7月5日(木)

『映画『折り梅』に励まされ、地域活動を始めた北海道の主婦』

  認知症のお姑さんを介護する・・という女性を描いた映画「折り梅」。2002年の公開からおよそ5年、
ナント、その5年間に全国で1300ヶ所、130万人を
動員するという記録を打建てました。
しかも、この記録は口コミによる「自主上映会」でのことなんです。

北海道は鹿追町にお住まいの主婦:におあきこサンも
この「折り梅」を観て、「あきらめなければ何でも出来るんだ!」と、新しい人生を歩みだした女性です。

実は、にわさんのお姑さんも15年前、
認知症を発症。4年半もの間、ご自宅で介護していました。
「私はどこで寝ればいいの?」という不可解な言動を発端に、「煮物に洗剤を入れる」「ストーブに新聞を入れてしまう」「ガス会社に勝手に電話してしまう」などなど・・
症状が進んでいくお姑さんの姿を見て、ご家族はにおサンに
こう告げます、
「もういいよ、このままじゃ〜アナタが倒れてしまう。
オフクロ、施設にあずけよう」

結局、ご自宅から3キロほどの施設にお姑さんは入所。
におサンは、その日からずっと「これで良かったのか」
「もっと違う方法があったのではないか?」
お姑さんを施設に入れてしまったことへの「罪の意識」を
感じ続けていました。

そして5年前。地元JAのチラシに誘われ、ある映画の試写会に
出かけました。
それが、映画「折り梅」との出会いだったのです。
認知症を発症したお姑さんと暮らす嫁の葛藤や心の揺れ動き
を描いた作品に、自分に重ね合わせ、どんどんどんどん
感情移入していきました。
そして、観終わったあと、人目もはばからず号泣したと
いいます。
映画を観てから、色々なことを考えたそうです・・
頭に浮かんでは消え、消えては浮かんでくる映画の様々な
シーン。中でも、加藤登紀子さん演じる介護士が、認知症患者と接するシーンを何度も何度も思い出しました。

「私はいつもやる前にあきらめていたのではないか?
お祖母ちゃんのことも同じ。認知症だから仕方ない、
わからない・・そんな気持ちで接していたのではないか」

そんな後悔と共に、こんな想いも強く抱きます・・
「大切なお祖母ちゃんが施設でお世話になっている分、
私は町や社会に恩返ししなくてはいけない!」

専業主婦だったにおサン。この想いをさっそく実行に
うつすんです!
地元の保育園や幼稚園の「給食サービス」をはじめ、
わずか6000人足らずの町をもっと盛り上げたい!と
「食楽族〜ぐりんぼーる〜」を立ち上げるんです。
そこからどんどん輪が広がり、活動も広がり、
現在も、毎日毎日・・夜遅くまで地域の為、社会の為に
頑張っています。

現在60歳のにわサン。
にわサンの今の夢は「生涯現役」でいること!
「自分さえあきらめなければ、何だって出来る」
映画「折り梅」が教えてくれた、このメッセージを胸に
今日も鹿追町の自然をいっぱい浴びながら、
活動しています。

お姑さん・・お祖母ちゃんは、今年で90歳。
毎週日曜日、3人のお孫さんと共に
お祖母ちゃんに会いにいく・・というにおサン。

お祖母ちゃんはきっと、今週もみんなに会えるのを
楽しみにしているんでしょうね。


※映画「折り梅」は、DVDになっています。
 レンタルなどでは、見つけにくいかも知れませんが、
 ポニーキャ二オンさんから発売中です!
 女性の監督ならでは・・な、
 とても柔らかい、温かい作品です。