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【瀧本誠(たきもと・まこと)】シドニーオリンピック柔道81キロ級金メダリスト (2009年12月7日〜2009年12月11日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。
この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、
インタビューの内容をお伝えしていきます。
先週のゲストはシドニーオリンピック柔道81キロ級金メダリストの瀧本誠選手です。


【瀧本誠】(たきもと・まこと) 
茨城県出身、1974年生まれ現在34歳
小学校1年生で柔道を始め、中学時代に名門・講堂学舎に入門。
その後、高校、大学で頂点を極め
2000年にシドニーオリンピックの柔道81キロ級では
「金メダルに一番遠い日本代表」と言われながらも優勝し金メダルを獲得。
2004年の大みそかから総合格闘技に参戦、
現在も、柔道家としてリングの上で戦い続けています。



【柔道との出会いは?】
6歳の時です。僕の実家が青果店をやっていまして、そこで僕がキャベツをひんむいたりいたずらばっかりしていたんです(笑)
たまたま買い物に来た柔道の先生が、そういういたずらをする僕を見かねて「そんな事ばっかりすんだったら道場に来て柔道を始なさい」と言われて始めたのがきっかけです。
それでも最初、道場に入るときはしばらく緊張しながら行っていましたね、しかし家の親からは「一度始めたら最後までやってこい」と言う教えをいただいていたのでやめたくてもやめられない感じでした。
多分初めて2〜3か月だったと思うのですけど、最初に試合に出た時に3番か2番になったんです。その時にご褒美としてゲームを買ってもらったんです、その時はそれが嬉しくて、その後も子供の頃はご褒美のゲームが目的で続けていたと思います。
それに最初は友達作りというか、道場でいろんな友達と会えて遊べるのも楽しかったので、子供の頃は柔道そのものよりもそっちの方が大きかったと思います。


【最大の挑戦は?】
多分みんな「オリンピック」と言うと思うのですが、僕はその後に当時所属をしていた会社を辞めてフランス語を勉強したくて1人でフランスに行ったのが最大の挑戦だったとおもいます。
本当は以前から行きたいと思っていたのですが、選手としても忙しくなかなか実現できませんでした。そしてオリンピックで金メダルを取ることにより一つ自分の柔道にけじめをつけれたので「思い切って行こう」と思ったんです。
 〜何でフランス語だったのでしょうか?
当時僕がオリンピックに出た時のコーチがたまたまフランス語がペラペラで、サッカーの監督がフランス人のトルシエ監督、そのコーチと監督がフランス語で凄い会話をしていたので「ちょっとコレかっこいいな」と思ったんです。
それにみんな多分英語はやるので僕は少し人と違った事がしたかったんです、それにフランスは柔道が盛んな国だったので。
フランスへは約1年半いました、パリから電車で一時間ぐらいにあるジャンヌダルクで有名なオルレアンと言う所で、そこでは地元のクラブに入って柔道もやっていたんです。そのクラブは勉強するような塾も兼ね備えていたので、そこのフランス語の国語先生に僕が教えてもらっていました。
 〜一年半もいればもうフランス語は?
もう忘れましたね、日本にいると日常では全く使う機会がないので(笑)

 〜オリンピックでの活躍も印象深いのですが
僕以外の代表が有名な選手ばかりで、僕が一番注目されてない選手で、大会前に雑誌で金メダル予想みたいなものがあったんですけど自分のところを見たら『獲得確率30%以上』と書いてあったんです。
それが頭の中にずーっとあって、それで実際に勝った時には本当にざまぁみろと思いました。


【最大の壁・挫折は?】
毎回が壁ばっかりなのですが、僕が中学で東京に来た時が本当に壁でしたね。親元を離れて生活したと言うこともあって、今まで親がいたから全部やってくれたことが食事以外は全部一人でやらなければいけないと言うのもあってそれも大変でしたね。
 〜柔道人生を振り返られてみて順調と言うより壁を乗り越えて乗り越えてといった感じでしょうか?
なんかよく柔道では「エリート」みたいに言われますけど全然壁ばっかりでそれを乗り越えて来たここまで来たという感じです。
 〜壁の乗り越え方は?
20過ぎてからは、お酒におぼれて(笑)トコトンつぶれるまで呑んで「次の日から頑張ろう」みたいな感じです。
なので学生まではだいぶ思いつめたり、悩んでいたのかもしれません。


