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【古賀淳也(こが・じゅんや)】水泳世界選手権金メダリスト (2009年10月26日〜2009年10月30日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。
この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、
インタビューの内容をお伝えしていきます。
先週のゲストは、競泳元日本代表の岩崎恭子さんです。
世界選手権で金メダルを獲得し、日本水泳連盟2009年度最優秀選手に選ばれた日本水泳界の新星・古賀選手にたっぷりお話をお伺いしました。


【古賀淳也】(こが・じゅんや)
1987年埼玉県出身。
幼少のころより水泳を始め中学3年生時に全国大会で優勝。
その後、春日部共栄高校、早稲田大学と進む。
昨年行われた北京オリンピックは代表から落選するも、
今年行われた世界水泳選手権50メートル背泳で銀メダル
100メートル背泳で見事日本新記録をマークし、金メダルに輝く。
日本水泳連盟2009年度最優秀選手



【水泳との出会いは?】
5歳くらいの時です。兄が先に水泳をやっていて、その兄がスイミングスクールで泳ぐ姿がとても楽しそうに見えたので、自分から親に「水泳をやりたい」と話したのを覚えています。親がスイミングスクールで申し込みの髪を書いているときに横でぴょんぴょん飛び跳ねていたのを覚えています。
入った時から不思議と泳げた方だったので、割と早くから選手コースから誘いがあってすぐに本格的に泳ぐようになりました。練習は週に6日、日曜日は休みなので平日は学校が終わってから毎日通っていました。
それでも小学校の時はサッカーをやったり、中学の時は野球をやったり色んなスポーツをやっていました。なので子供のころの文集の将来の夢には「プロ野球選手になりたい」と書いていましたね(笑)


【最大の挑戦は?】
今年の4月の日本選手権です。今までにないくらいのキツイ練習をして臨んだので、その結果を出せるか出せないかと言うのが僕の中で大きな部分を占めていました。
そういう所で同じ背負泳ぎで入江選手がいるので彼に挑戦するという感じで、本当に大きな挑戦になりました。
北京オリンピックの選考に僕は漏れてしまったのでテレビで応援していたんです。テレビで見ていたら「なんで僕はここにいるんだろう?」とすごく歯がゆい気持ちになりました、それで入江選手も凄く成長して帰ってきたので僕もこのままじゃ彼と勝負も出来ないとおもったのでものすごく刺激になりました。
 〜そしてローマで行われた世界水泳では金メダルを獲得しました、これは狙って撮った金メダルだったのでしょうか?
と、いうよりは、それまで自分のやってきた練習をしっかり活かして、そのうえで結果がついてくれば嬉しいなと思って泳いだ大会でした。
なので金メダル取った実感はあまりなくて、夢のような感じで、どのようにすればいいんだ?と表彰台の上で緊張していました(笑)
しかしこのレースは入江選手も本調子でなかったですし、アメリカの世界記録保持者のアーロン・ピアソル選手も決勝に進んでこれなかったので、自分としてはまだ世界一を獲った!とか世界で一番早い!とは思っていないのでこれからがまだまだ挑戦だと思っています。


【最大の壁・挫折は?】
一番最初に挫折を感じたのは中学の時に全くタイムが伸びなくなって、それで当時は野球も一緒にやっていたので野球の方を頑張りたいと思ったりしました。本当にタイムが伸びないと精神的に重苦しくなって「もう辞めたいな」と思ってしまうんです。
当時は平日は水泳で土曜日は2回水泳の練習がある合間に野球の練習をして日曜日は野球、というサイクルだったので休む時間が全くなかったのでオーバーワークだったんだと思います(笑)
それで当時親から「野球を辞めて水泳に打ち込んでみたら?」と進言があったんですが、僕としては水泳が伸びてないので野球の方に行きたかったんですけど「どうしても水泳をやった方がいい」と言われて、一度野球を離れて水泳のタイムが戻ってきたら野球をすると言う形にして水泳を再開したら中学3年の時に日本一になれました。
それ以外では北京オリンピックで代表に選ばれなかったというのもあるのですが、今年の日本選手権が終わった後に日本とオーストラリアの選手で行われる日豪対抗と言う試合があるのですが、その試合で僕が日本選手権の時に出した記録を入江選手に抜かれてそのまま負けて、周囲の人も「やっぱり入江選手は凄い」と言う風に言われていて「じゃあ僕はいらないじゃないか」と思ってしまって投げ出してしまおうかと思ってしまったんです。
その時は悔しくて泣きましたね、どうしたらいいんだろう?と言う感じで。しかしその時周りで支えてくれている人たちが「お前の目標は日豪対抗で結果を残すことではなく、今年の世界選手権で結果を残すことだろ」と本当にみんなから言われて、それで世界選手権を目指して練習に打ち込めましたね。そして世界選手権で結果を残せたので、これはこの時支えてくれた周りのみんなへの感謝のあらわれなんじゃないかと思いますね。


