3週ごろに、
やってきたかったんですが…。

上品で食べ応えのある「ひしや弁当店」の駅弁。
上田・佐久平・小諸で買うことができます。

■旅のワンポイント〜小さなローカル線の旅T・上田交通別所線

ローカル線の旅をのんびり楽しむことほど、贅沢な時間はないもの。
そこで今月は、決してスピードに追われることなく、
のんびり走っている小さな私鉄にスポットを当ててお届けします。
最初は、私が数カ月おきにお気に入りの宿を訪ねている別所温泉。
ここへ向かう「上田交通・別所線」です。



5月はじめ、上田駅の片隅から出発する上田交通・別所線。
安全確認用のミラーに付けられた「鯉のぼり」がいいですね。
別所線は上田と別所温泉・11.6キロを結ぶローカル線です。
1921年の開業以来、黒字になったことがないそうですが、
地域の足としてはもちろん、別所温泉への観光の足として、
重要な役割を担っています。
ここ数年は、路線を守るため「産官民」で足並みを揃えた
取り組みが注目されるようになってきています。






別所線の歴史を今に伝える「丸窓電車」。
昭和61年まで走っていた旧型の電車で、
扉が吸い込まれる部分の窓、いわゆる「戸袋窓」が、
丸い形をしていることから「丸窓電車」と呼ばれます。
現在走っている電車も、1編成を「丸窓電車」風に改装、
土・休日に「まるまどりーむ」号として走っています。






上田駅を出てすぐの千曲川の鉄橋&塩田平の車窓。
これから6月には、アユ漁が解禁になって、
釣り人で河原は賑わうことでしょう。
塩田平の田植えも間もなくです。



ミツバチが、紛れて乗ってきてしまいました。
ホントは、どこかに飛んでいきたかったのでしょうが、
しばしの間、乗客となって車内を飛び回っていました。



途中の塩田町から出ている「信州の鎌倉シャトルバス」です。
シャトルバスとはいっても、1〜2時間おきに来る
のんびりとしたものですが、お寺めぐりには丁度いいかも!?



真言宗のお寺「前山寺」に行ってみました。
弘法大師が開いたお寺なんだそうです。



重要文化財の「三重塔」です。
この塔、別名「未完成の塔」といわれ、一層目は完成していますが、
ちゃんと、作る準備がしてあるにもかかわらず、
二層、三層目には、窓や欄干がついていません。
しかし、自然の中に溶け込んでしまった今となっては、
それもまた「自然」ということなのでしょうか?



廃校となった西塩田小学校に行ってみました。
今となってはなかなか見ることの出来ない木造校舎。
私の田舎の小学校は、昭和50年代に耐震対策といって
昭和初期の木造校舎が鉄筋コンクリートの建物に
代わってしまいましたが、
当時はまだまだ「新しいものはいいもの」の時代。
遺して文化遺産にするという発想はなかったのかもしれません



私がよく行く宿、「上松屋」さんから、
前山寺、西塩田小学校などがある塩田平方面を望みます。
この時期だけ、右下に小さいながら「鯉のぼり」も見えますね。
塩田平は、ひなびた風情を味わうだけなら、もう最高!
そういや、映画「さよなら、クロ」のロケ地にもなりましたね。






外湯が充実していることでも有名な「別所温泉」。
一番メジャーなのは、真田幸村の隠し湯「石湯」(150円)。
まさにその名の通り、石の多いお風呂です。

今回は、塩田平を中心に紹介しましたが、
渋い魅力満載の上田交通・別所線。
新緑の美しい今…、結構いいかもしれませんよ!





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