スポーツ伝説

11月30日~12月4日の放送内容

【プロ野球 リック・バンデンハーク投手】
 
 2年連続7度目の日本一に輝いたソフトバンク・ホークスの負けない男・バンデンハーク投手。レギュラーシーズンで9連勝、ポストシーズンでも2勝と、合計11連勝を飾りました。今シーズンは本拠地のヤフオクドームで、抜群の安定感を誇りました。レギュラーシーズンは6勝5敗で、防御率は1.93。フォアボールはわずか2個だけでした。日本シリーズで初対決のヤクルト強力打線をもってしても攻め手を欠き、あの真中監督も完敗を認めたほどです。
 オランダのアイントホーヘン出身で、初来日は12歳の時。王貞治さんとハンク・アーロンさんという、日米を代表するホームランバッター2人が提唱した、世界少年野球推進財団が開催した世界少年野球大会の、オランダ代表の一員でした。2002年には、アマチュア・フリーエージェントの資格でマーリンズと契約。メジャーリーグで通算8勝をあげ、13・14年の2シーズンは、韓国のサムスンでプレー。昨年は13勝をあげ、最優秀防御率、最多奪三振の2冠を獲得。来日後は外国人枠の関係で1軍デビューが遅れたものの、チャンスをつかむと一気にエース級の快投を披露しました。



【プロ野球 オコエ瑠偉選手】

 今年51回目を迎えたプロ野球のドラフト会議。過去の歴史で4000人を超える選手がプロ入りを果たしました。関東第一高校のオコエ選手は、東北楽天ゴールデンイーグルスから1位指名を受けると、緊張が期待に変わりました。「対戦したいのは大谷投手と藤波投手。あの世代で甲子園に出てた選手は目がキラキラするようなピッチャーだったので。チャンスでしっかり打てるイメージを持って対戦したい」と、早くも来年のペナントレースへ夢を語りました。
 かつてはジャイアンツジュニアに所属したこともあるオコエ選手。当時からプロへの夢を抱いていましたが、中学時代に大腿骨頭すべり症を発症し、歩行すら困難に。中学2年でボルトを埋め込む手術を受けた際には、本格的に野球を続けることは困難とまで言われたそうです。しかし家族や友人の励ましで素晴らしい選手に成長。ボルト除去後はベースランニングに磨きを掛け、3塁までは11秒。1塁から2塁を目指す時は、最短距離で走る独自の理論を生み出しています。
 
 

【プロ野球 高山俊選手】

 阪神タイガースから1位指名を受けたのは、明治大学の高山選手。ドラフト会議では、ヤクルトと阪神が共に高山選手を1位指名し競合。抽選となり、真中・金本両監督がくじを引きました。すると、ヤクルトの真中監督が先に大きくガッツポーズ。しかしよくよく確認すると、阪神・金本監督の引いたくじが当たりだったという珍事に発展しました。
 プロ野球よりも歴史がが古い、結成90周年の東京六大学野球。高山選手は、今年10月10日の東大戦で、48年間も破られなかったリーグ戦通算最多安打記録を更新しました。130安打を超えた東京六大学史上最高のヒットメーカーが、プロでどんな記録を更新するのか楽しみです。
 


【プロ野球 高橋由伸監督】

 12球団で最も若い監督が誕生しました。巨人の高橋新監督は、40歳。契約満了で退任した原前監督の後を受け、10月20日に監督の就任要請。23日に受諾を発表し、26日には就任会見という、激動の1週間でした。契約は3年間。高橋監督は、意気込みを『覚悟』という2文字で表現しました。当初、選手兼任監督という選択肢もありながら、あえて監督専任を選択。「ジャイアンツは勝たなくてはいけない。とても兼任はできません」と、チーム再建への意欲をみせました。 
 予期していなかったラストシーズンは、77試合に出場して打率2割7分8厘。特に光ったのはここ一番の代打での勝負強さで、3割9分5厘というハイアベレージを残しています。兼任は除いて、引退即監督就任というケースは過去に6人。その中では、西武の伊東監督が日本一に輝きましたが、レギュラーシーズンは2位。就任1年目でリーグ優勝を果たした監督はまだいません。高橋新監督の船出に注目です。



【プロ野球 池谷公二郎投手】

 池谷投手は奪三振にこだわり、通算103勝をあげた右の本格派。投球フォームは独創的で、「自分が持つフォームのイメージは、変則ではない。鳥が羽を広げるように投げていた。体のタメ、長くボールを意識して工夫した結果があのフォームになった」と話しています。現在の投球術は、バッターから球種を隠すボールの握り方をするのが常識。ところが、池谷投手のフォームはシーソー投法といわれた独特のものでした。
 プロ2年目には早くも18勝をあげ、球団初優勝に貢献。翌年は自己最多となる20勝をマーク。さらに最多勝、最多奪三振、沢村賞などのタイトルを獲得。翌1977年も最多奪三振の連続ホルダーに輝きますが、被本塁打も48本。日本記録となったものの、これは打者に真剣勝負を挑んだ証明です。
 


来週のスポーツ伝説は……

 12月 7日(月) 体  操 内村航平選手
 12月 8日(火) 大 相 撲  御嶽海関
 12月 9日(水) プロ野球 高橋博士選手
 12月10日(木) プロ野球 細川亨選手
 12月11日(金) プロ野球 山田哲人選手

                       以上の5選手をご紹介します。
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