スポーツ伝説

12月16日~20日の放送内容

【パラ陸上・視覚障害者マラソン 道下美里選手】

 2016年、リオ・パラリンピックで初めて実施された視覚障害者の女子マラソンでみごと銀メダルに輝いた道下選手。道下選手は中学生の時に、角膜の病気で右目の視力を失います。25歳の時には、それまで見えていた左目も微かにしか見えなくなり、仕事を辞めて、家でふさぎ込む日々が続きました。そんな道下選手に生きる希望を与えてくれたのが、走ることだったのです。
 視覚障害者マラソンは、視覚に障害のある選手が、目が見える伴走者・ガイドランナーと一緒に走ります。2人をつなぐのは、長さ30センチのロープ。選手は、目の代わりとなるガイドランナーから、これから進む方向、コースの状態、レースの状況や、時には戦略なども伝えてもらいます。マラソンは本来、個人競技ですが、視覚障害者マラソンは団体戦なのです。今年4月、ロンドンで行われた世界選手権で伴走を務めたのは、かつて箱根駅伝のランナーとして活躍した志田淳さんでした。その的確なサポートもあり、2位におよそ7分もの差をつけ独走した道下選手は、世界選手権優勝。東京パラリンピック出場が内定しました。東京で狙うのはもちろん、金メダルです。



【パラ競泳・視覚障害クラス 木村敬一選手】

 北京・ロンドン・リオと3大会連続でパラリンピックに出場し、パラ競泳・視覚障害クラスで、通算6個のメダルを勝ち獲ってきた日本のエース・木村選手は、幼い時に先天性の網膜剥離で視力を失いました。水泳を始めたのは、10歳の時。筑波大学付属・視覚特別支援学校で水泳部に入り頭角を現すと、2008年の北京パラリンピックに出場。しかし初めてのパラリンピックは、本人曰く、舞い上がっている内に終わってしまいました。
 12年のロンドン大会では、日本選手団の旗手も務める一方で、100m平泳ぎで銀メダル、100mバタフライで銅メダルを獲得。一番欲しかった金メダルには、あと一歩で届きませんでした。3度目のパラリンピックとなった、2016年のリオ大会。木村選手は「全種目で金メダル」を目標に、5日連続で、5種目に出場。銀メダル2個、銅メダル2個を獲得しましたが、またしても金だけ獲れず。次こそはと単身渡米し、異国の地で腕を磨きました。精神的にも逞しくなった木村選手は、今年9月にロンドンで行われた世界選手権・100mバタフライでついに金メダルに輝き、4大会連続となる東京パラリンピック出場内定を決めたのです。



【車いすテニス 国枝慎吾選手】

 2018年10月、インドネシアで行われた障害者スポーツの国際大会「アジアパラ競技大会」で、車いすテニス・男子シングルスを制したのは、世界的トッププレーヤーの国枝選手でした。
 決勝戦は、ライバル・眞田卓選手との日本人対決。2セットを連取した国枝選手は、優勝と同時に2020年・東京パラリンピックへの出場権も手にしました。これでパラリンピックには、04年・アテネから、5大会連続出場。過去に国枝選手は、08年・北京、12年・ロンドンでシングルス連覇を飾っており、東京では2大会ぶりの金メダル奪回を目指します。


 
【パラ陸上・マラソン&トラック 鈴木朋樹選手】
 
 今年4月に、ロンドンで行われた「マラソン世界選手権」・男子車いすの部で、鈴木選手がみごと3位に入賞。この功績を評価され、東京パラリンピックの車いすマラソン代表に内定しました。この世界選手権で、車いすマラソン界のトップランナー、アメリカのダニエル・ロマンチュク選手と、スイスのレジェンド、マルセル・フグ選手を向こうに回し、優勝したロマンチュク選手とは13秒差、2位のフグ選手とは、わずが9秒差のデッドヒートを繰り広げ、世界の強豪と堂々と渡り合ってみせました。
 もともとメインではなかったマラソンで結果を出せたことは、車いすマラソンランナーとしての自信にもなり、トラック競技にも活かされていると実感しています。目指すは、トラック・マラソン両方でのメダル獲得です。



 
【パラカヌー 瀬立モニカ選手】
 
 2016年、リオ大会から正式にパラリンピック競技となったパラカヌー。瀬立選手は、リオで女子カヤックシングルに出場し、競技歴わずか2年ほどで決勝に進出。パラリンピック初出場で、いきなり8位入賞という大健闘を見せました。瀬立選手は東京・江東区出身。パラカヌーの会場は、江東区に新しく建設された「海の森水上競技場」で、まさに地元開催のパラリンピックです。今年8月、ハンガリーで開催された世界選手権で5位に入賞、2大会連続となる東京パラリンピック出場が内定しました。
 競技に専念するため、筑波大学を一時休学した瀬立選手。週6日のハードな練習で逞しさが増し、世界の強豪とも互角に渡り合えるようになりました。目指すはもちろん、地元・江東区での金メダルです。


        
来週のスポーツ伝説は……

12/23(月) プロ野球  金田正一投手 
12/24(火) 女子マラソン  小出義雄監督 
12/25(水) マラソン  中村匠吾選手   
12/26(木) 女子レスリング 吉田沙保里選手 
12/27(金) プロ野球  ジュリスベル・グラシアル選手  
                       
お楽しみに!!
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