スポーツ伝説

2022年1月3日~7日の放送内容

【プロ野球 新庄剛志監督】

 北海道日本ハムファイターズの指揮官に就任した新庄新監督。昨年11月の就任会見にはワインレッドのスーツと巨大な襟のシャツを着て現れ、「監督ではなく“ビッグボス”と呼んでほしい」などの言葉が普段は野球を見ない人たちの間でも話題を呼び、強烈な印象を残しました。2003年のオフ、メジャーリーグから日本球界に復帰した際、これからはパ・リーグです」と宣言し、北海道移転直後の日本ハムに入団。札幌ドームを満員にする。チームを日本一にする。を公約に掲げると、移籍3年目の06年、日本ハムは満員の札幌ドームで日本シリーズを制覇。みごと公約を果たした新庄選手は日本一を置き土産に現役を引退し、そのパフォーマンスは“新庄劇場”と呼ばれました。
 監督就任会見では「全選手が、今年のドラフトで入団したと思っている。レギュラーなんて一人も決まっていない」と、横一線からのスタートを強調した新庄監督。直後の秋季キャンプでは、選手たちを本来とは異なるポジションにつかせて守備練習をさせました。また走塁練習でもスローイングの練習でも、さまざまな工夫や新メニューを取り入れ、周囲を驚かせました。また選手の練習時間確保のため、監督自ら率先してグラウンド整備を担当。コーチ陣にも「僕たちでプロ野球を変えていこう」と声をかけるなど、チーム一体となっての改革を目指します。
 

  
【プロ野球 山本由伸投手】

 シーズン18勝、防御率1.39、勝率7割8分3厘、奪った三振は206。昨年、最多勝・最優秀防御率賞・最高勝率・最多奪三振のタイトル4部門を独占したオリックスバファローズの山本投手。完封も4試合で、これもリーグトップ。ピッチャー最高の栄誉「沢村賞」を全会一致で受賞、パ・リーグMVPにも輝き、賞レースを総ナメにする大活躍を見せました。
 また昨シーズンは、驚異のシーズン15連勝を達成。5月19日以降、半年近く黒星なしでシーズンを終えます。特に千葉ロッテと熾烈な優勝争いを繰り広げた10月は、4試合に登板して3勝を挙げてオリックス25年ぶりのリーグ優勝に貢献。クライマックスシリーズそして日本シリーズでもエースとして堂々のピッチングを披露しました。野球日本代表・侍ジャパンのメンバーとしても、東京オリンピックの開幕戦と準決勝に先発。金メダルに貢献しました。チームの絶対的エースが今年目指すのはリーグ連覇と、あと一歩で逃した26年ぶりの日本一です。


 
【卓球 早田ひな選手】

 ちょうど2年前、早田選手は失意のどん底にいました。2020年1月6日、東京オリンピックの代表メンバー発表で、3人の代表枠から惜しくも漏れてしまったのです。その悔しさを晴らすように、この月に行われた全日本選手権では凄まじい活躍を見せます。女子シングルスでは、準決勝でエース・伊藤美誠選手を撃破。続く決勝戦で、ベテラン・石川佳純選手を破り、初の日本一に輝いたのです。しかしオリンピックが1年延期になっても代表メンバーの入れ替えはなく、補欠として帯同した早田選手は日本代表を徹底サポート。練習パートナー、球拾いはもちろん、試合中は無観客のスタンドで応援しました。試合には出なくても、日本勢のメダル獲得に陰で貢献しました。
 オリンピックが終わると、早田選手は9月末からのアジア選手権に出場。長いリーチから繰り出す、男子選手のようなパワーのあるドライブを武器に女子シングルス・団体・混合ダブルスで優勝、3冠を達成します。アジア選手権での日本勢3冠は、47年ぶりの快挙でした。さらに、11月末に行われた世界選手権では、男子の張本智和選手と組んだ混合ダブルス、そしてライバルであり親友の伊藤美誠選手と組んだ女子ダブルスで、ともに決勝戦へと駒を進めました。どちらも決勝戦では惜しくも中国ペアに敗れて銀メダルとなりましたが、日本勢で唯一、2つのメダルを手にした早田選手。サポート役から一転、世界が警戒し始めた新しい主役へと躍り出ました。



【大相撲 阿炎政虎関】
 
 突っ張りを武器に勝ち進み、2019年7月の名古屋場所で小結に昇進した阿炎関。自由奔放で、ちょっとやんちゃなビッグマウス発言でも人気を集めました。ところが20年7月、日本相撲協会が決めた新型コロナウイルス感染対策のガイドラインに違反していたことが、名古屋場所中に発覚。責任を感じた阿炎関は引退届を提出しましたが受理されず、翌場所から3場所出場停止という重い処分を受けました。阿炎関はその直前、6月に結婚し子どもが生まれたばかりでしたが、妻子と離れて師匠である元関脇・寺尾の錣山親方の管理下で再出発を目指すことになったのです。謹慎が明けて、土俵に復帰した昨年3月の春場所。番付は大きく下がり、西幕下56枚目からのスタートとなりましたが、2場所連続全勝で幕下優勝を飾ります。
 7場所ぶりの幕内復帰となった昨年11月の九州場所。番付は西前頭15枚目でしたが、初日から6連勝。7日目に初黒星を喫しますが、そこからまた6連勝。12勝1敗で迎えた14日目、全勝の横綱・照ノ富士関と優勝を懸けて対戦しました。横綱を土俵際まで追い詰めますが、あと一歩及ばず2敗目。千秋楽も敗れ、12勝3敗の成績で自身3度目の敢闘賞を受賞しました。
 


【大相撲 一山本大生関】 
 
 昨年11月の九州場所で13勝2敗の成績を挙げ、初の十両優勝を果たした一山本関。中央大学時代には全国学生相撲選手権でベスト16に入りましたが、卒業後は地元・北海道に帰って福島町の町役場に就職し、仕事のかたわらスポーツ少年団で子どもたちに相撲を教えていました。転機になったのは2016年10月、いわて国体の成年男子個人の部に出場した際、ベスト16に終わったことでした。負けた悔しさから相撲への情熱がよみがえった一山本関。ちょうどその直前に日本相撲協会の新弟子検査の年齢制限が緩和され、23歳未満から一定の実績があれば25歳未満まで受験できるようになったのです。当時23歳2か月の一山本関はこの制度での合格者第1号となり、二所ノ関部屋に入門しました。
 17年にデビューすると、身長187㎝、長い手足を生かした突っ張りを武器に番付を上げ、19年7月場所で新十両に。昨年7月の名古屋場所で新入幕を果たします。しかし、わずか2場所で十両に陥落。11月の九州場所は、幕内復帰を懸けた戦いになりました。14日目を終えて、2敗で単独トップに立った一山本関。千秋楽は星一つの差で追っていた力士が敗れ、自身も勝って13勝2敗で初の十両優勝を飾りました。幕内で取った9月の秋場所は、前に出られず4勝11敗と負け越しましたが、九州場所は積極的な相撲で、本来の取り口を思い出した一山本関。今年は幕内での活躍を目指します。



来週のスポーツ伝説は……

1/10(月) プロ野球 吉田正尚選手
1/11(火) プロ野球 杉本祐太郎選手  
1/12(水) プロ野球 青柳晃洋投手
1/13(木) プロ野球 中野拓夢選手
1/14(金) プロ野球 島内宏明選手

お楽しみに!!
BACK
NEXT