【チャレンジソングは?】
ケミストリーSo In Vainという曲です。
当時付き合っていた彼女とカラオケに行ったときによく歌っていました。
 〜柔道をする際やウォーミングアップ中などに音楽を聴くことはないんですか?
僕はそういったことはないですね。よくヘッドフォンをつけて音楽を聞いて集中している方はいますが、僕は本当に何もしないんです。
ただ本当人ボーッとしたりとか、普段と変わったことはしないんです。
自分で『集中しなきゃいけない』と言う時は僕にとってあんまりよくない時なんです。多分自然体でできているときが一番いい状態だと思っています。
 〜本当に今でもどしっとされていて今すぐにでも柔道に入られそうな感じがするのですが、普段から気持ちの波はあまり無い方なのでしょうか??
本当はあるんですけど、表に出さないんです。今も本当はめっちゃ緊張しています。
 〜オフはどのように過ごされているんですか??
子供がいるので子供と遊んでいる事が多いです。2人いるんですけど2歳の男の子と4歳の女の子がいて、下の男の子は激しいので毎日2人で傷を作りながら遊んでいます。
よく「パパの試合が見たい」と言ってみせるとマネごとをしてくるので、ちょっと教育上よくないのでそろそろ考えないといけないな、と思っています(笑)男の子何で取っ組み合いとか好きみたいなんですよ。



【将来の目標は?】
 〜総合格闘技に挑戦されながら柔道家としても活動されているんですよね?
今、所属する吉田道場では「VIVA JUDO」という柔道教室を2カ月に一度くらいなんですが開催しています。
今まで柔道をやったことがない小学生だったり幼稚園児だったり、もちろん柔道をやっている子も含めて楽しく柔道教室をやっています。
もちろん最初は技とかできないので、挨拶の仕方とか投げられても大丈夫なような受け身の仕方とか本当に基本的なことから教えています。
 〜子供たちが喜ぶことはどんなことでしょうか?
人を投げるという事をした事がない子が多いのでもちろん投げることもそうなんですが、今までやったことのないことに触れるのが楽しかったりテンションが上がったりしているんだなと言う感じがします。
 〜子供たちを教えることは大変そうですが、実際にはいかがですか?
僕が前に幼稚園生を教えたときは、幼稚園生がおもらしをしてしまってそういうこともあるんで大変です(笑)
普段子育てで多少は慣れているんですがあわてましたね。
 〜子供たちを教える上で一番気をつけている事はなんですか?
本当にスポーツの楽しさはもちろんですけれど、柔道特有の礼儀とか精神的な部分を感じ取ってくれたら一番いいかなと思います。
 〜ゆくゆくはお子さんたちにも柔道をさせるのでしょうか?
僕からはさせないです、つらい思いばかりしてきたので僕も。それに僕とくらべられるでしょうし。
でも本人がやりたいと言ってきたらさせますね、その時は何も言わずに本人の思い通りにさせます。



インタビューを終えて
柔道家らしい、堂々した佇まいと、鋭く見据える眼力。「ひょっとして気難しい方かなぁ??」と思ったのも束の間。柔道との出会いから、お腹が痛くなるほど笑わせてくれるウィットに富んだ方でした!!

フランス留学では『フランス女性にモテたでしょう?』なんて失礼な質問にも正直にお答えくださいました。回答は『モテましたが、フランスに遊びに来たのではなかったので・・・』と。なんてステキ(笑)。

道を究める厳しさとユーモア。相反するものが共存する瀧本さん。一筋縄ではいかない何か・・・それが、柔道家として戦い続ける瀧本さんの強さなのかも…と思いました!!
(政井マヤ)


政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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