スポーツ伝説

6月20日~24日の放送内容

【プロ野球 髙橋宏斗投手】

 愛知県出身で地元・中京大中京高校に進み、2年生の秋には、明治神宮大会で優勝投手となった髙橋投手。しかし高校最後の2020年は、新型コロナの流行で春夏の甲子園大会が中止となり、晴れの舞台を奪われてしまったいわゆる“ロスト・ジェネレーション世代”の1人です。この年のドラフトで、髙橋投手は地元・中日ドラゴンズに単独1位指名され入団。一軍入りを目指しましたが、故障もあって1年目の昨シーズンは一軍登板ゼロで終わりました。そこでオフは、チームきっての理論派で知られる福谷浩司投手に弟子入りを志願。福谷投手が通うスポーツクリニックで体の動きを学び、フォームを修正した結果、力を入れて投げなくてもボールが走るようになりました。
 迎えた2年目の今シーズン、髙橋投手は開幕からローテーションに抜擢され、3月30日、本拠地・バンテリンドームの横浜DeNA戦でプロ初登板初先発。5回4失点の苦いデビューになり初黒星を喫しましたが、初回から153キロを計測するなど非凡なところを見せました。髙橋投手のリベンジの機会はすぐにやって来ます。少し間隔を空けた4月7日、神宮球場の東京ヤクルト戦に先発。対するヤクルトは42歳の石川雅規投手が先発し、19歳の髙橋投手とは23歳差の対決となりました。髙橋投手は初回、いきなり1点を奪われましたが、直後の2回に、自分で2点タイムリーヒットを放ち逆転。投げては、昨年の優勝チームを相手に6回を6安打3失点と堂々のピッチングを見せ、大量11点を挙げた中日が快勝。髙橋投手は嬉しいプロ初勝利を飾りました。

    
 
【プロ野球 赤星優志投手】

 昨年のドラフト3位で巨人に入団した赤星投手。高校時代はドラフトで指名されず、プロに行くには制球力が必要と、進学した日本大学で、時には1カ月で3000球の投げ込みを行いコントロールを磨きました。その結果、夢だったプロ入りを叶え、しかも子どもの頃からファンだった巨人入りを果たした赤星投手。プロに入ってからも努力は続き、キャンプ・オープン戦の猛アピールで1年目から開幕ローテーション入りを勝ち取りました。
 赤星投手のデビュー戦は、3月27日、東京ドームの中日戦。試合には、家族と一緒に父親も病を押して観戦に訪れていました。赤星投手は6回を1失点と好投しましたが、リリーフ陣が打たれて逆転負けとなります。1週間後の4月3日、赤星投手は東京ドームの阪神戦に先発しますが、試合前の投球練習でストレートの走りが今一つと感じた赤星投手は、新人らしからぬ冷静さでコーナーを突き、変化球を投げ分けることに決めて実行します。赤星投手は阪神打線を翻弄し、7回をわずか4安打、2失点と好投。味方の援護ももらい、待望のプロ初勝利を飾りました。


  
【プロ野球 本田仁海投手】

 2017年のドラフトで4位指名を受け、オリックスバファローズに入団した本田投手。しかしルーキーイヤーの9月に右ヒジを疲労骨折。治療に専念するため、オフに支配下枠から外れて育成選手になります。背番号は3ケタになり、ボールも投げられない日々を過ごした本田投手。不安と闘いながら、真剣にトレーニングと向き合いました。「この経験が今につながっている」と語る通り、19年に支配下復帰を果たすと、20年に一軍デビュー。着実にステップアップを遂げ、プロ5年目の今シーズン、ついに飛躍へとつなげます。
 5月8日の東北楽天戦でプロ初ホールドを記録。1週間後の5月15日、千葉ロッテ戦で9回にマウンドに上がると、先頭打者にヒットを許しますが、次のバッターをダブルプレーに仕留めます。3人目も打ち取って、本田投手はプロ初セーブを記録。2試合連続で嬉しい「プロ初」を経験したのです。本田投手の快進撃は続きます。プロ初セーブから2日後の、北海道日本ハム戦。両チーム無得点の7回から登板し、1イニングを無失点に抑えると、その直後に味方打線が2点を奪い、本田投手に嬉しいプロ初勝利が転がり込みました。 

