スポーツ伝説

5月17日~21日の放送内容

【プロ野球 牧秀悟選手】

 今シーズン、開幕から引き分けを挟んで6連敗と、苦戦を強いられた横浜DeNAベイスターズ。その中でひとり気を吐いたのが、ルーキーの牧選手でした。牧選手は甲子園出場経験こそありませんが、中央大学では1年生の春からリーグ戦に出場し、3年生の春には東都大学リーグの首位打者に輝きます。また日米大学野球では、侍ジャパン・大学代表に選出され3年生ながら4番に抜擢。ホームランを放つなど、日本の3大会ぶりの優勝に貢献しました。その直後の秋のリーグ戦でも大活躍。チームを30シーズンぶりの優勝に導くと共に、リーグMVPにも選ばれました。
 こうして大学球界最強の右打者となった牧選手は、昨年のドラフト会議でDeNAから2位指名を受けてプロ入りすると、キャンプでは紅白戦最初の打席でいきなりホームラン。オープン戦では楽天の田中将大投手から連続ヒットを放つなど結果を残し、みごと開幕スタメンの座を勝ち取ったのです。牧選手は開幕戦から3番打者としてクリーンナップに名を連ね、2戦目にプロ初ヒット。3戦目にプロ初の3安打・猛打賞と初打点を記録すると、5試合目には早くも、地元・横浜スタジアムでプロ初ホームランを記録しました。さらに4月6日の中日戦では、2号ソロホームランも放った牧選手。このホームランは球団通算8000号というメモリアルアーチで、牧選手は球団の歴史にその名を刻みました。
  


【プロ野球 宮城大弥投手】

 昨シーズン、高卒1年目で唯一勝ち星をあげた、オリックス・バファローズの宮城投手。高校時代は沖縄の強豪・興南高校で甲子園に出場。高校最後のピッチング映像を観たメジャーリーガー・ダルビッシュ有投手が「あんなピッチャーになりたかった」と絶賛したほどの逸材は、2019年のドラフト1位でプロ入りしました。1年目の昨シーズンは、一軍で3試合に投げて1勝1敗。2軍ではウエスタン・リーグ最多タイの6勝、防御率2点台と結果を残しました。
 そして迎えた勝負の2年目。150キロ近いストレートにスライダー・カーブ・チェンジアップを駆使し、オープン戦でも3試合に投げて防御率1点台と抜群の安定感を見せ、開幕ローテーション入りを果たします。宮城投手の今シーズン初登板は、開幕2戦目の埼玉西武ライオンズ戦。準開幕投手という位置付けで、先発のマウンドに立ちます。大役を任された宮城投手は、立ち上がりに1点を失ったものの、その後は持ち前の安定したピッチングを見せ、7回2失点で今シーズン初勝利を挙げました。宮城投手は続く4月4日の東北楽天イーグルス戦でも、8回2安打無失点で開幕2連勝を飾っています。


  
【プロ野球 栗林良吏投手】

 社会人ナンバーワン投手として、鳴り物入りで広島カープに入団した栗林投手は愛知県出身。地元の名城大学で1年生から活躍し、3年春にはノーヒットノーランを達成するなど、4年間でリーグ戦32勝。大学日本代表にも選ばれた逸材です。ところが、ドラフトではまさかの指名漏れ。失意のまま社会人野球のトヨタ自動車に入社しました。2019年の冬、アジア各国の若手プロ選手が集うアジア・ウインターリーグに、栗林投手は社会人の選抜チームで参加。チーム事情で抑えを任されると完璧なピッチングを見せ、決勝戦では2イニングをパーフェクト。しかも9回は3者連続三振で締め、胴上げ投手となったのです。この大会での通算成績は、1勝4セーブ。防御率は圧巻の0.63。プロ選手たちを向こうに回して目覚ましい活躍をしたことも評価され、昨年のドラフトで晴れて広島から1位指名を受けました。
 栗林投手は、かつて広島の守護神として活躍し、球団最多セーブ記録を持つ永川勝浩投手コーチから直接指導を受け、もともとの武器で会ったフォークボールに磨きかけます。その決め球は、開幕早々に威力を発揮。開幕2戦目、ルーキーながら9回のマウンドを任された栗林投手は、先頭打者をフォークでセカンドゴロに。続くバッターもうち取ると、3人目はフォークで空振り三振。みごと初登板・初セーブを記録したのです。これは広島の新人では、永川コーチ以来18年ぶりの快挙でした。



【ソフトボール 後藤希友投手】
 
 身長173㎝という恵まれた体格のサウスポーで、小学4年生の時にソフトボールを始めた後藤投手。中学3年生でストレートの最速が100キロを超え、史上最年少の14歳で、24歳以下の日本代表に選ばれた逸材です。ソフトボールの強豪・愛知県の東海学園高校でさらに力をつけると、球速のMAXは110キロまで伸ばします。そして2017年9月、17歳で高校生ながら初めて全日本女子代表の強化指定選手に選ばれました。日本代表デビュー戦は18年、東京ドームで行われた日米対抗ソフトボールの第1戦でした。日本が4対0とリードした7回途中に4番手で登板。先頭打者にこそフォアボールを出しますが、続くバッターを三球三振。大舞台で鮮烈なデビューを飾り、一躍注目の存在となりました。
 高校卒業後の19年4月からは、実業団の強豪・トヨタ自動車に入社。チームメイトの日本代表選手にアドバイスをもらって腕を磨き、入社から半年後の10月、リーグ戦で初勝利。11月には1年半ぶりに日本代表に選出されました。日本代表・宇津木麗華監督曰く、日本の大黒柱・上野由紀子投手の若い頃を彷彿とさせるという後藤投手。上野投手に次ぐエースを目指して、腕を振り続けます。



【ソフトボール 峰幸代選手】 

 峰選手は、千葉県の木更津総合高校から2006年に実業団の日立&ルネサス高崎入り。当時チームを率いていたのは、シドニーとアテネオリンピックの2大会連続でメダルに貢献した宇津木麗華監督でした。宇津木監督から「捕手は守備の監督」とみっちり鍛えられ、チーム最年少の20歳で北京オリンピック日本代表に選出。上野投手の413球をひとりで受け、決勝でオリンピック4連覇を狙う宿敵・アメリカを撃破。金メダルを手にしたのです。12年・14年には、日本代表監督に就任していた宇津木監督の下で世界選手権連覇に貢献し、この年限りで現役を引退。指導者の資格を取得するなど、第二の人生を歩み始めました。
 しかし現役を引退しても、峰選手のソフトボールへの情熱は変わりませんでした。そんな時、当時トヨタ自動車の監督だった福田五志さんから声を掛けられた峰選手。かつてのライバルチームでプレーすることにためらいはありましたが、16年に現役復帰。19年12月には日本代表合宿に呼ばれ、5年ぶりに宇津木監督のもと、代表でプレーすることになりました。控え捕手ではありますが、縁の下の力持ちとして女子ソフトボール日本代表を引っ張っていきます。

  

来週のスポーツ伝説は……

5/24(月) 競 泳 池江璃花子選手
5/25(火) 競 泳 渡部香生子選手
5/26(水) 競 泳 武良竜也選手
5/27(木) ゴルフ 小祝さくら選手
5/28(金) バドミントン渡辺勇大選手

お楽しみに!!
                 
BACK
NEXT