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【上原浩治(うえはら・こうじ)】メジャーリーグ ボルチモアオリオールズ(2週目) (2009年12月21日〜2009年12月25日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。
この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、
インタビューの内容をお伝えしていきます。
先週のゲストはメジャーリーグボルチモアオリオールズの上原浩治投手でした。


上原浩治】(うえはら・こうじ) 
大阪府出身、1975年生まれ34歳。
東海大仰星高校から大阪体育大学を経て1999年にドラフト1位で読売巨人軍入団。
一年目から20勝を挙げる活躍を見せ新人王と沢村賞を獲得。
その後も数々のタイトルを獲得し、さらにオリンピック・WBCと国際舞台でも活躍、日本を代表する投手の一人となる。
今シーズンからはMLB・ボルチモアオリオールズに移籍し念願のメジャーリーグに挑戦。




【上原さんにとって一番大きな出会いは?】
一番と言うと、プロ野球界では桑田さんですね。
目標と言うか憧れの人だったので入った時同じチームだったので色々声をかけていただいて、最初の宮崎キャンプではかなり食事にも連れて行っていただきましたし。
そういう意味では「どうやってやればいいか」と言う事、プロ野球界の生き残り方じゃないですけど、それこそエレベーターの乗り方まで教えてもらいましたから(笑)コレはすごく覚えているんですけど、「女性とエレベーターに乗るときは先に乗りなさい、そして『開』のボタンを押して待っておきなさい」と「車もドアを開けて待っておきなさい」と桑田さんはそういう人なんですよ。
 〜エレベーターの乗り方以外に教わった事以外で印象に残っている事は?
「ワインは体にいい」と(笑)飲み過ぎは良くないけど、ホントにソムリエぐらいワインにも詳しので。そういう事や私生活の態度も含めて本当にジェントルマンですよね。
野球の話になると、2年目に初めて僕が開幕投手を務めた時に外野をジョギングしながら僕が桑田さんに相談をして、それで桑田さんから「開幕投手の心得」みたいなアドバイスをいただきましたね。
「とにかく考えるな、自分の思った事を自分の思った通りにやればいい」「140試合ある中の1試合だ」と言っていただきましたね。
 〜憧れの方と一緒になれると言うのはとても嬉しかったでしょうね
僕もプロ野球選手になれると思っていなかったのでジャイアンツに入った時に周りを見たら「うわー」って選手ばかりで、その当時は「桑田さん」ではなかったですから(笑)「あー、桑田だ!!テレビで見る人だ!」と言う感じでしたから(笑)そういう人達ばっかりいましたから嬉しかったですよね。



【大きな壁・挫折は?】
浪人、受験の壁です、それが一番ですね。
その時支えになったのは(高橋)由伸と(川上)憲伸の存在です。ちょうど彼らが大学1年生からリーグ戦に出て活躍しているのを新聞とかで見て「同級生でもこんなに活躍しているんだ」と言うのは励みになりました。
あと、僕の周りの同級生の友人のほとんどが浪人していたのも大きいですね(笑)みんなで集まって日曜日に近所のおっちゃんたちと混ざって草野球をしたり息抜きと言うのが出来ましたから。
 〜高校の同級生には様々なスポーツ選手がいるんですよね?
ラグビーの大畑大介に、野球では北海道日本ハムの建山がいます。今でも連絡を取り合っていて大介が秩父宮で試合をする時はなるべく見に行っています、去年も見に行ったんですが開始5分で退場してしまって(笑)見る楽しみになくなってしまいましたけど。
建山ともシーズン中にメールを交換したりしています。
 〜だいぶ励みになっているんですね?
この2人が現役でいる以上はまだまだ辞める訳にはいかないんで、たぶん3人が3人そう思っていると思いますよ。

 〜その他に壁と言うと?
野球選手である以上結果を残さないと壁と言われますよね。ただ「壁・挫折」と感じたことはないですね。
成績を残せなくても「野球ができている」ので、好きな事を職業に出来ている事は「ありがたい」と思ってやっているので、壁とかそういう風には考えないですね。
今年も2勝しかしていないですけど、プレーした3か月はすごく楽しかったので決して壁と言う風には思っていません。
 〜プロとして職業にしてしまうと楽しさと言うものはなくなってしまいそう、と思ってしまうのですが?
なくなりそう、でしたね。でもアメリカに行ってそれはなくなりました、逆にもっと楽しくなりました。
あと2008年に日本シリーズです、西武の選手がスゴイ楽しそうにやっていたのがとても印象に残っているので、やはり楽しくやらないとダメだなと気づかされましたね。
 〜楽しく無くなりかけた原因と言うのはなんだったのでしょうか?
成績を上げていないと言うのが一番なんですが、あとは毎年毎年同じ事を繰り返すと言う難しさですよね。
巨人の最後の3〜4年はそう言った感じだったかもしれませんね。
ましてや色々求められる球団ですから、ファンとマスコミといろいろ(笑)
 〜それを乗り越えるためには?
一番は新聞を見ない事が一番なんですけどね(笑)
でも注目されているのはありがたい事ですから、そこで成績を上げれば周りも「上原さん」みたいな、ダメだったら「上原!」となりますから。
まぁそういうのも楽しかったですけどね(笑)文字に書かれたら「なにくそ」と。