  
 
【プロ野球 マット・シューメーカー投手】

 188㎝の長身で、左足を顔の高さまで上げるダイナミックなフォームから、平均148キロのストレートを投げ込む本格的右腕、巨人・シューメーカー投手。メジャー通算46勝の実績を持ち、昨シーズン、終盤に投手陣が崩れて失速した巨人にとっては、先発候補として頼もしい存在です。シューメーカー投手は、日本には昔から縁がありました。2014年の日米野球ではメジャー選抜として来日し、当時北海道日本ハムにいた大谷翔平選手と投げ合って勝ち投手になったことも。その大谷選手とは18年、ロサンゼルス・エンゼルスで同僚となり、日本の野球についていろいろ話を聞いていた仲です。
 待望の初先発は、4月9日の東京ヤクルト戦でした。初回、先頭の塩見泰隆選手に、日本でのデビュー第1球をいきなりホームランとされてしまいましたが、6回3分の2を2失点と好投。勝敗は付きませんでしたが、さすがのマウンドさばきを見せました。シューメーカー投手が本領を発揮したのは、3度目の先発登板となった4月23日の中日戦です。多彩な変化球をコントロールよく投げ分け、中日打線を翻弄。7回ツーアウトまでランナーを1人も出さない、パーフェクトピッチングを続けました。巨人打線もなかなか点が取れずにいましたが、0対0で迎えた6回、打席に立ったシューメーカー投手がライト前に来日初ヒットを放ちます。これをきっかけにツーアウト満塁のチャンスを作った巨人。三塁ランナーのシューメーカー投手が相手の暴投で先制のホームを踏み、投げては2安打完封。投打に活躍し、嬉しい来日初勝利を飾りました。

  

【プロ野球 アーロン・ウィルカーソン投手】

 長髪とひげがトレードマークで、今シーズンから阪神タイガースにやって来たウィルカーソン投手。見た目はワイルドですが、マウンドでは140キロ台のストレートにスライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球を駆使し、相手に的を絞らせない技巧派の長身右腕です。大学時代にはヒジを痛め、メジャーリーグのドラフトで指名漏れを経験。リハビリを乗り越え、食品会社の冷凍部門で夜間勤務をしながら、独立リーグでプレーを続けたウィルカーソン投手。夢を諦めず、ついにメジャー行きの切符を手に入れました。冷凍部門に務めていた経歴から、ついたあだ名は「フリーザー」。
 来日初登板となった4月16日の巨人戦では、まさに相手打者を凍り付かせるピッチングを披露します。5回までに許したヒットはわずか1本。6回に1点を失いますが、安定感抜群の投球を見せ、来日初勝利を手にしました。5月15日の横浜DeNA戦、2回ワンナウト一、二塁の場面では、初球に送りバントを決めてその後の先制タイムリーをお膳立て。5回には一、三塁のチャンスで見事スクイズを決め、来日初打点を記録しました。ピッチングでも抜群の安定感は変わらず、交流戦前の時点で防御率は1点台。交流戦の初登板は、千葉ロッテ・佐々木朗希投手と投手戦を演じ、8回無失点。交流戦初勝利も手にしました。



来週のスポーツ伝説は……

6/27(月) サッカー 小笠原満男選手ほか
6/28(火) サッカー 宮本恒靖選手ほか  
6/29(水) サッカー 森島寛晃選手ほか
6/30(木) サッカー 平川忠亮選手ほか
7/1(金) サッカー 中西哲生選手ほか

お楽しみに!!
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