名刺に書かれた枕詞、「“不肖・宮嶋”、タブー無しで吠える!」をまさしく体現し、現場の姿をカメラやコラムでありのままに伝える宮嶋さんに、報道のリアルな裏側を伺いました。
須田:僕、一番記憶に残っているのが戦場での写真ではなくて、麻原彰晃(松本智津夫受刑者)の写真を、拘置所の外からスクープ撮影した!ということなんですよ。
宮嶋:そうなんですよ、ちゃんとね、ご丁寧に写真の中に塀まで映しこんでおりまして(笑) まあ当局から事情聴取を受けてしまったのですが、、、
須田:あれ、どうなんですか?麻原死刑囚が拘置所の中を移動している最中に撮っておりますよね? … 実際に現場で撮影が成功するまでって結構時間かかっていますよね?
宮嶋:えー、11日間です。
須田:え?11日間!?そこにいたのですか?
宮嶋:はい、ただし土日はほとんどいなかったです。(撮影可能性があった現場が)面会場への通路ですから、面会可能時間にしか(麻原死刑囚は)来ないという前提でやっておりますから。だから、カメラマン2人でしたけどそんなに張り込み的にはきつくなかったですね、もっときつかったのは他にはあったんですが。
須田:あと夜はありませんからね。夜は家帰って、っていうことですよね。
宮嶋:そうですね、はい。
須田:ああ、そういう張り込み… 昔はね、情報週刊誌全盛の頃、やっぱり張り込みっていうのは当たり前に行われておりましたよね。
宮嶋:そうですね、基本中の基本ですし。一番きつかった張り込みは36時間、かな。意外と短いんですよ、その場合は36時間車の中でずっとですけど。それも空ぶったりもあり。あときつかったのは、撮れなかったときですね。毎度「撮れる!撮れる!」と信じて張り込みしています。
須田:あとこれどうなんですかね、やっぱりそういうスクープ写真、価値がある写真がが撮れたときっていうのは、それに対する報酬ってどっかん!と来るものなんですか?
宮嶋:え~っと、当時はありましたね。まあ今もそこそこあるんですけど、当時は「えっ!!?」というくらいありましたね。
須田:お~…
宮嶋:はい、麻原の時も「えっ!!?」っていうほどありましたし、あとイラクの紛争の時もえっというくらいありましたね。税務署の手前あれですけど(笑)ちゃんと申告してますけど(笑)、そのー、1枚で何百万ということもよくありました。
その他にも、イラクやアフガニスタンでの命がけの撮影中にカメラ機材を没収されて、暴動中なので商店も締まっており、同業者も絶対貸してくれないので、地元の某新聞社から子どものおもちゃのようなカメラを土下座して借りた話や、滞在中のホテルに砲弾を撃ち込まれ同室の2人が亡くなられた時のお話。
写真は(切り取り方はあれど)嘘はつかない、けど報道はいろんな側面がある。その中で今の報道マンに対して宮嶋さんが「時には嘘はついてええと思う」と考える理由や、プロ的にちょっとなと思う「会見中にパソコンを叩いている報道マン」について。沖縄に出禁になった時のことについて、一般人がスマホで高画質な画像をどこででもその場で撮れるようになった時代のカメラマンとしての心境について、などなど。
ヤマネコ飛び出し注意!と書かれたシャツをまとうラフな姿のカメラマンが語る、報道の「生」の話に花が広がりました。
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