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【松井千夏・まついちなつ】スカッシュ (2009年7月6日〜2009年7月10日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。
この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、
インタビューの内容をお伝えしていきます。

さて、この週のゲストはスカッシュの松井千夏選手です。
スカッシュの日本選手権で4度女王に輝いた松井選手に、
自身の事について、スカッシュの魅力についてなど、じっくりとお話を伺いました。



【松井千夏・まついちなつ】
神奈川県出身、1977年生まれ
松蔭高等学校卒業後、日本体育大学時代でスカッシュを始める
大学1年秋の学生新人戦で準優勝
大学4年生の学生選手権では個人・団体でダブル優勝。
大学卒業後はプロを目指し、オーストラリアに留学。
2001年全日本選手権で初優勝し最年少優勝記録を更新
以後2004、2007、2008年の全日本選手権で優勝
合計4度日本の頂点に輝いた、スカッシュの女王です。





【スカッシュと言う競技について教えてください】
簡単に言うと、部屋に囲まれたコートに2人入ってラケットを使ってボールを交互に打ち合うスポーツです。
普通ラケットスポーツと言うとネットを挟んで行うスポーツがほとんどなのですが、スカッシュは壁に向かって打ちます。
前の壁に当てるのがルールなのですが、その前に横の壁にあてた跳ね返りを前の壁に当ててもいいですし、後ろの壁に当てた跳ね返りを前の壁に当ててもいいんです。ただ天井はアウトボールになってしまいます。
なので、ボールが横に当たって前に当たってその後どこに行くかを予測して動かなければならないので、そこが難しいかと思うのですけど、そこを覚えていくと楽しさに変っていきます。
 〜ボールはどのようなモノを?
ゴルフボールぐらいの大きさでゴムでできていて、中が空洞になっていて落としてもあまり弾まないんです。
ウォーミングアップの時に何回も打っていると、中の空気があったまっていき弾むようになってくるんです。
 〜ボールのスピードはどのくらいですか?
男子のトッププロで初速200キロぐらい、女子でもかなり早いので当たると痛くてあざができます。
 〜ラケットはテニスと同じくらいですか?
長さはだいたい同じなんですけど、面の大きさが少し小さく重さもテニスの大体半分ぐらいで、私の使ってるモノは115グラムでかなり軽いと思います。
 〜一番かっこいいショットと言うとどのようなショットになるんですか?
テニスで言うとスマッシュなんですが、スカッシュはニックショットといいまして、横の壁と床と隅の所を狙ってボールを打つとボールが転がってしまって取れないのでそれがスカッシュで言うウィニングショットになります。
 〜今スカッシュの人口はどのくらいなんですか?
日本での愛好者で言うと30万人ぐらいなんですが、競技者で言うと10万人ぐらいです。
世界だとスカッシュはイギリスで生まれたスポーツなのでイギリスを始めとしたヨーロッパの国が盛んですごく強いです。


【松井選手とスカッシュの出会いは?】
大学のサークルで出会いました。小学校からずっとバレーボールをやっていたんですが身長が157センチでセッターだったんですがなかなか続けるのは難しいなぁと思いまして
それで実は体育の先生になりたくて日本体育大学に進んだんです。
はじめはラケットスポーツがやりたくて趣味程度にテニスをやっていたのでテニスサークルに入ろうと思ったんです。
ただ体育大で一流のサークルと言う感じだったので、それで何か他にないかな、と思ってサークルとかを紹介している本があってそれをペラペラめくっていたらラケットを持ってボールを打とうとしている写真があったんです、
コレは何だろう?スカッシュってなんだろう?と思ってそれでちょっとやってみようかなーと思ったのがきっかけです。
 〜実際にやられてみてはいかがでしたか?
テニスをやっていたのでラケットにボールを当てるのはなんとかなるんですが、やはり弾みが違うので「あれ?ボールが全然弾んでこない」というのと、壁際にボールが行った時にスウィングがしたくても出来なかったんです。
それで「何とか打てるようになりたいな」という悔しさから始まったんです。その時から「次はいつ練習があるんですか?」と聞いてましたね。
 〜サークルとして始めたスカッシュ、選手として本格的にやろうと思われたきっかけは?
その秋に、新人戦があってそこで準優勝したんです。その後12月にインカレがありまして、そこでがんばってみたいなと思っていた時に日体大のOBの方でスカッシュのコーチを専門としている方がいまして、その方とたまたま出会えまして相談したら「練習を見てあげようか」と言ってくださいまして、その方にずっとコーチをしてもらったんです。
なので他のサークルの方とか他の大学の方とちょっと違った環境だったので、その出会いは大きかったと思います。


