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【片岡安祐美(かたおか・あゆみ)】野球・茨城ゴールデンゴールズ (2009年11月16日〜2009年11月20日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。
この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、
インタビューの内容をお伝えしていきます。
先週のゲストは、“欽ちゃん球団”こと茨城ゴールデンゴールズの片岡安祐美選手です。



【片岡安祐美】(かたおか・あゆみ)
熊本県出身、1986年生まれの現在23歳。
小学生の頃から野球を始め、中学三年の時に女子野球日本代表に選出。
熊本商業高校に進学し野球部に入部。
規定により公式戦には出場できませんでしたが3年間野球部の活動に打ち込む。
高校卒業後は、萩本欽一さん率いる硬式野球チーム茨城ゴールデンゴールズに入団。
昨年行われた女子野球世界選手権に日本代表として出場。




【野球との出会いは?】
小学校3年生から野球を始めました。父親が野球好きでいつもテレビで甲子園とプロ野球を見ていて、いつからか甲子園と言うものが「カッコいい」と思うようになっていて「自分もここでプレーをしたい、ここに立ちたい」と思って野球を始めました。
なので父から「やれ」と言われた事は一度もなくて、私が「やりたい」と言ったら最初は大反対されました。
なのでその後、野球部に入る事になった時「他の女の子と遊ぶ時間はないし、休みもない。毎日練習が終わって帰ってくる時間は遅いから中途半端な気持ちでは野球は出来ない、それでもいいのか?」と言われました。
 〜小学校3年生から始めて周りの男の子達についていけました?
実は小学校の部活が始まるのが4年生からだったので3年生はその部活についていくために練習を開始していた時期なんです。
それで入部した時は「学校創立以来だ」と言うような事をいろいろ言われたのですが、同級生の女の子も一緒に入ったので女の子二人でキャッチボールとか色々やっていました。
 〜最初にどこのポジションがいいという希望はありましたか?
どこがいいと言うのはなかったのですが、ただ内野手がいいとゆうのはありましたね。練習をやっているときにゴロを受けると言う事が多かったので、それで自然と内野手かなと思っていました。
捕るだけじゃなくて、捕った後に投げて、それでアウトに出来るのは良いな、って。
それで部活に入って「ポジションどこが良い?」と聞かれた時に「サードがいいです」と言ってサードになりましたね。
レギュラーになれたのは6年生の先輩たちが引退してからなので5年生の秋ぐらいからです、今と身長があまり変わっていないので(笑)小学校の中では大きかったので、一番サードで副キャプテンをしていました。


