スポーツ伝説

7月19日~23日の放送内容

【野球 山本由伸投手】

 山本投手は、2016年のドラフト4位でオリックスに入団。150キロ台後半のストレートと高速フォーク・カットボールなどの切れ味鋭い変化球を武器に、入団3年目の19年、防御率1.95をマークして最優秀防御率のタイトルを獲得しました。今シーズンは開幕投手を任されるなどチームのエースに成長し、順調に勝ち星を重ねます。6月は4試合に先発し、3勝0敗・防御率0.64という圧倒的な成績で自身2度目の月間MVPを受賞しました。エースの活躍もあって、オリックスは11年ぶりとなる交流戦優勝を果たし、山本投手は交流戦MVPにも輝きました。その後もチームの勢いは衰えず、11連勝で一気に首位に躍り出たのです。
 好調の今シーズンは東京オリンピック・野球日本代表にも当然選ばれ、エース格の巨人・菅野智之投手が出場を辞退したため、「代表のエース」としての役割も期待されることになりました。先発・抑え、どちらもこなせる山本投手。目指すのはもちろん、金メダルです。



【野球 山崎康晃投手】

 山崎投手は入団1年目から抑えの大役を担い続け、「ヤスアキ」の呼び名でファンからの信頼も厚いリリーバー。ただ、この2年は実に浮き沈みの激しい激動のシーズンを過ごしました。2018年に初めてセーブ王に輝き、続く19年もシーズンを通して順風満帆。7月には通算150セーブを達成。その勢いのままセ・リーグで唯一の30セーブを記録し、2年連続セーブ王のタイトルを獲得します。さらに11月に開催された国際大会「プレミア12」では、日本代表のクローザーとして大会初優勝に貢献。決勝戦も山崎投手が最後を締め、プロ入り後初めて胴上げ投手になったのです。ところが、20年はまさかのブレーキ。0勝3敗6セーブで防御率は5.68。2年連続セーブ王がシーズン途中に中継ぎへ配置転換されて‟抑え失格”の烙印を押されてしまいました。
 復活を目指した今年。山崎投手は春のキャンプインを二軍で迎えました。プロ7年目で初めての経験ですが、ここで本来のピッチングを取り戻し、新たな球種にも挑戦。開幕前最後の実戦で結果を出し、滑り込みで開幕一軍を勝ち取ったのです。そして連投も厭わず、防御率1点台の安定した成績をマーク。オールスターゲームにも監督推薦で選ばれました。東京オリンピックでは日本代表のリリーフ陣のリーダーとして、金メダルを目指します。


 
【野球 菊池涼介選手】

 毎年、判で押したようにゴールデングラブ賞を受賞する名セカンド、広島の菊池選手。そんな当代きっての守備職人が究極の目標として長年掲げてきたのが、シーズン・ノーエラーです。初めてレギュラーを掴んでゴールデングラブ賞を初受賞した2013年、あまりに守備範囲が広すぎるゆえに、結果としてエラーの数も19と12球団ワーストタイだった菊池選手。それでも広い守備範囲はそのままに年々確実性も向上させると、16年にはついにシーズンエラー数が4と1ケタに。その後も毎年、エラー1ケタの安定感を誇りました。ところが19年、レギュラーの顔ぶれが大きく変わったことによる連係不足もあり、4年ぶりに2ケタ・10個のエラーを記録。ゴールデングラブ賞を受賞したとはいえ、納得の行かない数字でした。
 並々ならぬ決意で臨んだ20年は、セ・リーグのシーズン連続無失策記録を27年ぶりに更新。悲願だったシーズン・ノーエラーを達成したのです。守備機会の多い二塁手では、長いプロ野球の歴史の中で、初の快挙でした。東京オリンピックでは、鉄壁の守備で日本をオリンピック金メダル獲得へと牽引します。



【野球 甲斐拓也選手】
 
 オリンピックという短期決戦の戦いに挑む野球日本代表。そのメンバーの中で特に短期決戦での戦い方を知る男といえば、日本シリーズ4連覇中のソフトバンクの正捕手・甲斐選手です。甲斐選手が1軍の主力に定着した2017年から、ソフトバンクの日本シリーズ連覇が始まっているのが何よりの証です。18年には日本シリーズ新記録となる「6連続盗塁阻止」でMVPを獲得し、‟甲斐キャノン”と呼ばれる強肩ぶりが有名ですが、強肩以外のバットやリード面でも何度となく頼りになる姿を披露しています。昨シーズン、巨人との日本シリーズでは2本のホームラン。守っては好リードで投手陣を導き、巨人打線を4試合での最少記録となる16安打4得点に抑え、チームは2年連続4連勝で日本一となりました。
 侍ジャパンで、そもそも選出枠の少ないキャッチャーのポジションは狭き門です。ケガの危険性も多いポジションですが、その中で毎回欠かさず選ばれ続けたのが甲斐選手でした。代表チームで戦うことの厳しさ、短期決戦の難しさを誰よりも知るからこそ、今回のオリンピックに向けて改めて強い覚悟を示しました。



【野球 山田哲人選手】 

 打率3割・30本塁打・30盗塁を同一シーズンで記録するトリプルスリーを、史上最多の3度も成し遂げてきた東京ヤクルトの山田選手。ところがプロ10年目の昨シーズンは、初めてと言えるほど絶不調に苦しみました。上半身のコンディション不良で登録抹消された影響もあって、出場は94試合にとどまり、打率は2割5分4厘。6年連続で20本以上打ってきたホームランの数はわずか12本。同じく、6年連続で2ケタ盗塁を記録してきた俊足ぶりも影を潜め、8盗塁に終わってしまいます。チームも2年連続の最下位に沈みました。
 その責任も感じて臨んだ今シーズン、山田選手はキャプテン就任を志願。その覚悟は結果となって表れています。4月はホームラン9本。交流戦では7打席連続ヒットに加え、交流戦トップタイのホームラン7本を放ちました。前半戦の好調ぶりもあって、東京オリンピックを戦う日本代表に選出された山田選手。オリンピックの大舞台で、稲葉監督が目指す「スピード&パワー」を体現し、金メダルへを目指します。



来週のスポーツ伝説は……

7/26(月) 陸上1万m 安藤友香選手
7/27(火) 陸上長距離 相澤晃選手  
7/28(水) マラソン  一山麻緒選手
7/29(木) スケートボード 平野歩夢選手
7/30(金) スケートボード 開心那選手

お楽しみに!!
BACK
NEXT