【自信最大の挑戦は?】
日本のスカッシュには「プロ」と言う選手はなかなかいないんです、みなさん仕事をしたりコーチ業をしながらスカッシュもやって海外にチャレンジすると言う形が多かったんですけど、
私の場合はスポンサー契約を頂いたりスカッシュを広める活動をしていて、そういった道を自分が切り拓いていって下の選手たちも目指せる環境を作っていってあげたいな、というところが挑戦です。
 〜大学を卒業してオーストラリアに留学したんですよね
その時に私のコーチがオーストラリア人だったんです、そこで世界のスカッシュを肌で感じるためにそこのコーチのところにお世話になりに行ったんですが、
オーストラリアでは、普通に趣味として週に1回とか2回しかスカッシュをやらないおばさんに手も足も出ない感じで負けたりしまして、ショックを受けましたね。
 〜層が厚いという事ですね、日本と何が違うんでしょうか?
やはり気軽にスカッシュできる場所が日本には少ないですからね、やる人も少ないですし。
オーストラリアではホントに昼休みにチョコっときて1時間ぐらいやってまた仕事に戻る、と言った感じですごく身近にあるんです。
 オーストラリアから帰られた後は
その年の全日本選手権でベスト16で負けてしまったんです、それでこのままじゃいけないと思いまして、今度は場所をアジアに変えて香港の方に移動してそこでトレーニングをさせていただいて、その年の全日本で初めて優勝できたんです。
その時にオーストラリアのスタイルと、アジアのスタイルが違いを感じまして、体格とかの面でアジアにはアジアのスカッシュがあるのでそういったところからアジアにベースを置いてやっていって香港やマレーシアに移動してやっています。



【松井選手のチャレンジソングは?】
SuperflyHi-Fiveです。試合前にモチベーションを上げたいのでその時にアップテンポな曲を聞きたいんです。それで全日本選手権の決勝の前に入場曲をながすんですが、その時にこの曲を選びました。
 〜松井選手は試合の時にバンダナを巻かれているんですが相当な数を持っているんですよね?
100枚くらいあります。学生の頃から巻いてました、ちょうどテニスの伊達公子さんがバンダナを巻かれていて、伊達公子さんに憧れていたので伊達公子さんモデルのウェアを着てスカッシュをやっていたんです。
スカッシュでも強い選手はバンダナを巻いていたのでバンダナをしだしたんです。
でもバンダナは結構ワンパターンな柄でそれもなんか面白くないと思っていたんです、その時に母親が「コレしてみて」と手作りのバンダナをくれたんです。
今はその100枚はすべて母の手作りバンダナなんです、お守り代わりですね。
色は強いイメージや明るいイメージを出したいので原色的な色を使ったり、海外では和のテイストを出したいので桜のイメージだったり花をイメージしたものをウェアと組み合わせてやっています。
やはり見た目も重要なので、強さとともにアピールしていきたいとおもます。
 〜松井選手の勝負色は?
赤ですね。赤が入っているバンダナだったり、ホントに真っ赤なバンダナだったり、それで試合に勝ったらゲンを担いで次も使います。


【今後の大きな目標は?】
スカッシュが2016年のオリンピックの正式種目候補に挙がっているので、ぜひそこに入ってもらうのが最大の目標です。
2012年のロンドンオリンピックでも最終選考まで行ったのですが種目にはならなかったんです、なので次の大会には正式種目に入ってもらいたいです。
そしてその時まで現役で続けることも目標ですね。
 〜2016年には松井選手は39歳です
はい、でも憧れているクルム伊達公子選手が現在38歳ですが現役として活躍されているので、伊達さんが頑張っているんだったら私も頑張りたい、と思っています。
 〜近いところでの目標は?
やはり全日本選手権で3連覇を狙いたいです。そして12月には東アジア大会が香港であるんですが個人、団体、ダブルスと種目があるのでそこで何とかメダルを取りたいというのもあります。
 〜頼もしいですね、期待しています!すごく見た目は可憐な感じなんですが、きっとコートではたくましいんでしょうね
コートに入ると変わると良く言われます(笑)自分ではそういうつもりではないんですが、スカッシュの事を考えたりコートに入ると「負けたくない」と言う気持ちが強く出るので変わるんだと思います。
 〜スカッシュの魅力とは?
本当に、年齢層に関係なく老若男女自分のレベルに合って楽しめるスポーツ、頭も体も同時に使うので見るだけではなく体験していただいた方がわかりやすいと思いますので、それに天候も関係なく出来ますし、このシーズンは日焼けを気にしなくていいので女性の方にもお勧めです。
今は新横浜にあるSQ−CUBEというスカッシュ専用のスポーツクラブありまして、そこに4面コートがあるのでそこをホームコートとしてやっています。みなさんもぜひ一度体験しに来てください。
http://www.sq-cube.com/



インタビューを終えて
とっても、爽やか!まさにスポーティな魅力溢れる松井千夏さん。

そんな松井さんのイメージにぴったりのスカッシュの
爽やかな魅力を存分に教えていただきました。

スカッシュ…知っているようで知らないことが多いスポーツだったのですが、
ボールがとても小さいことや中が空洞になっていて弾まないことなど…
『へぇーーー』というトリビアが満載でした。

一番かっこいいショットコートの隅に落とし込むのが《ニックショット》!
これは是非とも見てみたい!!

最近では、スケルトンの壁にして競技をより楽しく観戦出来る試合もあるのだとか。

オリンピックに一番近い新種目とも言われているスカッシュ。
東京オリンピックでの千夏選手の活躍…叶うといいですね!!
そのときはもちろん、お母さまお手製のステキなバンダナなんでしょうね!

(政井マヤ)


政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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