岩村明憲選手（いわむら あきのり）東北楽天ゴールデンイーグルス２０１０年１２月１３日〜１２月１７日
夢に向かってチャレンジするアスリートをクローズアップ！
今週のゲストは来シーズンから東北楽天ゴールデンイーグルスでプレイする岩村 明憲選手です。岩村選手の野球のルーツから、知られざる左打者への転向の理由、そして高校時代の脱走エピソードなど、たっぷりとお伺いします。
愛媛県宇和島市出身、現在３１歳。
１９９７年、ドラフト２位でヤクルトに入団。
２００７年に大リーグ・タンパベイ・デビルレイズへ移籍。
その後、合計３チームのメジャー球団を渡り歩き、
来年から日本球界に復帰します！
５シーズンぶりに日本球界復帰。注目集まってますね
→ワールドシリーズに出場した２００８年は、胸を張って帰国できましたが、今回、本当ならひっそりと帰ってきたかったです。今シーズンは３Ａ暮らし。ある意味「お前は必要ない」と言われたようなものですから。だから楽天球団からのオーファー、とてもうれしかったです。
星野監督とは、お会いになったんですか？
→まだお会いしてないんです。契約前に電話をいただき「お前と野球がしたいんや」と言われました。それも包み込むような感じで。契約前だったんですが、思わず「はい！
」と言ってしまいました。
野球との出会いは？
→親父が昔、野球をやっていて。兄貴も野球をやっていて。だから必然的に僕も野球をやるようになっていました。その当時はテレビも一家に一台、親父が「野球を見るぞ」と言うと、野球を知らない母親も含め、家族みんなで野球を見ていました。野球を好きになるというのは当たり前のことでしたね。
当時、憧れていた選手は？
→僕は弱いチームを応援したがるところがありまして。当時は阪神があまり強くなかったんです。で、その阪神の掛布選手に憧れていました。やっぱりあのバックスクリーン３連発は感動しました。僕は右利きなんですが、左打者の掛布選手のまねをしたくて、左バッターになったんです。今、僕がプロでやれているのも掛布選手のおかげかもしれません。だから掛布選手に、足を向けて寝られません（笑）
小学生時代、どんな練習をしていたんですか？
→母親が美容師をしていたんですけど、その美容室の裏の壁に向かってずっとボールを投げてそれをキャッチする、練習をやっていました。２時間やっては美容室に入ってシャワー台で頭から水を被る、また２時間やって水被る、その繰り返し。最終的に壁にひびが入ってしまいました。
高校時代の練習はとても厳しかったそうですね？
→そうですね。いわゆるやらされていた練習ですね。僕たちの監督だった上甲正典監督（現：済美高校野球部監督）には試合中、いつも笑顔の「上甲スマイル」というのがあるんです。でもそれはあくまでもテレビ用。笑顔の時こそ一番怖いんです。
高校時代、野球を辞めようと思ったことは？
→１年で３６５回以上、辞めようと思っていました。
実際に辞めようとしたことは？
→脱走は何度もあります。脱走にも監督の中にはルールがあって、脱走するなら全員じゃないと怒られるんです。自分一人だけ逃げたり、逃げなかったりはなしなんです。
当時を振り返っていかがですか？
→高校の３年間があったから、その後が楽でした。プロは理不尽なことがないですからね（笑）でもそういう時代も必要だと思います。今は体罰のことなど難しい問題がありますが・・・。僕が入学する時、すでに兄も上甲監督にお世話になっていたので、親父と母親は上甲監督に「何かあったら、コイツを一番にシバいてください！」と僕のことを差し出していました（笑）
プロに入っての努力と言うと？
→それまでほとんどやったことがなかったサードの守備ですね。エラーしても若松監督、そして大橋コーチが「お前を使う！」と言って使い続けてくれました。うれしかったです。でもファンは容赦なかったですね。「おまえなんか野球辞めちまえ！」というヤジもありました。でも練習を頑張り、ゴールデングラブ賞を獲るまでになれました。
趣味は？
→ゴルフです。野球と同じで、これも親父や兄貴の影響です。ゴルフは人間性も出ますし、コミュニケーションも図れますし、とてもいいスポーツだと思います。アメリカでも自宅から３分ぐらいの所にゴルフ場があったので、よく行っていました。
メジャー４年間での思い出は？
→２００８年、ワールドシリーズ進出を決めた試合終了後、グランドに嫁と子供が降りてきて一緒に喜びを分かち合いました。「あ〜これがアメリカ流なんだな」と感動しました。
