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【山本聖子・やまもとせいこ】レスリング (2009年5月25日〜2009年5月29日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。
この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、
インタビューの内容をお伝えしていきます。


さて、この週のゲストはレスリングの山本聖子選手です。
一度は引退したものの、結婚出産を経て今年現役復帰したばかり。
政井さんと同じ“働く”ママでもあります。


【山本聖子】
神奈川県出身、1980年生まれ。
レスリング一家に生まれ、子供の頃からレスリングを始めると数々の大会で優勝
1997年アジア選手権51kg級優勝
1999年日本大学入学、同年9月世界選手権51kg級優勝。
2000年2001年世界選手権56kg級優勝
2003年世界選手権59kg級優勝
2006年7月に現役を引退
結婚・出産を経て今年1月に約2年半ぶりとなる現役復帰を宣言。
姉はレスリング元世界王者の山本美優、兄は総合格闘家の山本“KID"徳郁、





レスリングとの出会いは?
小学校に入る前の頃です。姉の美優と、兄の徳郁が先にレスリングを始めていまして、土曜日日曜日と子供たちのレスリング道場に2人が通っていたんです。道場へは2人だけではなくいつも家族全員で行っていて、私は見てるだけで2時間ぐらい暇な時間を過ごしていたんです。しかしその内にマット運動に参加させてもらって前転・後転とやっていたらすごい褒められまして、レスリングとは関係ないんですが褒められたことが嬉しくてすごくやりたくなって始めました。
父は預けた以上「そこの先生に任せた」と言う感じで子供のころに何か言われたという記憶はないですね。それに3人兄弟ですが、父は最初男の子の兄にだけやってもらえればいいと思っていたみたいで、全然勧められなかったんですよ。
始めたころの目標は特になかったんですが、だんだんと姉に憧れるようになって尊敬する人は?と聞かれると「姉です」と答えていました。
兄にはケンカではないですけど、常にいじめられていました(笑)常に泣かされて、間違った感じでの愛情を受けましたね(笑)




最大の挑戦は?
ロンドンオリンピックに向け再び挑戦するという事です。2006年に一度は引退したんです、体力的な問題ではなく試合に向けて気持ちを作ることができなくなってしまいまして。
それで昨年の北京オリンピックの女子レスリングのラジオでの解説をさせてもらったんです、その時北京に向かう前からソワソワソワソワしてまして、でも「それに気づいたら絶対大変な事になる」というのが無意識のうちにありまして、その気持ちを追い出そうとしていたんです。
それまで引退してからの2年間は全くこれっぽちもそんな気はなかったんです、考えもしていなかったですし「あんなハードなスポーツは、もう二度と出来ない」とかそれぐらい思っていました。
北京にいる間も自問自答ではないですが何回も何回も繰り返していて、姉も別のお仕事で来ていたので「今、そう思ってるのはオリンピックに踊らされているだけだよね」みたいに話していたんです。
ウチの姉が2回復帰してるので「こういう迷っているときはどうしてた?」とも聞いたのですが、姉は「前に復帰しようとした時期に悩んでいた時期が長かったから、その時間が無駄だったそれを後悔している」と言っていて「やりたいと思ったらすぐにやった方が良い」と思いました。
それで日本に帰ってきてまだその気持ちがあったので「コレはホントにやりたいのかもしれない」と思いすぐに復帰を決めました。






最大の壁・挫折は?
アテネオリンピック出場を目指していて、最後の試合で吉田沙保里選手に負けたことです。その前までは負けても「絶対に次勝つ!」とへこみもしなかったんですよ。でも最後の最後の試合で負けて私には可能性がない、と思った瞬間が一番挫折を感じました。アテネから女子レスリングが正式種目になったのですが、そこに出る事を全然疑わずにいましたから、自分の全てが取り上げられたという感じで本当に何も残らなかったです。
それでも、ものすごく落ち込んだのはその日の夕方まででした。それには理由があって、ちょうどその日の夕方に兄のK-1デビューの試合があったんです。暗い顔で見に行って、すぐに控室があってちょうど兄がいて「ダメだった」と報告したら「だいじょぶだいじょぶ、任しとけ」と軽い感じで言われたんです。それでいざ兄の試合を見たらすごく興奮して、勝った瞬間には飛び跳ねて喜んでいましたからね。もうあの私と姉の2人を救えたのは兄しかいなかったですね、父もそれで安心したのか「じゃあおまえらバイバイ」と普通に手を振って帰ってましたからね(笑)



マイチャレンジソング
FIRE BALLSUPERSTARです。昨年8月北京オリンピックに解説の仕事に行って「本当にやりたいのか?」と言う思いを抱えて帰ってくる飛行機の中で、たまたまイヤホンをさして聞いていたら一曲目にこの曲が流れて「人生は一度きり」「お前は奇跡が生んだSUPERSTAR」みたいな歌詞があって、その時にすごい勇気が出てきて「じゃあやってしまおうかな」と言う気持ちに傾けさせてもらいましたね。勝手に運命を感じました(笑)
復帰して一番大変だったのは子供誰に見てもらおうか?ということです。最初は姉に見てもらっていたんですが姉も妊娠の最後の方でお腹が大きくて抱っこしながらと言うのも大変になってきて、ベビーシッターさんにお願いするようにして練習の時だけ来てもらったりしました。
本当に大変だったんですが、でも、これで諦めて後悔でもしたらそんなこと子供に言えませんし、これを絶対に理由にしたらいけないと思いましたね、自分のためにも子供のためにも。





未来へのチャレンジ
2012年にあるロンドンオリンピックを目標にしています。今は復帰したばかりで一日一日練習をやることで精いっぱいなんですが、それでもロンドンに行きたいという思いでいっぱいです。同じ55キロ級のライバルになる吉田選手には電話をしたんです、普段はなかなかそんなことしないんですが、そしたら向こうは「そう、頑張ってね」みたいな感じで(笑)たしかに自分が言われても困るよなと後で思いました(笑)でも人の耳から入るよりはと思って直接伝えました。
とにかく今は自分をどこまで高められるか、と言った感じですね。この秋、全日本女子オープンで復帰を予定しています、頑張りますので応援よろしくお願いします。






お話を伺って
聖子さんのお子さんと私の娘の誕生日が4日しか離れていない
ことが判明!同じく1歳7ヶ月の子どもを持つ母談義に花が咲
いてしまいました。…だからこそ…オリンピックの夢に向けて
再スタートをきった決断の凄さ、思いの強さを思い知らされました。

1歳にしてすでにレスリングの基本ポーズが出来るという息子さん。
チャレンジする聖子さんの姿を見て、ますます逞しく成長されるでしょうね!
ただ、五輪の舞台を目指して…すっきりと夢に向かって動き出した
聖子さんのこれから、応援しています!!

(政井マヤ)



政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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