スポーツ伝説

7月18日~22日の放送内容

【サッカー 興梠慎三選手】

 リオオリンピックに出場する代表メンバーは18名。そのうち3名が、24歳以上のオーバーエイジ枠です。今回、日本代表へ新たに加わるオーバーエイジ枠の3人は、ガンバ大阪のディフェンダー・藤春廣輝選手、サンフレッチェ広島のディフェンダー・塩谷司選手、そしてチームの得点源として期待がかかる、浦和レッズのフォワード・興梠選手です。
 興梠選手は日本代表の主力・本田圭佑選手や、岡崎慎司選手たちと同級生。これまで鹿島アントラーズ、浦和レッズと、Jリーグを代表するクラブのストライカーとして活躍し、日本代表に何度も選ばれてきました。しかし、オリンピックに出場するのは今回が初めて。また日本代表でもゴールを決めた経験はなく、国際大会での目立った活躍はまだありません。それでも、相手の裏に抜け出すスピードはJリーグでもトップクラス。最近では体を張ったポストプレーも披露するなど、周りを活かすプレーにも磨きをかけています。手倉森監督が期待するのも、その柔軟なプレースタイル。今回の代表入りの打診があった時、レッズへの忠誠心から最初は断ったという興梠選手。しかし手倉森監督から直々のラブコールを受け、今はリオに向けて燃えています。注目のオリンピック初戦、ナイジェリアとの試合は、日本時間8月5日午前10時にキックオフです。



【サッカー 久保裕也選手】

 リオオリンピックに出場するサッカー男子日本代表、通称“手倉森ジャパン”。その得点源として活躍が期待されているのが、フォワードでスイス・ヤングボーイズ所属の久保選手です。手倉森監督も「この世代のストライカーといえば久保」と、絶大な信頼を置いています。
 久保選手は2011年、17歳で当時J2だった京都パープルサンガで、初スタメン・初ゴールの華々しいデビューを飾りました。その年は、チーム最多得点となるリーグ戦10得点を記録。さらに、サッカー天皇杯では準決勝・決勝と2試合連続ゴールを決め、準優勝に貢献します。その活躍が認められて、日本代表にも初選出。現役高校生がA代表に選ばれたのは史上2人目の快挙でした。13年には、19歳で初の海外移籍。ところが、海外でのサッカー人生は順風満帆とはいきませんでした。Jリーグではストライカーとして活躍していた久保選手でしたが、移籍したスイスのヤングボーイズでは入団当初、得点よりも味方を活かすプレーを求められました。監督からは「シュートは打つな」と言われ、香川慎司選手のようなゲームメーカーになるべく、香川選手のプレーを集めたビデオまで作って、久保選手にアシストの意識づけを促したそうです。一時は自分のプレースタイルをどうすべきか悩んだ久保選手。しかしあくまでフォワードとしてのプレーを貫き、得点を挙げることで、周囲に自分のプレーを認めさせました。今シーズンは、移籍以降では最多となるシーズン9得点を記録。また、1月のオリンピック・アジア最終予選では、チームでただ1人6試合すべてに出場。チーム最多の3得点を挙げて、チームをリオへと導きました。



【プロ野球 原口文仁選手】

 オールスターゲームも終わり、プロ野球は今週から後半戦に突入しました。今年プロ7年目のキャッチャー・原口選手は今シーズン、開幕を育成選手として迎えながら、前半戦に大活躍を見せ、初のオールスター出場を果たしました。2009年にドラフト6巡目で指名を受け、阪神タイガースに入団しましたが、腰痛に悩まされ、12年のオフから育成選手契約に移行。それから去年まで、3シーズンを一軍の試合に出られない育成選手として過ごしました。しかし、今年の春季キャンプでようやく一軍に合流。開幕は育成選手として迎えましたが、4月27日、ついに支配下選手登録を受け、甲子園球場で行われた巨人戦で一軍デビュー。7年目にして、念願のプロ初出場を果たしたのです。
 5月に入ると、バッティングも絶好調。19日の中日戦ではプロ入り初のサヨナラヒットを放ち、月間打率3割8分をマーク。ホームラン5本、17打点を挙げて、セ・リーグの月間MVPに選ばれました。育成選手を経験した野手では、史上初の快挙。この活躍が認められ、監督推薦でオールスター出場も決定。まさにシンデレラボーイとなったのです。前半戦は苦しい戦いが続いた阪神ですが、後半戦に浮上のきっかけを掴めるかどうかは、原口選手のリードとバットに懸かっています。

 

【プロ野球 鈴木誠也選手】
 
 25年ぶりの優勝を目指す広島カープ。そのチームを引っ張るのは、4年目の鈴木選手です。本拠地・マツダスタジアムで行われたオリックスとの3連戦では、初戦で延長12回の末に劇的なサヨナラ2ランホームラン。翌日には、2点を追う9回ウラに打席が回ってくると、今度は逆転サヨナラ3ラン。同じ選手が2試合連続でサヨナラホームランを放ったのは、プロ野球史上10人目。広島では1984年の長嶋清幸選手以来、32年ぶり2人目の快挙でした。さらに翌日には、4対4の同点で迎えた8回ウラ、鈴木選手はレフトスタンド上段への特大ホームランを放ちます。この一発が決勝点となり、カープはオリックスに3連勝。3試合連続の決勝ホームランは、広島では1996年の江藤智選手以来、実に20年ぶりの偉業でした。
 もうすぐ22歳になる鈴木選手にとって、前回カープが優勝したのは自分が生まれる前のこと。25年ぶりの優勝に貢献できるかどうか、後半戦のプレーでその真価が問われます。



【プロ野球 石川歩投手】

 今年のセ・パ交流戦では、セ・リーグから負けなしの3連勝。順調に勝ち星を積み重ねているのが、千葉ロッテマリーンズの3年目、石川投手です。社会人野球の強豪・東京ガスから2013年、ドラフト1位でロッテに入団した石川投手は、1年目に10勝を挙げて新人王を受賞。2年目の去年も連続2ケタ勝利を挙げ、“ロッテの新エース”と呼ぶ声も日増しに高まっています。
 石川投手は、高校時代はまったくの無名。自分では、大学野球は無理だと思っていたそうです。そんな石川投手が飛躍したのは、周囲の説得で進学した中部大学時代。ここで磨きをかけたのが、伝家の宝刀・シンカーでした。シンカーは、左バッターのストライクゾーンから外へと逃げるように曲がる変化球。プロ野球の世界でもあまり使い手がいないこの変化球を、石川投手はなんと中学時代に遊び感覚でマスターしました。そんなシンカーに、大学時代から改めて本気で取り組み始めた石川投手。150キロ台のストレートとシンカーとのコンビネーションが、ドラフト1位指名の好評価に繋がりました。昨年はシーズン終盤の大事な9月に4勝をあげ、初の月間MVPを獲得。チームのAクラス入りに大きく貢献し、クライマックスシリーズの初戦では、日本ハムの大谷翔平投手との投げ合いにも勝利しました。エースに必要不可欠な「勝負強さ」も徐々に身に付けつつあります。
   
 

来週のスポーツ伝説は……

  7月25日(月) 野球 太田幸司投手
  7月26日(火) 野球 定岡正二投手
  7月27日(水) 野球 荒木大輔投手
  7月28日(木) 野球 ダルビッシュ有投手
  7月29日(金) 野球 斎藤佑樹投手
            
                       お楽しみに!!

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