1月20日
"海のF1”セーリング49er級・石橋顕選手

今週は、『セーリング49er級』を取り上げます。

セーリングはいわゆるエンジンの無いヨットです。
一見、楽しそうですが、競技となると大変です。
オリンピック選手はみんな屈強の男たち・女たちです。
五輪のセーリングは11種目あり、日本は、
96年アトランタオリンピック、470級女子で、重由美子・木下アリーシア組が銀メダルを獲得。
アテネオリンピックでは同じく470級男子で日本の関一人・轟賢二郎組が銅メダルを獲得しました。
北京オリンピックでも期待がかかるセーリングの日本代表ですが、
先日、49er(フォーティーナイナー)級で石橋顕(あきら)選手、牧野幸雄選手組が
北京オリンピック日本代表に内定しました。
石橋選手にお話をうかがいます。


山本:もしもし〜
   セーリングの49er級について教えてください。

石橋:通常のヨットは座って乗るのですが、これは立って乗ります。
   形も従来のヨットとは少し違い飛行機のような翼がついています。
   ヨットの中でも一番スピードが出る種目です。

山本:どのように勝敗が決まるのですか?

石橋:ヨットはスタートラインから「よーいドン」とはいきません。
   競艇のように、5分前からカウントダウンして0秒のときに、
   仮想のスタートラインを切ってスタートします。
   規定のブイをいくつか回ってきて、いち早くゴールした組が1位です。
   タイムではなく順位を競うもので、1位が1点、2位が2点と順位が
   そのまま点数となり「失点」となります。
   一日に3〜4レース、一週間にわたって何レースも戦って、
   もっとも失点の少ない組が優勝します。

山本:49er級にはヨットにカメラが乗るんですって?

石橋:ヨット界では海の上のF1と言われるほどスピードが速くて、
   セーリングオリンピック種目の中では花形種目として扱われます。
   ですから、オリンピック本番では毎回このクラスだけ
   オンボードカメラがついて、テレビ中継で見られるんです。


山本:スピードはどのくらい出るんですか?

石橋:速さは最高25ノットです。時速にしたら40〜45キロですが、
   海面から20〜30cmしか離れていないので体感速度は速く感じます。

山本:石橋さんが本格的にオリンピックを目指したのはいつ頃からでしょう?

石橋:高校・大学でセーリングをやっていましたが社会人になった後、ある世界大会が
   きっかけで、セーリングだけに集中したいと思い、会社をやめました。
   それから本格的に競技に取り組み、アルバイトをしたり、Tシャツをつくって
   売ったり、後援会が協賛企業を集めてくれたりしました。

山本:石橋選手と牧野選手とそれを支援する人たちが「Team Believe」というチーム
   を組んで一緒にオリンピックを目指してきたそうですね。
   「Team Believe」のホームページを見ると、『福岡へ、金メダルを!』って
   見出しが出てきます。私事ですが、福岡出身ですので、嬉しくなりました。
   ぜひ頑張って欲しいと思います。

山本・北京での目標は当然「メダル」ということですが、
   そのためには何が必要ですか?

石橋:まずは自分の最高のパフォーマンスを出すことです。
   自己コントロールして、自然と闘うので自分も自然体になれれば、
   結果はついてくると思っています。


山本:五輪本番までの予定はどうなっていますか?

石橋:2月までは国内でトレーニングして、3月から6月はヨーロッパのレースを
   転々とします。7月には中国で直前合宿。8月が本番です。

山本:「福岡へ金メダルを!」期待しています。ありがとうございました。







 
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