【上原投手にとってのマイチャレンジソングは?】
リンドバーグ今すぐKISS MEですね。
あとがんばらなくちゃねってありましたよね、あれも戦う前に頑張っていこうという気にするのにピッタリでしたね。
リンドバーグが好きだったので、大学に入ってからは試合前に必ず聞いていましたね。
その後プロに入ってお会いさせていただいたんですけれど、興奮してて何を話したか覚えていないですね(笑)
舞い上がりましたねー「渡瀬マキさんお元気ですか?」(笑)
 〜大学に入られて野球を始めた頃はどんな気持ちでやってらっしゃったんですか?
楽しかったですよ、本当に。1〜2年生の頃はプロを目指そうとかって全く考えていなかったので。
プロを意識しだしたのは3年の時からですから。
 〜3年の時に日本代表にも入られたんですよね?
そうですね、ここでも(高橋)由伸と(川上)憲伸の存在が大きかったですね。
同い年ですけど一年先ですから、その後自分が4年生になった時2人は新人王争っていましたからそれを見ながら「上行ってやりたい」とそういう気持ちになりましたから。
 〜大学時代には151連勝中のキューバを止めたんですよね?
その時は金属バットを使っていたのでボールが飛ぶ飛ぶ、キューバはホントに反則でしたね(笑)
当時はリナレス・キンデランと行った超一流のバッターがいたのでホントに強かったんです。
その時僕も新聞に載るかなーと期待していたんですが、全く載りませんでしたね(笑)(高橋)由伸ばっかり載っていました。
 〜この試合をきっかけに世界を目指す事になったのでしょうか?
そうですね、あとはプロに入ってから日米野球を2回ほど経験してやっぱりメジャーは良いな、と思うようになりましたね。


【最後に大きな目標を?】
そうですね、一年間野球をやりたいですね、それが一番です。
試合に出たいです、試合に出ないと色んなところに行けないので、色んなところに行く楽しみというのもあるので。飛行機は少ししんどいんですけど、現地に着けば現地を出歩いて楽しみもあるので。
アメリカの球場はどこも印象的でしたけど中ででもヤンキースタジアムは残っていますね、思っていたよりも狭かったので、ホームランも一番出ましたし。
そこで投げたかったなぁというのがありますね、行っただけで投げなかったので。まぁでもどこの球場でも投げたいですよ、試合に出ないと面白くないですから。
真夏のフロリダはもういいです、めちゃくちゃ暑かったんで。マイナーリーグの施設なんでエアコンが無いんですよ。ホントに一番上と一番下を見てきたシーズンだったのでメジャーっていいなってつくづく感じましたから。
 〜上原さんと言えば『雑草魂』という言葉でおなじみですからアメリカでも『雑草魂』で這い上がってください
いや〜でもジャイアンツに入ってから『温室メロン』と言われるようになってしまいましたから(笑)もう一度雑草にならないと、ね。
踏まれても踏まれても這い上がっていく雑草になって頑張りたいと思います。
まだチーム状況で先発になるのかリリーフになるのかわかりませんが、僕は先発をする調整をしていくので具体的な数字で言うと先発で10勝したいですね。
その為にも完全に治っている状態で2月3月を迎えられるようにしたいですね。




インタビューを終えて
現役メジャーリーガー上原投手。

巨人に入ってすぐの輝かしい活躍とは裏腹に、念願のメジャーでの挑戦はケガとの厳しい戦いに…。凱旋とはいえない、きっと内心はじくじたる思いを抱えての帰国直後にインタビュー出演を引き受けていただいたことは本当に有り難く、また上原投手の大きさを感じずにはいられませんでした。

そして、成功も挫折も、明るく、さっぱりと語ってくださいました。雑草が巨人軍で「温室メロン」に、なんておっしゃっていましたが…アメリカの大地に根付いた日本が誇る「雑草」はまさに野球を、そしてアメリカを心から楽しんでいました!!それこそ、雑草魂。

どんな状況でも怯(ひる)むことなく逞しく生きていく…きっとアメリカでの2年目こそ、上原投手の底力が見られるのでは…そんな思いを確信に抱きインタビューを終えさせて頂きました!ありがとうございました!
(政井マヤ)


政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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