10月21日(日)放送の番組では、障害者施設を中心に事業を行う社会福祉法人、旭川荘の末光茂理事長をお迎えして、これからの障害者医療の課題についてお伺いしました。
自見:まずはNICU=新生児集中治療室を退院された後の、
子供たちの状況についてお伺いします。
末光さんが理事長を務める社会福祉法人旭川荘では、
ポストNICU=新生児集中治療室という病棟と、
親子宿泊室が新たに整備されたそうですね。
末光:NICUを退院されて家庭に帰れたらいいのですが、
障害が残っているなどの理由で、医療的な体制が整った
重症心身障害児の施設が併設しているポストNICUが
一定の役割を果たさなければならないと思い、
4年ほど前から整備しております。
淵澤:そうなると医師や看護師の人員確保が、大変なのでは?
末光:看護師さんは24時間体制です。
そして経験と力量が必要になってきます。
しかしNICUと、ポストNICUでは格差があります。
NICUですと、ひとり1日10万円のお金を頂ける。
ポストNICUでは、
同じお子さんが移ってきても半分の5万円。
またNICUだと3人に1人の看護師さん。
それがポストNICUだと10人に1人になります。
だからもっともっとお受けしたいのですが、
お待ち頂いている方が何人かおられます。
自見:末光さんは50年以上、障害者の領域に関わって、
ご自身の考え方も変わってきたそうですね。
末光:どうしても医者ですので、治療して治してあげる。
軽くしてあげる。という
「上から目線」的な部分がありました。
50年付き合う中で、重症心身障害児の方々、
医療的ケア児の方々、
あれほど重い状態でも、明るく頑張っています。
またお父さん、お母さんが素晴らしい方々です。
その方々に教えられ、励まされ、
医師としての人生観を大きく変えてもらいました。
自見:この番組のタイトルは
「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」。
子供さん全般に対してメッセージお願いします。
末光:小学生の同級生の中で、身体が一番弱かった私が
今では、一番元気で皆に驚かれています。
現代は情報がありすぎて将来が分かりすぎる、
見通せる状況になっています。
これはいいようで、問題もあります。
人生はどこで大きく変わるか分かりません。
あまり早く将来を諦めないでほしい。
お父さん、お母さんも我が子に対して、
そのような目で見てほしい。
お子さん自信も希望を持って成長してほしいです。