2002-05-13更新

『児玉清さんのお薦め本』

父の命日が近いので、墓参りの日曜日。
鎌倉の海に近いところの霊園なので、
昼下がり日差しはとても強く、
シャツを脱ぎジーパンとTシャツに、
なってしまうほどだった。

墓参りの後、腰越の海に出て、
浜辺で、たたみいわしと釜揚げしらすを買った。

わが娘は、生まれて始めて海を見たが、
波の音や寄せる波に驚いたのか、
あまり信頼をしているとは思えない私の、
Tシャツの袖を握る指先に力が入っていた。

番組宛てのメールに、
先週お客様の児玉清さんお薦めの本の、
問い合わせが来ていた。

遅ればせながらのご紹介になるが、
まず、児玉さんが高校時代に感銘を受けた本は、
シュテファン・ツヴァイクが書いた、
「人類の星の時間」という本だ。

哲学や心理学、数学などの書物を出している、
「みすず書房」の本なのだが、
難しい本なのかと思い、ちょっと立ち読みしてみた所、
歴史のある時、ほんの一瞬の劇的な時間が、
どのようなものであったかを書き記した、
大変面白い読み物で、即購入してしまった。

書かれたのは1927年なので、
格調高い、まぁ少し読みにくい文なのだが、
なにせ、様々な歴史上の人物が登場するので、
引き込まれてしまう。

もう一冊は、早川書房の新刊、
「著者略歴」という本。

一時の出来心で、友人の小説を盗作したら、
これが大ベストセラーになってしまい、
人生が頂点から奈落の底へ・・・
という本らしいが、これも購入してしまった。

とにかく、児玉清さんの読書量は物凄く、
また、お読みになった本の紹介を、
落ち着いた、そして大変に説得力ある、
あの口調でされるので、
もうどうしても読みたくなってしまう。

児玉さんがお書きになった、
「寝ても覚めても本の虫」(新潮社刊)には、
児玉さんお薦めの海外サスペンス、アドベンチャーものが、
数多く紹介されているので、
本好きの方は、是非どうぞ。

ニッポン放送
うえやなぎまさひこ