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2018.11.26

芥川賞選考委員で作家の島田雅彦さんと語る、小説界のリアルな姿

今週のゲストは作家の島田雅彦さん。その幅広い制作活動や最新作『絶望キャラメル』について、小説家の世界のリアルな姿など、幅広く語りました

小説だけでなく、戯曲やオペラの台本も。様々なジャンルで活躍される島田雅彦さんの最新作『絶望キャラメル』

東島:島田雅彦さんは、1961年 東京のご出身です。東京外国語大学を卒業、ロシア語を専攻なさっていました。 大学在学中に『優しいサヨクのための嬉遊曲』で作家デビューされます。その後数々の文学賞を受賞されて、2010年から芥川賞選考委員となられています。文筆活動は小説に限られず、戯曲・オペラの台本・翻訳・随筆など幅広くファンを魅了し続けていらっしゃいます。現在は法政大学 国際文化学部の教授でもいらっしゃいます。

須田:実は共通項がございまして。同い年に生まれているんです!そう見えないでしょう?(笑)しかも私、実は「島田さんがうらやましいなぁ、こういう人になれならなぁ」と思う点がございまして。何かというと、大学在学中に出版された処女作がものすごく評判がよい点なんです。『優しいサヨクのための嬉遊曲』、これが我々1960年代生まれ、1980年代に大学に入った人間にとってみると、左翼活動・学生運動というのがある種のあこがれだったんですよ。ところが出遅れたと言いますか、安保闘争や学園闘争など、あらかた終わってしまっていた。あと10年早く生まれていたらな、という状況の中で出てきたのがこの本でしたから、我々の世代にはものすごく読まれて。しかも左翼を「サヨク」と書いたパイオニア的存在だと思いますし、左翼陣営と物議を醸しまして批判も浴びたのではないかなと思いますけれども、それにしても早熟でしたよね。

島田: 一応アーティスト志向の人達や、スポーツマンも割と早熟ですよね(笑)英才教育をうけて中学生の頃から世界大会とかに出場するとか… アーティストというのもある程度早熟でないと。子供の頃から、一種の専門教育につながるものをみっちりやらないと大成しないということもあります。

須田:活動の中を見ますと、「小説家」という肩書に収まらないような活動をされているではないですか。特にオペラに対しての造形の深さ。これはどういったところから出てきたのでしょうか?

島田:ずっとクラシックファンでしてね。オペラは昔はあまり日本では、本格的な海外の有名なオペラハウスの引っ越し公演などは非常に少なかったのです。ですから、古いリスナーはラジオやレコードを通じて聴いていました。やっと経済が回転する時代になってくると、円高にもなってきて、それで海外のオペラも見られるようになってきたんです。なので、私はずっとラジオやレコードでオペラを聞いていたんですよ。

須田:嬉しいことを言っていただけますね(笑)最新の著作もあるのですよね?

東島:そうなんですよ、『絶望キャラメル』というタイトルでして!この作品は絶望の町「芦原」がタイトルになっているのですけれども、じっくり読ませていただいていると、この町はなんだか実在している町のような、それくらいの感覚になったんです。色味で想像するとモノクロというか、色がついていないような町なのに登場人物がものすごく活き活きとしているので、そのギャップに引き込まれながら今読んでおります。

純文学と大衆小説の違いは、予定調和かどうか。ハリウッド映画にも定型がある?

須田: 小説家の方にぜひ伺いたいなとずっと思っていたことがあるのですが、純文学というのは、我々素人から見たらどういう風に理解したらよいのでしょうか?どういうものなのですかね…?純文学と大衆小説の違いというのが、はっきり言ってよくわからないんです。

島田:簡単に言うと、予定調和か、予定調和が通じないか、の違いです。

須田:余計分からなくなってきた(笑)

島田:(笑)一応、ストーリーテリングには大きく起承転結があって、その中に盛り込まなくてはいけない要素、展開のフォーマットというようなものがあります。割とそのフォーマットをきっちり守った方が、エンターテインメントとしては成功しやすい。ハリウッド映画なんかも、この形式は割と踏襲しています。一方で純文学というのは、そのフォーマットそのものにも手を入れるといいますか、これとは違うやり方にトライ・実験をする。そういったところが違いですかね。あと、やはり自己批評などがあるか、読者を完全に酔わせる・楽しませるということに職人技として徹するか。このあたりの違いはあるかと思います。


その他にも、今の日本の純文学事情や、小説家としての生業のリアルな話、村上春樹やノーベル文学賞について、愛煙家として今の喫煙事情に思うことについてなど、多岐に話が広がりました。

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      須田慎一郎

      経済誌の記者を経て、フリーのジャーナリストに。週刊誌や新聞などで執筆活動を続けるかたわら、ラジオ、TVの報道番組で活躍中。政界、経済界での豊富な人脈を元に数々のスクープを連発。

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      東島衣里
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      東島衣里
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      1991年1月4日生まれ。
      長崎県出身。
      趣味は読書、料理。
      特技はバレエ、ぱぱっと料理。
      Facebook:東島衣里

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