スポーツ伝説

9月13日~17日の放送内容

【プロ野球 柳裕也投手】

 2016年のドラフトで中日の1位指名を受け、明治大学から即戦力として鳴り物入りでプロ入りした柳投手。しかし1年目はわずか1勝と、期待に応えられませんでした。その年のオフ、柳投手にとって思いがけない出来事が起こります。ソフトバンクを退団した松坂大輔投手の中日入りが決まったのです。柳投手は宮崎県出身ですが、少年時代、当時メジャーで活躍していた松坂投手に憧れ、松坂投手の母校・横浜高校に入学したという過去がありました。最初のうちは、恐れ多くてなかなか話し掛けられなかったという柳投手。すると高校の後輩だと知った松坂投手の方から気さくに声を掛けてくれ、グラウンドではもちろん、プライベートでも共にする関係性を築きました。
 松坂投手から配球や、調整法、先発投手としての心構えなど、自分が持っている経験・知識を惜しみなくアドバイスをしてもらい、その教えを糧に、柳投手は3年目の19年に11勝を挙げたのです。今年7月7日、今シーズン限りで現役を引退するという松坂投手のニュースが駆け巡りました。柳投手はショックを受けながらも、翌日の巨人戦で先発のマウンドに立ちます。松坂投手にいい球を見せたいと、力のある真っ直ぐに変化球を巧みに織り交ぜ、巨人打線を翻弄。8回を無失点に抑える堂々のピッチングで、今シーズン7勝目を挙げました。
  
  

【プロ野球 奥川恭伸投手】

 石川県・星稜高校のエースとして、2019年夏の甲子園で準優勝。“超高校級ピッチャー”と呼ばれ、ファンを沸かせた奥川投手。東京ヤクルトにドラフト1位で入団し、1年目の昨シーズンは、チーム最終戦の広島戦でプロ初登板・初先発を果たします。しかし、3回もたずに5失点でノックアウト。ほろ苦いデビューとなりました。
 2年目の今年、4月8日に今季2度目の先発マウンドに立った奥川投手。相手は広島で、デビュー戦の雪辱を果たす絶好の機会です。初回、2アウトを取って快調な立ち上がりを見せた奥川投手でしたが、そこから5連打を浴び、いきなり4点を献上。しかしその裏、味方がすぐ4点を取り返し、試合を振り出しに戻します。ところが2回に、雨で試合が54分間も中断。なんとか調子を取り戻したい奥川投手でしたが、3回、広島の主砲・鈴木誠也選手にソロホームランを打たれ、再び勝ち越しを許して思わず天を仰ぎました。しかしその裏、すぐさま2点を奪って6対5と逆転。奥川投手もこれに応えて4回・5回を無失点に抑え、勝利投手の権利を持って5回でマウンドを降ります。その後も得点を重ねたヤクルトがこの試合を制し奥川投手は嬉しいプロ初勝利を挙げました。


 
【プロ野球 西純矢投手】

 岡山県の創志学園高校時代、甲子園の舞台で活躍した阪神タイガース・西投手。一軍デビューの舞台もまた、甲子園でした。今年5月19日の東京ヤクルト戦で、プロ初登板・初先発。初回、先頭打者から2者連続フォアボールを許す苦しい立ち上がりでしたが、中軸打線を自慢のストレートで抑えてピンチを脱すると、落ち着きを取り戻します。
 5回までヤクルト打線にヒットを1本も許さずに投げ切り、その裏、自分の打席で代打が送られ交代となります。その後、近本光司選手が均衡を破るソロホームランを放ち、勝利投手の権利が西投手に転がり込み、プロ初白星を手にしたのです。阪神の高卒ドラフト1位投手が、プロ初登板で初勝利を挙げたのは史上初の快挙でした。



【プロ野球 佐々木千隼投手】
 
 2016年のドラフトで千葉ロッテの1位指名を受け、「即戦力」の触れ込みで入団した佐々木投手。1年目は先発で4勝を挙げたものの、その後は伸び悩みました。4年目の昨シーズンは右ヒジ・右肩のケガに悩まされ、一軍登板はわずか5試合。1勝も挙げられず、悔しい1年を過ごしたのです。今シーズンは、役割にこだわらず、一軍定着を目指すと宣言。開幕当初はロングリリーフや敗戦処理の場面ばかりでしたが、与えられた場所で地道に結果を出し続けた結果、8回に登板し抑え投手につなぐセットアッパーとしての地位を確立します。前半戦だけで、自己最多の31試合に登板。4勝12ホールド1セーブ、防御率は1.06の好成績で、監督推薦での初のオールスターゲーム出場を果たしたのです。
 オールスター初登板の機会は、第1戦の7回にやってきます。この回、先頭の阪神・近本光司選手を1球でファーストゴロに仕留めると、続く巨人・坂本勇人選手を空振り三振。さらに阪神の大物ルーキー・佐藤輝明選手をセンターフライに打ち取り、わずか7球で役目を終えました。



【プロ野球 大道温貴投手】 

 今年、広島カープでルーキーながら、先発ローテーションの一角を担っている大道投手。開幕当初は中継ぎの役割を任され、プロ初登板で初ホールドを記録。同期入団で、守護神として活躍する栗林良吏投手へ繋ぐ勝ちパターンの一角として好投を続けます。4月16日の中日戦では、2イニングを無失点に抑えプロ初勝利をマーク。そして6月11日、オリックスとの交流戦でついにプロ初先発のチャンスをつかみます。この試合では、5回をノーヒット・無失点と完璧なピッチングを披露。味方の打線の援護がなく白星こそつきませんでしたが、先発でも通用することをみごとに証明してみせました。
 躍動感のあるフォームから、最速150キロのストレートに多彩な変化球を織り交ぜて相手バッターを翻弄する大道投手。中でも決め球といえるのが、落差の大きいスライダー“マーライオン・スライダー”です。6月27日、中日戦に先発した大道投手。初回に先制点を許したものの、同点に追いついた2回、ツーアウト一・二塁の場面で打席に立った大道投手は、勝ち越しの2点タイムリツーベースを放ちます。これがプロ初ヒット・初打点でした。その後は6回途中まで投げ、先発転向3試合目で、待望の先発初勝利を挙げたのです。



来週のスポーツ伝説は……

9/20(月) スケートボード 西矢椛選手
9/21(火) スケートボード 堀米雄斗選手  
9/22(水) スケートボード 四十住さくら選手
9/23(木) 空  手 喜友名諒選手
9/24(金) サーフィン五十嵐カノア選手

お楽しみに!!
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