スポーツ伝説

5月15日~19日の放送内容

【バスケットボール 八村塁選手】

 大学スポーツが盛んなアメリカにおいて、特に大学バスケットボールは熱心なファンが多く、全米大学選手権、通称・NCAAトーナメントが行われる3月のことをマーチ・マッドネス“3月の狂気”と呼ぶほどです。全米中が注目するそのNCAAトーナメントに、今年初めてベンチメンバーとして名を連ねた日本人選手が八村選手。日本バスケットボール界の未来を背負って立つ男、と言われているプレーヤーで、身長203cm・体重102㎏という大柄な体格ながら、スピードにも優れているのが特徴です。
 念願の日本人初のNCAAトーナメントメンバー入りを果たした八村選手は、準々決勝の試合終了間際にスリーポイントシュートを決め、トーナメント初得点も記録。所属するゴンザガ大はその後も勝ち上がり、決勝戦に進出します。決勝では惜しくも敗れ、準優勝となりましたが、これまでベスト8が最高だったゴンザガ大にとっては歴史的なシーズンとなり、NCAAトーナメントで日本人初のファイナリストとなった八村選手にとっても、貴重な経験となりました。

   

【競泳 大橋悠依選手】

 先月開催された、競泳の日本選手権。今年7月に行われる世界水泳の代表選考会を兼ねたこの大事な大会で、驚異的な日本新記録を出したのが、女子400m個人メドレーで優勝した21歳の大橋選手です。従来の記録を3秒以上更新する4分31秒42の日本新記録は、リオデジャネイロ・オリンピックなら銅メダルに相当する好タイム。去年の日本選手権で出した記録は今年の記録より6秒近くも遅く、リオ行きのメンバーには選ばれなかった大橋選手ですが、10代の選手が次々と台頭する競泳界において、20歳を超えてからの急成長は異例のこと。“遅咲きの新星”として、いま大いに注目されています。
 今回、大橋選手が好記録をマークした女子400m個人メドレーは、世界水泳では1998年以降20年近く、日本勢が表彰台を逃している種目です。そこに突如現れたメダル候補の存在に、この夏の競泳界はさらに盛り上がりそうです。

   

【プロ野球  茂木栄五郎選手】
 
 去年、ルーキーながら、いきなり開幕戦に六番・ショートで出場。球団史上初めて新人野手で開幕スタメンに名を連ねたのは、早稲田大学出身で今年2年目の茂木選手です。プロ1年目の去年は、シーズンを通じて活躍。守備の際に右手を負傷して一時戦線から離脱したものの、117試合に出場し、規定打席に到達しました。チーム事情から守備では負担の大きいショートを任されましたが、その大役をこなしつつ、チームトップの打率2割7分8厘・11盗塁をマークしたのは、新人としては申し分のない成績です。また俊足を活かし、シーズンで2度もランニングホームランを記録しましたが、これは巨人の川相昌弘選手以来、24年ぶりの快挙でした。この活躍ぶりが評価され、オフの新人王投票でも、日本ハム・高梨裕稔投手に15票差の、116票を獲得。タイトル獲得はなりませんでしたが、その存在を大きくアピールしました。
 体格は小柄ながら、逆方向へ打ち返せるセンスに加え、長打も打てるのが茂木選手の大きな魅力。走攻守・三拍子揃った活躍で、チームを4年ぶりのリーグ制覇・日本一に導けるのか、期待が高まります。


【プロ野球  京田陽太選手】

 去年まで4年連続でBクラス。今シーズンも開幕7試合目でようやく今季初勝利を挙げるなど、スタートからつまずいてしまった中日。そんなチームにあって、開幕からスタメンに名を連ね、チームを盛り上げているルーキーが、日本大学からドラフト2位で入団した京田選手です。50mを5秒9で走る俊足と、堅実なグラブさばきに定評がある京田選手。巨人との開幕戦でいきなり七番・ショートで先発出場すると、5回の第2打席でマイコラス投手からライト前にヒットを放ち、プロ初安打を記録しました。中日で、新人野手が開幕戦に先発してヒットを打ったのは、1989年の大豊泰昭選手以来、実に28年ぶりの快挙です。
 実力には定評のある京田選手ですが、勝負所でなぜか打席が廻り、チームを勝利に導いてしまう不思議な運も持ち合わせています。この運を味方に、京田選手がチームを上昇させてくれる日をファンは心待ちにしています。



【サッカー  久保建英選手】

 サッカー界の将来を担う、20歳以下の選手たちによる国際大会『FIFA U−20ワールドカップ』。この大会に挑む日本代表の中に、15歳の若さで飛び級でのメンバー入りを果たした選手が、Jリーグ・FC東京の久保選手です。久保選手といえば、かつてスペインの世界的名門クラブ・FCバルセロナの下部組織に所属していたことで、サッカーファンの間では有名な逸材。本来であれば、FCバルセロナには「13歳未満の選手は、スペインのカタルーニャ出身の選手以外とは契約しない」という決まりがありますが、その才能を認められた久保選手は特例で入団を許されたのです。
 2011-12シーズンから、バルセロナの下部組織でプレーを始めた久保選手。その初年度から、所属したチームの得点王となって存在感を見せつけると、翌シーズンにはリーグ戦やカップ戦での優勝に貢献。目の肥えたスペインのサッカーファンの間でも、注目を浴びるようになりました。ところがバルセロナの中で、18歳未満の外国人選手獲得に関するルール違反が発覚し、久保選手は公式戦に出場できなくなるという不運に見舞われました。そこで15年3月、日本に帰国し、FC東京の下部組織に入団。すると、16年8月の日本クラブユース選手権、同じ年の12月に行われたJリーグ・インターナショナル・ユース杯で連続得点王を達成。別格の存在感を見せつけると、今年4月には、J3の試合でプロ初ゴールも記録します。15歳10ヶ月11日での初得点は、Jリーグ史上最年少記録。その活躍ぶりはすでに海外メディアでも報じられ、バルセロナの世界的スーパースター、リオネル・メッシ選手になぞらえ、“日本のメッシ”として紹介されています。
    

   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
BACK
NEXT