スポーツ伝説

12月21日~25日の放送内容

【プロ野球 五十嵐亮太投手】

 五十嵐投手は、千葉の敬愛学園高校から1997年のドラフトで2位指名を受け、ヤクルトスワローズに入団。150キロ台後半の剛速球を武器に活躍します。同時期にリリーフで活躍した石井弘寿投手とのコンビは、ともにストレートが速かったことから“ロケットボーイズ”と呼ばれました。その後、五十嵐投手は2010年にメジャーリーグへ移籍。ソフトバンクを経て、昨シーズンから10年ぶりに古巣・ヤクルトへ復帰します。
 一方、石井投手は11年に引退し、ヤクルトのコーチになっていました。久々に春のキャンプで再会した二人。早速石井コーチは、五十嵐投手に修正すべき点を細かく指摘します。復帰1年目に挙げた5勝は、まさにロケットボーイズの2人で勝ち取った白星でした。昨年の活躍から一転、五十嵐投手は今シーズンの開幕前に下半身のコンディション不良で一軍を離脱。その後復帰する事は無く、10月に現役引退を発表しました。引退試合は10月25日、ホーム・神宮球場で行われた中日戦。最後は石井コーチと抱き合いプロ生活を締めくくりました。



【プロ野球 岩隈久志投手】

 2009年、WBC・ワールドベースボールクラシックで日本代表を率いた原辰徳監督は、先発三本柱の一人として岩隈投手を指名しました。岩隈投手は前年の08年、東北楽天ゴールデンイーグルスで21勝を挙げ、最多勝・最優秀防御率・最高勝率の投手三冠、さらには沢村賞を受賞し、名実ともに日本を代表するピッチャーへと成長していました。
 このWBCで、チームの危機を救ったのが岩隈投手です。アメリカ・サンディエゴ・ペトコパークで行われた二次ラウンド、キューバとの敗者復活戦で6回まで投げた岩隈投手は、18アウトのうち15個を内野ゴロで打ち取り、無失点に抑えて日本の勝利に貢献しました。そして決勝の韓国戦、8回途中まで2失点に抑える好投が、大会2連覇へと繋がったのです。19年、WBC以来10年ぶりに原監督のもと、巨人でプレーすることになった岩隈投手。しかし右肩を痛め、1軍での登板ができぬまま引退の意向を固めたのです。



【プロ野球 高橋朋己投手】

 高橋投手は社会人野球を経て、2012年のドラフトで埼玉西武ライオンズの4位指名を受け入団。身長174㎝と小柄ながら、左のサイドスローに近い角度から繰り出す剛速球を武器に、1年目の13年から一軍のマウンドで活躍します。以後は中継ぎ・抑えの両方を務め、14年は2勝29セーブ13ホールド、15年は2勝22セーブ14ホールドと、大車輪の働きを見せました。
 しかし16年に左ヒジを痛め、手術を受けてからはケガに悩み続けました。リハビリを経て、17年のシーズン終盤に復帰した高橋投手。完全復帰を期待された18年は、開幕2戦目に登板した際に左肩を痛め緊急降板。再びリハビリ生活が始まり、19年からは育成選手としての契約になりました。リハビリの合間に若手にアドバイスを送るなど、チームメイトから慕われた高橋投手でしたが、今年8月に再び肩に痛みが襲い、ついに引退を決意。常々口にしてきた「太く、短く」の信条通り、8年間のプロ野球人生にピリオドを打ちました。



【アイスダンス クリス・リード選手】
 
 バンクーバー・ソチ・平昌と、3度の冬季オリンピックにアイスダンス日本代表として出場したクリス選手。今年3月15日、アメリカ・デトロイトで心臓突然死のため亡くなりました。父親がアメリカ人、母親が日本人のクリス選手は、2001年に姉のキャシー選手とアイスダンスを始めると、06年の全米選手権・年齢別クラスで優勝を飾ります。その後、コーチの勧めで日本スケート連盟に所属を変えて、07年に全日本選手権で初優勝。以降、14年までの8年間で、7回も日本一に。そして10年、バンクーバー大会で冬季オリンピックに初出場。ソチ大会ではゲームとアニメの音楽にあわせて若き武将を演じるなど、日本文化を意識した演目でファンを沸かせ続けました。
 現役時代の後半はヒザのケガに悩まされたクリス選手。何度も手術を受け、満身創痍で挑んだソチオリンピックの後、姉のキャシー選手が引退しても村元哉中選手と新たにペアを組み、18年の四大陸選手権では悲願の銅メダルを獲得。国際スケート連盟の主催する大会でアジアの選手がアイスダンスのメダルを手にするのは、これが初めてのことでした。



【プロ野球 石原慶幸選手】 
 
 石原選手はチームが低迷していた時も、2016年からリーグ3連覇を果たした黄金期も、ずっと広島カープを支え、扇の要として投手陣をリードしてきたベテランキャッチャーです。01年のドラフトで4位指名を受け、東北福祉大学から広島に入団。2年目に正捕手の座をつかむと、09年にはWBC日本代表に抜擢され世界一を経験。リーグを代表するキャッチャーへと成長を遂げました。当時の広島はBクラスが続きましたが、石原選手はカープ一筋を貫き、10年に取得したFA権は行使せずに残留。若手選手たちを見守り続けました。
 15年からそろって広島に復帰したベテラン・黒田博樹投手、新井貴浩選手と、若手たちのつなぎ役も務めた石原選手。苦しい時期を乗り越え、16年、広島は25年ぶりのリーグ優勝を達成。石原選手は、セ・リーグの野手では最年長の37歳でゴールデングラブ賞とベストナインを初受賞しました。2017年以降、正捕手の座は會澤翼選手に譲ったものの、18年には38歳8カ月の史上最年長で通算1000安打を達成するなど、チームの3連覇に貢献しました。しかし、今シーズンは出場機会が激減し、チーム若返りの流れも受け、ついに引退を決断。捕手としての出場は、カープ歴代最多の1620試合でした。



来週のスポーツ伝説は……

12/28(月) マラソン 大迫傑選手
12/29(火) 大 相 撲  華吹大作氏
12/30(水) プロ野球 涌井秀章投手
12/31(木) 競  泳 池江璃花子選手
 1/1(金) 駅  伝 青山学院大学
                       
お楽しみに!!
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