【チャレンジソングは?】
THE VINES(ヴァインズ)のHighly evolved(ハイリー・イヴォルヴド)です。中学の時に一番最初に勝ったCDのアルバムの中に入っていた曲で、今でもレースの前に聞いたり電車で移動している時などによく聞きますね、ヨコノリというよりはタテノリの曲の方が好きなのでこういう曲をよく聞きますね。
 〜試合前はプールサイドでも音楽を聴くのですか?
プールサイドと言うよりは控場所の方で良く聞きます。
 〜ローマの世界水泳の時、試合前はどんなコンディション・精神状態で臨んだのでしょうか?
そんなに気負った感じはなく、今まで練習をしてきたことの中で一番ココを気をつけたいというのを心に決めつけてレースをどういう風に泳いだらいいというのを考えて、それ以外には特に何も考えていなくて凄く集中した状態だったのではないかと思います。
 〜プライベートのこともお聞きしたいのですが、現在早稲田大学の4年生なんですよね
学生生活も半年を切りましたね、実家が学校からすごく遠くて電車で片道2時間半かかるのでそのなんとも言えない長い時間もなくなってしまうのも寂しいかなとおもいますね。
振り返ってみて、大学生らしいかといわれるとあまりそうではないかもしれませんね、大学に行き勉強をして、帰りに練習場所があるのでそこに寄りそのまま帰るという生活を毎日のようにしていたので。“学生”らしいといえば“学生”らしいまじめな生活を送っていたので他の人からしたら面白みのない生活かもしれませんね(笑)
そんな中唯一の趣味はHPですね、試合の時に選手はどういう風にしてるんだよという事やこんな風に思っているんだ、と言う事を伝えられるので。

http://junyakoga.com/


【将来の目標は?】
一番最初に上がってくるのは、3年後のロンドンオリンピックというのが僕の中ですごく大きな目標なんですけど、それよりも人の心を動かせるような本当に感動させるようなレースをする、と言う事が水泳をやっていて良かったなと思える事なのでそれが一番の大きな目標ですね。
僕も頑張ろう、私もできるかもしれない、といった勇気を与えられるようなレースというのが必ずどの試合でもあると思うので、僕自身そういう感動を与えられたらうれしいですし他の人も見ていて楽しいと思うので。
そう思うようになったきっかけは、習い事で空手をやっているのですがその空手の師匠の教えで、殴り合いとかそういう事ではなく心を鍛えるという『武道』としての空手を習っているのでそう思えるようになったんです。
空手を始める前はレース前に「どうしよう・・・」とホントに心の落着きが無かったんですけど、今年結果が出たのは本当に空手で心の部分をしっかり鍛えたので凄く落ち着いてレースに望めた事が多かったんじゃないかと思います。
それと引退した後の目標ですが、スポーツマネージメントに興味があるのでそういった部分で選手の力になれたらいいかな、と思っています。





インタビューを終えて
『背泳ぎ王子』の良きライバル…と聞いていたので王子のライバルなら少しワルかしら?なんて思っていたら、こちらもイケメンのまぎれもない『王子』。そして、対談をしながら「王子」は「王子」でも誰かに似ている…とずっと考えていました。

ちょっとシャイながらも、志が高い、青年らしい受け答え。最近、空手をはじめた…と聞いてピンと来ました。『ケンシロウだ!』と。
ご本人は無類の漫画好きとのことでしたが、ブログをのぞいて見るとなかなかに文才もあり。

アスリートとしても今、絶好調。期待の星ですが、水泳以外にもいろんな才能が眠っていそうな…水の中で世界と闘うケンシロウでした。
(政井マヤ)


政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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