『ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町』では、毎週、とっておきの映画のご紹介とチケットなどのプレゼントをしていますが、番組ではご紹介しきれない面白い映画も沢山あります。
そこで、番組のこのブログ『サンデー早起キネマ?』で少しずつご紹介しています。
3回目は『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』
孤高のファッションデザイナー“ドリス・ヴァン・ノッテン”の創作の謎に迫るドキュメンタリー映画です。
とにかく映像が美しく、ドリスの創作の源は美しいものに囲まれていることだと教えてくれます。
そして、インタビューが多く、ドリスとお話をしている気分になりました。
ニコール・キッドマン、ミシェル・オバマ前大統領夫人、そして94歳にしてファッションのアイコンであるアイリス・アプフェルなど、世界のセレブリティから愛されるベルギーのデザイナー。日本にも東京・表参道にそのお店があります。
広告は一切しない、自己資金だけで活動する、手軽な小物やアクセサリーは作らない…洋服だけで世界と勝負する潔さは他の一流ブランドの追随を許しません。
この映画は、2015春夏レディースコレクションから2016/17秋冬メンズコレクションまでの1年間の密着取材をもとに綴られています。
彼が精魂込めて作り上げた服を自らモデルに着付けるショーの舞台の裏側や、どのようにして服を作り上げていくのかなど、創作活動の全貌が明らかになっています。またカメラはアントワープ郊外にある彼の住まいにも入り込み、私生活も映し出しています。
なかなか見ることができないショーの裏側はとてもエキサイティングです。ランウェイを颯爽と歩くモデルたちの姿が想像できないほど、裏側はてんてこ舞い!緊迫感に満ちています。
そして、ドリスがどのように服を作り出していくのかは興味深かったです。数多の美しいファブリックからぴったりの1枚を選び出す目。そのインスピレーションを支えているのが、素敵な邸宅でのパートナーのパトリックとの生活です。花が咲き乱れる広い庭と高級レストランのような外観の家。部屋の飾り付けにまで細かくこだわる質の高い生活が、ドリスの全てを支えているように思えます。
彼の生活・人生=Lifeそのものが、彼を孤高のファッションデザイナー“ドリス・ヴァン・ノッテン”たらしめている…それを実感できるドキュメンタリーです。ファッションに関心がない方も十分楽しめます。
『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』は、1/13からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他、全国順次ロードショー