スポーツ伝説

5月31日~6月4日の放送内容

【プロ野球 池田隆英投手】

 今シーズンは、開幕から負けが込んだ北海道日本ハム。そんな中、投手陣で気を吐いたのが、春季キャンプ終盤に東北楽天からトレードで移籍してきた池田投手です。池田投手は創価高校出身。高校3年生の時に右ヒザのじん帯を断裂し、そのリハビリの影響もあって創価大学では3年生まで未勝利でした。復調した4年生の春、東京新大学リーグで初勝利をつかむと、秋には4勝を挙げて最多勝と最優秀防御率に輝きます。故障を乗り越えて、力のあるボールが投げられるようになったことで、16年には楽天からドラフト2位指名という高い評価を受け入団。2年目の18年には、プロ初勝利を記録しました 。
 そんな矢先、古傷のヒザを痛めて再手術。食物アレルギーも判明して体調管理に悩み、19年オフには支配下登録を外れ育成契約となります。それでも池田選手は表舞台での活躍を諦めませんでした。地道なトレーニングを重ね、1年で支配下選手に復帰したのです。そして迎えた今シーズン3戦目、埼玉西武戦で6回を投げて3安打1失点の好投を見せ、シーズン初勝利。池田投手にとってこの1勝は、実に1094日ぶりの白星でした。その後もローテーションの一角として白星を重ね、栗山英樹監督の起用に応えています。



【プロ野球 愛斗選手】

 埼玉西武の愛斗選手は、埼玉県の強豪校・花咲徳栄高校出身。甲子園大会でランニングホームランを記録するなど俊足で、守備範囲も広く、走攻守3拍子そろった選手として、2015年のドラフト4位指名で入団します。プロ2年目の17年には、2軍戦でホームラン8本、打率3割5分8厘という好成績を収めて1軍デビューも果たした愛斗選手。しかし、プロ初ヒットは4年目の19年。ケガや好不調の波が大きかったこともあり、なかなか1軍に定着できませんでした。そんな愛斗選手に「2軍でも必死にやれ。ひたむきな姿はファンの方も見ているから」と叱咤激励してくれたのが、高校時代の恩師・岩井隆監督です。その言葉を実践するように、愛斗選手は今年、春の2軍キャンプでキャプテンに指名されてチームを牽引。自身は、これまでのホームラン狙いのバッティングからミート中心のバッティングへとモデルチェンジを目指すと、2軍戦で打率4割2分6厘、ホームラン4本と結果を残し、みごと1軍昇格を果たしたのです。
 早速スタメンで起用された愛斗選手は、1軍昇格2日目の4月9日、ZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦で、プロ初ホームランを記録します。しかもこの日、さらに逆転の2号3ランホームランを放った愛斗投手。躍進はその後も止まらず、ホームランバッターが揃う強力西武打線の中にあって、4月はチームトップのホームラン4本をマーク。持ち前のパンチ力で、レギュラー定着を目指します。


  
【プロ野球 山口航輝選手】

 昨シーズン、パ・リーグ2位に躍進しながらも、チーム打率は12球団中最下位。打撃向上が課題の千葉ロッテにあって、春のオープン戦全試合4番に起用されたのが、プロ3年目の右バッター・山口選手です。昨シーズンまで一軍の試合に1度も出ていない選手の大抜擢に、注目度は一気に高まりました。山口選手は、秋田県の明桜高校出身。高校通算ホームラン25本のパンチ力を評価され、2018年のドラフト4位でロッテに入団します。昨年は二軍の全試合に出場し、チームトップのホームラン7本をマーク。潜在能力の高さを見せました。
 それでも一軍からは声がかからず。悔しさをぶつけようと臨んだ今年のキャンプで、山口選手は平成唯一の三冠王、元ソフトバンク・松中信彦臨時打撃コーチと出会います。松中コーチから、より下半身を使ってボールを飛ばすことを伝授された山口選手は、持ち前の長打力にさらに磨きがかかり、2月の練習試合では絶好調。そのままオープン戦で4番も任され、2本のホームランを記録。結果を残して、開幕一軍の座をつかみ取ったのです。そして今年の開幕戦、いきなり5番・指名打者で出場し、嬉しいプロ初ヒットも記録した山口選手。しかしその後は鳴かず飛ばずで、期待されていたホームランも打てませんでした。そんな時、アドバイスをくれたのはやはり松中臨時コーチ。助言に従うと、待ちに待ったプロ初ホームランが飛び出しました。この1本で目覚めた山口選手は、その後も打率は低いながらも4月だけでホームラン4本を記録。右の大砲候補として期待に応えつつあります。



