12月13日(水)

『映画と女優とあの話 日活映画ヒロインの松原智恵子さん』

きょうのお客様は松原智恵子さん。昭和20年、一男三女の末っ子として生まれました。ご実家は名古屋市内で、不動産業、旅館、銭湯などの事業をされていましたが、昭和34年の伊勢湾台風で家財道具などを流されてしまいます。幼い頃の写真は1枚も残っていないそうです。土手が決壊し、父親が「水が上がって来たぞ!」と、当時、高価なテレビを抱えて2階へ駆け上がってきたのを松原さんはいまも覚えているそうです。映画女優になるキッカケは、高校1年生のとき、日活主催の「ミス16歳コンテスト」に合格。そのご褒美に東京観光をさせてもらいました。日活の撮影所に寄ったとき、カメラテストを受け、日活に入社。
日活映画の黄金期、吉永小百合さん、和泉雅子さんとともに「日活3人娘」として活躍され、当時、ブロマイドの売上が、吉永小百合さんを抜いて、一位に輝きました。小林旭さん、宍戸錠さん、渡哲也さんと共演が多く、日活映画は、百本を超える作品に出演されました。人気絶頂のときに、松原智恵子さんを取材に来たのが、ジャーナリストの黒木純一郎氏でした。その後、着物の撮影などの仕事の依頼を受け、撮影後、黒木氏と食事をするうちに、親しくなり、3年の交際後、周囲の反対を押し切って結婚。新婚旅行は、車でサハラ砂漠やアルジェリアなど北アフリカを100日かけて走破。たぶん車に乗ってアフリカを新婚旅行した日本人は、黒木・松原夫妻が初めてだったかもしれません。結婚12年目に、待望のご長男を出産されました。子どもと一緒に、ドラえもんの映画を見たのが忘れられないという子煩悩の面もお持ちです。いくつになっても“清純派”で、お茶目な面もお持ちの女優さんでした。スタッフの感想は「え、お若い!」「きれい!」「顔が小さい!」でした。