【最大の挑戦は?】
今所属している茨城ゴールデンゴールズへの入団が最大の挑戦なのかな、と思います。
もともと大学で野球をしたかったのですが、私が受験をしようとした大学は「女子は試合に出れない」と言う事を一週間前に知りまして、、、調べてなかった私がいけなかったんですけど(笑)それでも野球部への入部は認めてくれていたので、練習試合やオープン戦も頑張ってみようかなと思っていたんです。
しかし、その受験も失敗し「どうしよう?どこで野球が出来るかな?」と思っていた時に「球団が出来ます」と言う事を球団の関係者から聞かせていただいたんです。
でも私自身は欽ちゃんの事はあまり知らなかったんで「真剣にやる野球ではない」と思っていたんです。
それで「見てる人に楽しんでもらえるような楽しい野球だろうな、でもその野球はまだいいかな」と思って最初は受けるつもりはなかったんです、しかし色々調べていく内に環境もしっかりしていて指導者の方も元プロの方もいて教えてくれていてというのがわかってチャレンジしてみたいと思うようになったんです。
その時母親に「あなたは自分自身が楽しんでプレーすれば、見てる人も楽しんでもらう事が出来るんだよ、だからあなた自身が楽しめばお母さんは良いと思う」と言われた事がきっかけでホッとしてやってみようと思いました。
 〜萩本欽一さんから素敵なお言葉も頂いたそうですね?
欽ちゃんに初めてお会いした時に「将来の夢は何?」と聞かれたんです。
その時に「野球に携わる仕事がしたいです」と私は言ったんです。
だけど本当はずーっとプロ野球選手になりたかったんです、でも父親に「お前はプロ野球選手にはなれない、野球で生活していく事は出来ない」と言われ続けてきたので、じゃあ野球に携わる仕事がしたいなと思うようになっていて。
それでその時は欽ちゃんにそう言ったんですけど「携わるだけでいいの?」と言ってくれたんです。
そこで「いや、本当はプロ野球選手になりたいんです」と言う事を言ったら「じゃあその夢僕がかなえさせてあげる」と仰ってくれまして「この人の事、あまりよくわからないけど着いていこう!」とおもってトライアウトを受ける事にしたんです。
 〜そして入団から5年がたち、その間に大学も卒業し教職も取られたんですよね?
熊本を離れて関東で野球をする、となった際に親から2つ条件を出されてそれが「教職を取りながら大学を4年で卒業しなさい」と言われて「それが出来なかったら熊本に強制送還です」と言われていたのでそれだけは必死でしたよ、野球をやる為に。
それで無事に教職も取れ卒業も決まった時に報告したら「ありがとう」と言ってくれて、普通なら「おめでとう」と言ってくれるのかなとおもっていたので「ありがとう、約束を守ってくれて」と言われた時は、空港にいたんですけど思わず泣きそうになりましたね。


【最大の壁・挫折は?】
本当につい最近の事なんですけど、ずーっと練習をして来てはじめて公式戦でのスタメンというチャンスをいただいたんです。
その時自分は、この球団に入って自分の体が一番動いてると思っていたんです、それで練習も一番出来ていたのでやれるだけのことはやったと思っていたのですが、いざ本番でミスはするしチャンスでゲッツーは打つし最悪な結果しか出なかったんです。
なので、もっといい結果を出すためにはこれ以上の事をやらなきゃいけないと思うと「もうこれ以上の事は出来ない」と思ってしまって、その時はもう引退じゃないですけど逃げる道逃げる道に行ってしまうんですね、「もう頑張れない」となってしまったんです。
試合は両親も見に来ていて、本当に泣きたかったけど泣く事も出来ず、ただ交代を告げられた時ホッとしてしまった自分もいたんですよね、それがまたイヤで頭と心が一致しなかったんです、頭ではわかっているのに心がついていかない。
試合後は一か月ぐらい悩んで、いろんな選手や両親にも相談して「いい子ぶんな」とか言われたり、その時に母親から「安祐美のおかげで女子野球も発展して人口も増えて環境も増えてきたからいいんじゃないの?」って「あとは自分の為だけに楽しんでやりなさいよ」って言ってもらって
その時、野球がやりたくても出来ない人の分も頑張らなくてはいけないしっていう風におもって人の分まで勝手に頑張っていたのを気付かされて、知らず知らずに勝手にプレッシャーになっていたんでしょうね。
それからは、誰かの為にもいいけど、自分や自分の大切な人、家族や欽ちゃんの為にだな、って思うようになりましたね。


【チャレンジソングは?】
AIさんのYOU ARE MY STARです。
この曲は【壁・挫折】でお話しした「へこんでいる」と言う時に車の中で運転しながら聞いていたら凄くジーンときて、「頑張ろう」と「安祐美は安祐美でいいんだ」と思えたんですね。
こういう「孤独じゃないみんな応援してるんだよ、だから頑張ろう」といった自分が上に上がれる曲が好きなんです、それで選手のみんなとご飯を食べに行ってカラオケなどに行ったときにこれを歌えるとみんなで「ヤバいよね、これ」って泣きそうになりながら聞いてくれるんです(笑)
 〜さすがチームメートですね(笑)それでも男性の中で野球をやるときに大変だと思う事は?
練習の時大変だな、と思う事はないのですが、一番大変なのは着替えですね。着替える場所が無いんですよ。
元々小学校中学校と男の子の中で着替えていたので上手には着替えられるんですけど、周りからは「やめなさい」と言われるので、だからいつも着替える時はトイレに行って着替えています。
試合前に時間が無い時もトイレに走って行って着替えるのでそこが大変かな、と思います。
 〜お話を聞いているととても楽しそうに野球をやられている感じがしますね?
私のモットーできつい時こそ笑顔でといのがあるので、キツイ練習をしている時こそ「スマイル!スマイル!」と言っているので笑顔で頑張り続けたいですね。


