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今週のゲストは?
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加藤久(ひさし)さん元サッカー日本代表 2010年11月29日〜12月3日

夢に向かってチャレンジするアスリートをクローズアップ!
今週のゲストは元サッカー日本代表 アジアの壁、加藤久さんです。
順風満帆に思われる加藤さんのサッカー人生、しかしそこには意外な挫折の連続でした。知られざる加藤久さんのサッカー人生に迫ります。

1956年宮城県出身。
加藤久さんは、大学3年生で日本代表入り、1984年からは日本代表キャプテンとして活躍。
Jリーグ発足時には、早稲田大学准教授のJリーガーとして話題を集めました。
そして現役引退後は、日本サッカー協会強化委員長やJリーグの監督を務めるなど、
若手選手の育成にたずさわっています。



サッカーとの出会いは?
→小学校5年生の時、友達がサッカー少年団に入るというので「これは遅れてはいけない」と思い自分も入団しました。その少年団を率いていた方は、サッカー専門のプロの指導者というわけではなく、空手を教えたり、ボーイスカウトなどに携わっていた方でした。その少年団ではサッカーだけではなく、礼儀なども教わりました。

サッカーに夢中になったきっかけは?
→その指導者の方が、1966年、70年のワールドカップのオープンリールの映像を手に入れて僕たちに見せてくれたんです。神様ペレのプレイは、擦り切れるほど見ました。他にもテレビ番組「ダイヤモンドサッカー」で世界のプレイを見て、どんどんサッカーに対する憧れが強くなっていきました。

中学時代はいかがだったんですか?
→サッカー部に入っていたんですけど上下関係が厳しかったです。ボール磨きは1年生の仕事。休み時間中、ずーとボールを磨いていました。少しでも汚れていると、先輩に一年生全員呼び出されて・・・よく殴られましたね(笑)

中学時代の夢は?
→何故だか解らないんですが、その頃から早稲田大学に行ってサッカーをやりたいと思うようになりました。だから高校はサッカーの強豪校ではなく文武両道の学校を選びました。

そして憧れの早稲田大学サッカー部に入部、いかがでしたか?
→実は憧れていた早稲田大学サッカー部の寮を、わずか1ヵ月で逃げ出してしまったんです。寮には全国からサッカーエリートが集結。大阪弁、広島弁、静岡弁が飛び交う中、宮城出身で東北訛りがあった自分は、なかなか会話に入っていけませんでした。それとやはり大学の練習は死ぬほどきつかったです。高校時代ユース代表候補まで行った自分は、ある程度やれると思っていましたが、甘かったです。

寮を逃げ出して、どうしたんですか?
→先輩の下宿先に転がりこんでいたのですが、お金が無くなったので、一度宮城の実家に帰ったんです。そうしたら今まで一度も怒ったことがなかった親父から「早稲田に行ってサッカーやりたいと言ってたのは自分だろう!!」と怒鳴られました。そしてそれから自分なりに1ヵ月悩みました。ある時たまたま本屋でデール・カーネギーの「道は開ける」という本に出会ったんです。その本を読んでまさに自分の道を再び開こうと決意し、サッカー部に戻りました。ただ戻っても同級生からの視線は厳しかったですけどね。

大学2年生の時、日本代表入り。その時は?
→たまたま怪我をして練習に参加出来なかったんです。その時、早稲田のOBでもあり、日本のエースストライカーの釜本さんから「なんだ!お前、タダ飯かぁ?」と言われ落ち込みました。そして釜本さんのシュートを見て、レベルの違いに、さらに落ち込みました。

加藤さんはサッカー選手と大学助教授の二足のわらじとして話題になりましたが、
当時は大変でしたか?

→実はサッカーの強化委員もやっていたので三足のわらじだったんです。今思うと本当にきつかったです。でもこれは自分だけに与えられた試練なんだと。こんな経験が出来ることはない、とにかくやれるところまで頑張ろうと思いました。そして他の選手に弱みを見せないために、危機感を持って毎日必死に練習しました。大学までの片道1時間、自転車を漕いでそれをトレーニングにあてていました。当時は血尿も出ました。

今年のワールドカップはベスト16。今の日本代表、いかがですか?
→日本代表がこれほど強くなったのは、やはりJリーグ発足が大きいと思います。そして今は海外の最高のプレイをテレビで簡単に見ることが出来ます。世界のプレイが身近になり、それによって世界との距離も縮まったんだと思います。

今後の夢・目標は?
→子供達にサッカーの魅力を伝えていきたいです。今もNPO法人を作って沖縄の子供達にサッカーの楽しさを教えています。よくメディアなどで「最近の子供達は・・・」とネガティブな意見を聞きますが、実際に子供達と触れ合うと、決してそんなことはないということに気付きます。

サッカーを通じて子供達に伝えたいことは?
→仲間の素晴らしさ。人と人とのつながりの大切さ。仲間を大切にしていると自分にも必ず返ってきます。友達を大事にしてほしい。

政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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