【プロ野球 安田尚憲選手】
 
 千葉ロッテ・安田選手は、プロ3年目の昨シーズン、初の開幕1軍入りを果たします。それから1か月後、7月21日の埼玉西武戦では、初めて4番でスタメン出場。初回、ツーアウト2塁のチャンスでセンター前にタイムリーヒットを放ち、早くも結果を残しました。以後86試合連続で4番を務め、ロッテの上位躍進に貢献した安田選手。シーズン終盤、優勝争いのプレッシャーからスランプに陥り4番を外されましたが、その間、様々なバッターの打撃フォームを見て研究。同年代のライバル、ヤクルト・村上宗隆選手の打撃フォームを見てヒントをつかみました。ソフトバンクとのクライマックスシリーズでは、第1戦に7番でスタメン出場し、千賀滉大投手のおばけフォークを完璧に捉え、2ランホームラン。21歳6ヵ月での1発は、ポストシーズンでパ・リーグ最年少記録となりました。さらに、第2戦では4番に復帰し猛打賞。チームは敗退しましたが、次のシーズンに向けて大きな自信をつかみました。
 今シーズンは21歳11ヵ月で開幕4番に座り、有藤道世選手が持っていた球団最年少記録を51年ぶりに更新した安田選手。チャンスに打ってこそ4番と、開幕戦から快調なペースで点を取り、打点を積み上げていきます。5月11日のソフトバンク戦で、リーグ一番乗りで30打点に到達。打点王を獲れば、ロッテでは1995年の初芝清選手以来25年ぶりの快挙です。



【プロ野球 呉念庭選手】 

 呉選手は、2015年のドラフト7位で埼玉西武に入団。ショートのレギュラーが不在だったこともあり、1年目から43試合に出場しました。しかし打率は1割9分4厘と低迷。抜擢されたチャンスを生かすことはできませんでした。翌17年には、現在ショートのレギュラーとして活躍している源田壮亮選手が入団したこともあり、呉選手の出場機会は減少。19年には1軍での出場が1試合もなく、昨シーズンはまさにプロ野球人生の正念場でした。しかしふたを開けてみると、自己最多となる51試合に出場して打率2割2分7厘。内野の全ポジションを守るユーティリティープレーヤーとして活躍しました。
 呉選手はグラブさばきに定評がありますが、それは二塁手だった父親譲りと言われています。父・呉復連さんは台湾プロ野球の英雄で、西武の渡辺久信ゼネラルマネージャーと台湾でチームメートだったこともありました。そんな父親に恩返しする場面が、今シーズンの3月31日にありました。開幕早々けがで離脱した山川選手に代わってこの日、呉選手が1軍に昇格。北海道日本ハム戦に即スタメン起用されると、6年目にして待望のプロ初ホームランを放ったのです。さらに4月3日のソフトバンク戦では、5打点の大活躍。主力の穴を埋めて余りある活躍を見せている呉選手は、レギュラー獲得へ向けまい進します。

  

来週のスポーツ伝説は……

6/7(月) NBA 渡邊雄太選手
6/8(火) ゴルフ 松山英樹選手
6/9(水) ゴルフ 稲見萌寧選手
6/10(木) ゴルフ 上田桃子選手
6/11(金) ゴルフ 梶谷翼選手

お楽しみに!!
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