【将来の目標は?】
最終的な目標は女子野球を広めたいと言う事です、野球をしたくても出来ない人は男性女性問わず沢山いると思うんですがそれでも女の子が「野球をしたい!」と言った時に「ダメ!」じゃなく「はいどうぞ!と言えるような環境をいっぱい作りたいな、と思います。
あと、自分自身の夢としては野球を始めたころの夢であるプロ野球選手になること。
あとはこの球団でゴールデンゴールズのユニフォームを着て甲子園球場で野球をしたいな、と思います。
甲子園を見に行ったとき、打席に立ちたい!セカンドを守りたい!とずーっと思っていたので、こうやって言い続けていればいつか甲子園で野球をする事が出来る日が来るかな?と思って言い続けています。
 〜指導者として甲子園に立つことも考えているのでしょうか?
それもあったので大学で教職を取ったんです。母校とかで指導者になり指導者で甲子園に行くのも一つかな、と思います。
でもまだ今は自分がプレーヤーとしてやっていたいので現役選手として立ちたいですね。

 〜そして片岡安祐美選手も出場する茨城ゴールデンゴールズの試合が近くにあるんですよね?
はい11月28日 土曜日に「茨城ゴールデンゴールズ」が、ニッポン放送でもおなじみのテリー伊藤さんの「のってけベイブルース」と試合をやらさせていただきます。
毎年やらせていただいているんですが、凄く面白いんです。
選手も真剣にやっているんですが笑顔の絶えない、楽しく、ベンチにいる時はみんなで大爆笑するような試合です。
まず欽ちゃんとテリーさんのマイクパフォーマンスで激突するんです、前回は負けたらキグルミを着てダイヤモンドを一周したりして、本当に選手でも楽しめるので見てるお客さんも本当に楽しんでもらえると思います。
なので11月28日 土曜日は会場の千葉市青葉の森野球場にぜひ遊びに来てください。プレイボールは午後1時半となっています。
先日まで楽天の監督を務めていた野村克也監督もスペシャルマイクパフォーマンスでゲストに来るらしいので、それは選手が一番楽しみにしているんですけど(笑)お楽しみに!
野球を知らない人でも楽しめると思うのでゼヒ球場に足を運んでください、私は笑顔でグラウンドを走り回っていると思うので声援よろしくお願いします。

詳しくはこのリンクから



インタビューを終えて
153センチ。こんなにかわいい女の子が、男性陣のなかで野球をしているなんて!!にわかには信じられないほど。

もちろん、欽ちゃん球団での活躍は知ってはいましたが、お会いしてまずはびっくり。しかし、女の子でありながら、常に前例の無いパイオニアと
して、男の世界で野球をやり続けてきたあゆみ選手。その精神力、野球へかける情熱は半端なものではない…お話を聞き始めてすぐにわかりました。


5年前の欽ちゃんとの出会いで、夢への一歩を踏みしめた安祐美選手。いまその舞台でいつも『これが最後でも悔いがないように』と精一杯のプレーをしているとのこと。その姿は甲子園球児のように、観ている私たちに感動を与えてくれているのだと思います。
(政井マヤ)


政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
On Air Time
ニッポン放送
(月)〜(金)17:32〜17:37