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【清宮克幸・きよみやかつゆき】ラグビー・サントリーサンゴリアス 2週目 (2009年4月13日〜2009年4月17日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。 この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、 インタビューの内容をお伝えしていきます。

さて、この週のゲストは前週に引き続きラグビーの優勝請負人 サントリーサンゴリアスの清宮克幸監督でした。


【清宮克幸】
大阪府出身、1967年生まれ41歳。
大阪府立茨田高校でラグビーを始め、3年生の時にキャプテンとして全国大会に出場。1986年、早稲田大学入学。大学2年生時に日本選手権優勝、4年生時に大学選手権優勝。早稲田大学卒業後1990年サントリーに入社、3シーズン主将を務める。2001年の現役引退後、母校 早稲田大学の監督に就任。就任一年目から手腕を発揮し、早稲田大学を13年ぶりの大学日本一に導く。2006年からはサントリーサンゴリアスへ監督として復帰。就任後二年目の2008年プレーオフトーナメント マイクロソフトカップ優勝。





人生で一番大きな出会いは?
ラグビーを始めた高校時代の吉岡監督です。吉岡監督はちょっとクセがあると言うか他のコーチとは違うんです、口数は少ないですし、実際に自分がグラウンドに立って体を動かして指導するタイプでもないんです。でも公立高校(茨田高校)を10年間で3回も大阪代表にしているんです。今も忘れられないんですけど、吉岡監督に予言されたんです。体育の先生だったんですが入学当初の4月に体育の授業で準備運動をしていたんです、そしたら近くに来て「素晴らしい体操しよるな〜。準備体操でここまで素質のあるやつは初めて見た、お前はすごいナンバーエイトになる」と言われたんです、冗談か本気なのか解らなかったんですが、その気にさせてくれたのはこの一言でした。




大きな壁・挫折は?
高校代表を経験し、早稲田大学に鳴り物入りで入学したんです。しかし、大学1年の秋に靭帯を切ったんです。次の年の4月に復帰したんですが体は鈍かったんです、スピードは出なくて動けなくて。そして当時の指導されていた木本監督に『1番』というスクラムの先頭に立つポジションに変更させられるんです。もうショックでしたしプライドもずたずただったんです、いろんな同級生に電話したりしましたね。それで2か月過ごし、8月の合宿を迎えたんです。菅平で行われたんですが、現地についてチーム分けの紙が貼ってあるのでそれを見たんです。しかし『1番』のところには自分の名前がないんです、良く見たらナンバーエイトのポジションの所に名前が書いてあったんです。しかもそれまでDチームだったんですが、一気にAチームになっていたんです。完全に監督の手のひらの上で踊らされていましたね。ここで落ちて行ってしまう人もいると思うんですが、僕は吹っ切って合宿に入ってきましたから。それ以降はビュンビュン走れるようになりましたね。


その後の挫折は?
サントリーに入社して3年目でキャプテンをやるんです、しかも自ら立候補して。「このままじゃ勝てない、俺がやらなきゃ勝てない」と進んで手を挙げたんですが、その年になんと全国大会に出場できない成績を残してしまったんです。全部一人でできると思っていたんですが、全てにおいて甘かったですね。キャプテン、監督、コーチ、マネージャー全ての役割を自分一人でしていましたから、クラブハウスのデザインまでしていました(笑)それで次の年は考えられることは全部やりましたね、外部のコーチを導入したりいろんな人の力を借りました。組織としてどう変わっていくかをテーマにやって、なんとか形になって行きましたね。この経験があったから、今、監督業を出来ているのかなと思います。


マイチャレンジソング
サザンオールスターズの希望の轍です。先日の活動休止コンサートに嫁と2人で行ったんです。実は人生で2度目のコンサートだったんですが、スタンディングでノリノリになって楽しんできました(笑)9歳と5歳の息子たちにばれるとうるさいので、隠してこっそり行ってきました。実は今、息子たちもラグビーをやっているんです。早稲田のグラウンドでワセダクラブというラグビースクールがあるので。4才からのスクールなんですが、小学校や幼稚園で普段は「思いっきりぶつかっちゃダメ」とか注意される事が多い中「もっと思いっきりぶつかれ」とか「力を入れて押せ」と言われて力一杯やっていますよ。でも本来はそうあるべきだと思うんですけどね、そうやって思いっきりやって自分が痛い思いをしたり相手が痛い思いをすることで力の程度とか加減を覚えていくものですから。


未来へのチャレンジ
仕事です。今、サントリーサンゴリアスの監督をしているのでチームが力を発揮して日本一になる事。そしてその姿を見た子供たち、ファンたちがそこからエネルギーを感じてもらったり、これから始める競技のお手本になったらいいと思います。要は日本ラグビーのこれからの指標となるようなスタイルで勝つ、これが僕の目標です。ラグビー普及のために個人的なんですがオフシーズンに中学生高校生への指導を行っています。この前、中学3年生の子なんですが身長が183センチぐらいあってガッツがあって「こいつは!」と思うような子がいたんです。「お前は絶対日本代表になるぞ!」と自分が高校の時にされたように予言をしまして、この子の将来は万全です(笑)




お話を伺って
まずは長所を伸ばし、次に足りないところを補うー監督のチームづくりはシンプルでありながらとても示唆にとんでいる気がしました。スポーツだけでなく、人生哲学としても学ぶところが多いな…と。無駄な努力や不条理なことも嫌い、とおっしゃる監督からはいわゆる『スポ根』では無い、さわやかなラグビー像がうかがえました。休日は幼稚園の送り迎えを率先しているというパパぶりも素敵です。
(政井マヤ)


政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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