06月06日盛岡編

街歩き「盛岡編
きらびやかな装束をまとった馬が、
稚児を背中にのせ、軽やかな鈴の音を鳴り響かせて歩く
チャグチャグ馬コ。

馬の首につるされた真鍮の鳴り輪や
装束につけられた大小さまざまな鈴が鳴る様子が
「チャグチャグ」と呼ばれます。
古くから馬の名産地として知られる岩手では、馬は家族と同じ。
盛岡市のとなり、岩手山麓、滝沢村の
蒼前神社には、馬の神が祀られ
18世紀の終わり頃、
端午の節句に、馬を連れてお参りする風習が生まれました。
赤い布地に金をあしらった馬の装束は、
大名行列に倣ったものだと言います。
「緑の濃い岩手山、田植えの終わった水田…
   この素晴らしい田園風景の中、田んぼ道を進む馬コ。
     ずっと覚えておきたい光景だわ……」
朝9時半に蒼前神社を出発、
盛岡駅前を通って盛岡八幡宮まで、15キロの道のり。
100頭を超える馬が、およそ4時間半かけて進みます。

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盛岡の食の楽しみといえば…麺料理。
わんこそば、冷麺と並んで「盛岡三大麺」とされるのが
盛岡じゃじゃ麺。
うどんのような特製麺に、肉味噌とキュウリ、ネギをのせ、
ラー油や酢、おろしショウガ、ニンニクなどの調味料を加えていただくもの。
「ふぅ〜、独特の食感で、初めて食べる味だったわ。
   麺を食べ終わったところでっと…
     すいませ〜ん! 「チータンタン」お願いします!!」
「チータンタン」とは、
麺を食べた後の器に生卵を割入れ、肉味噌を足して
そこに麺のゆで汁を注いで作る、即席スープ。
最後の一滴までおいしくいただく、
これが、通の食べ方です。

およそ40年前、盛岡のひとりの男性が
戦時中に旧満州で食べた味をベースに開発、
自分の店で売り出したのが始まり、という「盛岡じゃじゃ麺」。
今では、地元だけでなく、
観光客にも愛される郷土料理になりました。

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報恩寺は、14世紀、
陸奥の国 三戸郡、今の青森県に建てられた寺。
1601年、盛岡へと移されました。
境内の羅漢堂には五百羅漢像が収められています。
仏教における聖者、羅漢。
仏陀入滅ののち、仏典編集のため集まった500人の弟子は
五百羅漢として尊敬されてきました。
ここ報恩寺には、そんな羅漢像、499体が現存。
これらの像は、1731年・享保16年
京都で、九人の仏師によって造立。 四年かけて完成しました。

「インドや中国の僧侶がモチーフだと言われているけど…
   珍しいモデルも混じっているそうね。
ああーっ、これがその、
      マルコ・ポーロやフビライ・ハンの像ね・・・」
石川啄木が、盛岡中学の学生のころ
散策するのが好きだった境内。
宮沢賢治も青年時代、座禅を組んだことがあるという、報恩寺です。

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「盛岡の自慢の場所は」と聞いて、
必ず名前があがるのが、石割桜。
南部藩の分家、北監物の屋敷跡で、
現在は盛岡地方裁判所の構内にあります。
周囲21m、高さ1.7mという、巨大な花崗岩を割って生えている
エドヒガンザクラ。
落雷をうけて出来た石の割れ目に、
桜の種が落ちて成長したという伝承が残っており、
樹齢360年以上といわれています。
「大きな桜の木……首が痛くなるくらい見上げちゃうわね。
   花見の季節には、さぞかし美しくなるんでしょうね。
     でも、
     この青々とした葉だけでも、十分に見る価値アリね!!」
1932年、昭和七年、盛岡地方裁判所が火災にあった時、
石割桜にも火の粉が降り掛かりました。
燃え盛る炎の中、身につけていた半纏を水で濡らし、
体を張って桜の木を守ったのが、庭師の藤村治太郎。
その後の熱心な手入れによって、石割桜は息を吹き返しました。
今も、元気な桜の姿が見られるのは、
治太郎をはじめ、たくさんの人の愛情のおかげです。

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<曲紹介>

盛岡の街歩きと併せてお届けした曲は

M1‥アメリカ、「名前のない馬」
M2‥ジョージ・ベンソン、「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」
M3‥ザ・バード&ザ・ビー、「キッス・オン・マイ・リスト」
M4‥久石譲、「銀河鉄道の夜」
M5‥宇佐元恭一、「雨ニモマケズ」
そして、
M6‥シャーリーン、「愛はかげろうのように」でした。


<声の歳時記>

◇まずは、北海道。
「初夏の一大イベント、開催」
6/9(水)〜13(日)までの5日間、札幌市の大通公園をメインに、市内の25会場で
「第19回YOSAKOIソーラン祭り」が開催されます。
ソーラン節とよさこい踊りを融合したダイナミックな祭りで、斬新な衣装も見ものです。
尚、最終日の「お祭りパレード」にはスペシャルゲストとして、
ミッキーマウスとディズニーの仲間達が登場!
ダンスの披露が予定されていますよ。

◇続いては、秋田県。
「特産品のお祭りです」
大館市の山々から山菜の便りが届くころ、旬を迎えるたけのこ。
6/13(日)、大館市の、田代スポーツ公園多目的運動広場で
「田代名産たけのこ祭り」が行われます。
たけのこ汁の早食い競争や、重さ当てクイズ、生たけのこ皮むき競争など、たけのこ尽くし!
また、秋田のヒーロー「超神ネイガー」も登場します。

◇次は、東京都。
「キングオブポップ、再び!」
現在、東京タワーで「マイケル・ジャクソン〜オフィシャルライフタイム・コレクション」が
開催中です。大豪邸“ネバーランド”の24金”で刻まれたゲートサインを始め、
愛車、ピアノ、衣装など280点以上ものアイテムを披露する世界唯一の公式イベント!
入場料は、大人2,000円、学生1,800円、中学生以下1,500円。 期間は、7/4までです。

◇そして、山梨県。
「今が食べ頃ですよ」
国内で特に早い収穫期を迎える、南アルプス市のさくらんぼ。
市内の各地にある農園で、“露地もの”のさくらんぼ狩りがスタートしました。
甘くて愛らしいさくらんぼは、数あるフルーツ狩りの中で、子供達に1番人気!
入園料金は大人2,000円、小学生未満1,000円で、40分以内食べ放題というシステムです。
このさくらんぼ狩りは、今月下旬まで楽しめます。

◇つづいて、兵庫県。
「祭りに“おこしや〜”」
毎年6/14日、西宮市の西宮神社で「おこしや祭り」が行われます。
これは、えびす様が海から神社にお起こしになった由来にちなんで、
御輿屋跡地まで、神輿や浴衣姿の“ビワ娘”が行列するというもの。
季節の果物をお供えすることから「ビワ祭り」とも、初夏に初めて浴衣を着ることから
「ゆかた祭り」とも言われています。 また先着300人に、ビワが無料で配られます。

◇おしまいは、和歌山県。
「“6月の花”を愛でましょう」
春は桜、藤、ツツジ、花しょうぶと花盛りでしたが、いよいよ出番を迎える、あじさい。
6/13(日)有田川町吉原の若者広場で
「第4回あじさい祭り」が行われます。会場周辺では、
地元の方が20年以上かけて大事に育てたおよそ4万本のアジサイが開花。
大正琴の演奏会やアジサイの写真撮影会もあります。