須田信一郎が悪役として見習いたい!と話す津川さんは、1940年京都市のご出身で芸能人一家に育ち、数多くの映画やドラマに出演。さらには映画監督「マキノ雅彦」としても活動し、多くの受賞経験がある方です。
須田:まずは津川さんの俳優人生についてお聞きしていきたいと思うのですが、以前夕刊紙で連載されていた際に、そもそもは俳優になるつもりはなかった、と書かれていたように思うのですが、そうなのですか?
津川:そうなんですよ。役者の家にうまれたから、 子役には100%否応なくされるんだよね。で、周りがみんな役者なもんですから、なんか反抗期にね、「役者になってなるもんか!」っと(笑)、自分でも思いましてね。で役者があまり好きでなかったものですから。
須田:あ、そうなんですか?
津川:顔にドーランを塗ったりかつらつけたりね、羽二重付けたり。そういうのが煩わしくって。なおかつライトが目にまぶしくって。肉体的にもうとてもつらいことばっかりだったんで。役者は好きではなかったんですね。
須田:おぉ、なるほどね。一方で若かりし時はけっこうやんちゃだったというか、不良だったとお聞きしましたが(笑)
津川:あ、まぁ不良というか、役者なんかはもう、家庭が不良ですからね。
須田:あっはっはっは(笑)
…
須田:今日番組に出ていただくにあたり、どういった作品にでてらっしゃるのかな、と全部見たのですが、ものすごい数ですね…!
津川:ははは(笑)
須田:1年の内に何作も出ておられるとか。短期間でいろんな役を何役もこなすっていうのは、なんかこう、コツとかあるんですか?
津川:あれなんですよ、表で見るとたくさんなのですが、僕は何役もかけ持ちすることってなくて。
須田:あれ、そうなんですか?
津川:1本終わって、次の1本。というのしかやってないですから。そんなにたくさんやった、忙しかった、という想い出は過去はあんまりないですね。
須田:役者さんだと、ベビーフェイスというのかそういう役から悪役までと千差万別で。やっぱり私がみていて悪役の凄みというのが感じられるのですが、どちらの方がお好きなんですか?
津川:ありがとうございます。いや、これはね、二枚目で出てましてね。売れなくなって移籍したのですが、スターっていうのはやっぱりお神輿なんですよね。観客が担ぐお神輿。そのお神輿が勝手に足を出して動き出したら、お客さんは興ざめするだろうって。そういうことを注意もされたんですけれど、兄貴との確執もあって、で勝手に移籍をして、人気凋落。30代の時に映画を干されて1っ本もなくなってしまってね。で、その時に悪役をやれって。で、それで「嫌いな役者 人気ナンバーワン」になったんですよ。
須田:そうなんですか!
津川: 嫌いな役者になった限り仕事がなくなる。でテレビ朝日のディレクターにね、「嫌いな役者なら、悪役をやったら好かれる!」といわれて(笑)。それを引き手に「仕掛け人」とい番組でね、あれの敵役に毎回出されたんです。そればとても好評で。悪役をやるようになったんです。
その他にも40を超えてから芝居で冷や汗をかくようになった話や、セリフを五臓六腑に叩き込むことの大事さに気づいた時の話。これまでで好きな役は徳川家康であること、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3役をやられてどの武将が好きかというお話。
監督として活動している理由や、華やかな芸能一家に育って思う「自分を磨く」ということ。晩年になってお兄様との確執が解消したことについて、拉致被害者にポスターに起用されることになったきっかけ、政治的な発言に対する信念など。
俳優「津川雅彦」の深い人柄があふれ出るいろいろなお話を伺いました。
次回は引き続き津川雅彦さんにおこしいただき、日本文化や伝統について詳しくお聞きしていきます。
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