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【岸川朱里・きしかわあかり】陸上女子800メートル (2009年7月13日〜2009年7月17日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。
この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、
インタビューの内容をお伝えしていきます。

さて、この週の陸上女子800メートルの岸川朱里(きしかわ・あかり)選手です。
陸上の格闘技と呼ばれる800メートルで世界にチャレンジする岸川選手にお話を伺っていきました。



【岸川朱里・きしかわあかり】
神奈川県出身1985年生まれ現在23歳。
神奈川県新栄高校1年でインターハイ4×400メートルリレーの準優勝メンバーに
2年時のインターハイでは800メートル3位、3年時のインターハイでは800メートルで準優勝。
日本体育大進学後、アジアジュニア、世界ジュニアで日本代表に選出。
関東インカレ800メートルでは3連覇を達成。
大学卒業後昨年、全日本実業団陸上800メートルで優勝。
念願のタイトルを獲得した陸上界のニューヒロインです。






【陸上との出会いは?】
中学校のころは陸上があまり盛んではなかったので、バドミントン部に入ったんですけど4つ上の姉が高跳びで高校のインターハイに出場したんです。
それで応援に行った時に「私も陸上でインターハイに行きたい」と思いまして、姉と同じ高校に進学して陸上を始める事にしました。
 〜バドミントンでインターハイと言う思いは?
私はバドミントンがあまり強くなかったので(笑)それよりも好きな陸上で行きたいなと思いました。
 〜ご両親も陸上選手だったんですね
はい、父親が高跳びで母親が幅跳びの選手で、姉も高跳びでみんな跳躍の選手なんです。
 〜その中で800メートルと言う種目を選んだのは?
最初に取り組んだのが800メートルだったんです、一回中学の時にたまたま出場した横浜市の大会で800メートルで優勝したんです。
当時は陸上部ではなかったんですが、他校の陸上部の選手に勝ってしまって。
そのままインターハイに出場できたのがきっかけなんです。
 〜800メートルは陸上の格闘技とも言われるんですよね?
日本ではマイナーなんですが、ヨーロッパなどでは結構人気が高いんです。
位置取りだったり、レースの中でスピードも限界に達したなかで体がぶつかることもしょっちゅうあって陸上の格闘技とも呼ばれるんです。
私も高校の頃、レース中に他の選手のスパイクでケガをしてしまったことがありました。でも気づいたのはレース後、どの時点でケガをしたのかはわかりませんでした。
 〜800メートルの魅力、楽しさは?
400メートルのタイプだった利、1500メートルのタイプだったり、色んなタイプの人が集まってレースをした時に、
色んなレース展開だったり、作戦も展開によって変わるのでフィニッシュタイムもかわってきます。
本当に2分の中にも様々な展開があって同じレースがないので、それも魅力だと思います。


【最大の挑戦は?】
まずは800メートルで1分台のタイムを目指す事が、今の最大の挑戦です。
日本人ではまだ誰もやっていない事なので、私が一番最初に!と言う気持ちがすごくあります。
アテネオリンピックにも出場された、杉森選手(現姓・佐藤)が昨年休養されいなくなってしまったので、
その背中をずっと追い続けていたので、やはり私が!と言う気持ちが強くなりました。
 〜1分台へのチャレンジイメージとしてはいつ頃には更新したいと思いますか?
一番の目標としてロンドンオリンピックがあるので、その時までには、と思っています。
現在2分4秒62、この前の全日本選手権では3位だったのですが、まだまだこれからだと思えるので頑張ってやって行きたいです。





【一番大きな壁・挫折は?】
今まで大きな壁・挫折を感じた事はないんですが、強いて言えば高校一年の時ケガをしてしまって一年間走れなくなってしまったんです。
色々スランプもあって、精神的にも落ち込んだ時期があって陸上をやめようかとおもうくらいでした。
 〜どのような怪我だったんですか?
練習中に過呼吸になってしまった事があったんですがそのまま走り続けていたんです。それで走り終わった時に歩けなくなってしまって、ずっと松葉杖をついて生活になってしまいました。
ちょうど初めてインターハイに出た後だったんですけど、それまで大きなケガと言うのがなくて初めてケガする事を経験しました。
その時はすぐインターハイに出れた事で「コレでいいんだな」と自分で思ってしまった事が大きなケガにつながってしまったんだと思いました。



【マイチャレンジソングは?】
絢香さんの夢を味方にです。
今年の春先調子が上がらなくて成績が落ち込んでいた時にこの曲を聞いたのですが、とても前向きになれる良い曲だな、と思いました。
なのでいつも試合の前に聞くようにしています。
 〜すごく伸びやかな曲ですよね、でもスタートすると陸上の格闘技、そして女の戦いが始まるんですよね。
    社会人になってからまた戦い方は変わってきたりしましたか?

結果がすべての世界なんですけど、その中でも内容にこだわっていきたいと思いました。
その中でも、やはり自分のスピードを活かせるような走りが出来るようにしたいな、と思っています。
あとは若手の選手には負けたくないと思っています。まだ23なのですが(笑)
 〜試合前に願掛けみたいなことはしていますか?
試合の前日にはウナギを食べています、良く監督に連れて行ってもらう事が多くて(笑)
地方の遠征ではうなぎ屋さんをわざわざ探してくれています。
あとは試合の前は必ず新しい靴下を履くようにしています、新しい靴下で気持ちを引き締めています。


【今後の大きな目標は?】
大きな目標はやはり800メートルで1分台の記録を出す事で、その先には世界に続く道があると思っているので、それに向かって挑戦していきたいと思っています。
 〜現在2分4秒62、日本歴代10位の記録ですが残り4秒62と言うのはどう感じていますか?
少し大きいな、とは思うんですけど、やはりそれに挑戦しなければ意味がないと思うので、1分台目指して頑張っていきたいと思います。
オリンピックでも800メートルは3人しか出場していませんが、最近では短距離の選手も力をつけてきていますしマラソンでも活躍しているので800メートルでも日本人が世界に通用しないわけがないと思うので、それに私が挑戦していきたいと思います。
 〜プライベートでの目標は?
今、NPO法人湘南トラッククラブインターナショナルという所で活動しているので、女性アスリートの環境整備だったりセカンドキャリア支援を行っています。
競技をやめても活動できる環境が少ないので、女性アスリートを支える環境をもっともっと作っていきたいです。



インタビューを終えて
小さなノートを広げてインタービューに答えてくださった岸川朱里さん。
そこには几帳面な字で綴られたメモが。

ああ…なんて、真面目にこのインタビューに向き合ってくれているのかしら…と感激。

お話を伺ううちに、ああ…なんてひたむきな頑張り屋さんなのだろう…と再びの衝撃。


そういえば、黒髪に黒のジャケットに細身の黒のパンツ姿もとてもスマートかつストイック。
きっと勉強も出来るんだろうなぁ。

「陸上の格闘技」とも言われる800メートルで、岸川選手はどんな闘いをしているのかしら?
と興味がわいてきました。ノートに書かれた文字のように、真面目に、ひたむきに走り抜けるのかしら? 

その真面目さが、朱里選手の強さの源なんでしょうね。

でも、でも、時には頑張りすぎないでね。きっといつも十二分に頑張っているだろうから…と、
思わず不真面目なお姉さん?(33歳の自問自答…)は声をかけたくなるような、
それくらいにしっかりした23歳でした。

女性アスリートの環境を向上させたい、とも語ってくれた陸上のニューヒロイン、岸川朱里さん。
お姉さん?も応援しています♪


(政井マヤ)


政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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