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日本栄養士会会長の中村丁次さん「1日の塩分摂取量目標。男性8g未満。女性7g未満」

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6月23日(日)の放送では日本栄養士会会長の中村丁次さんをお迎えして
「塩分」についてお伺いしました。

淵澤 日本人が食生活の改善に取り組むように、
    厚生労働省が文部科学省や農林水産省と協議して策定した
   「食生活指針」というのがあります。
    全部で10項目あるんですが、前回に引き続き、
   中村さんに解説していただきます。
   その⑥「野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて」
   その⑦「食塩は控えめに、脂肪は質と量を考え」
   その⑧「日本の食文化や地域の産物を活かし、郷土の味の継承を」
   その⑨「食料資源を大切に、無駄な廃棄の少ない食生活を」
   その⑩「『食』に関する理解を深め食生活を見直してみましょう」

淵澤 この中で気になるのはやはり「塩分」。

中村 現在、日本人の1日の塩分の摂取量、
   男性8g未満。女性7g未満という目標が
   掲げられているんですが、本当はもっと下げてほしい。
   WHOは全世界の1日の摂取量を5g以下にすると
   心臓病や高血圧などは激減するだろうとしています。
   
自見・淵澤 5g!?

自見 病院食で塩分5gの食事があるんですが、
   みなさんおっしゃっているのが「ちょっと厳しい」と。

中村 根本的なことを言いますと、
   子供の頃から薄味の食生活に慣れておくことです。まあ食育ですね。
   かつて日本人は30gぐらい取っていた時期もありました。

淵澤 え!?

中村 今は10gちょっとに下がってきました。
   ところがここのところ、下げ止まりになっています。
   だから8gや7gはかなり意識しないとできないんです。

自見 たしかに成人病などで入院された方が
   塩分、男性8g未満。女性7g未満の病院食を食べると
   数日で血圧が下がります。

中村 患者さんは入院当初「こんなまずい食事は食べられるか!」って
   啖呵を切られるんです。
   2週間ぐらい入院されて血圧が安定されると、
   退院前には「減塩食も美味しいじゃん」と。

自見・淵澤 (笑)

中村 慣れてくるんですよ。
   「あんなしょっぱい物を食べている奴の気が知れない」とかね。

自見・淵澤 (笑)

中村 退院した後、それを定着できるかが問題です。
   もうひとつ、日本人はカリウムの摂取量が少ないんですね。
   血圧を上げるのはナトリウムそのものと同時に
   カリウムは血圧を下げる作用を持っていますので、
   重要なのは「ナトカリ比」だと、言われています。
   ナトリウムの摂取量を減らし、カリウムを多くする。
   そしてナトカリ比を下げていく。これが重要なんだと思います。
   だから、野菜や果物をしっかり食べることが大事です。

淵澤 カリウムって私のイメージですとバナナに入っていると思うんですが、
   他には何がありますか?

中村 ほとんどの野菜や果物に入っていますから、
   しっかり食べたらいいと思います。
   近年、減塩が止まっている対策として、社会環境を変えていくことも
   考えていく必要があると思います。

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