自見:今年の4月に施行された「東京都 子どもを受動喫煙から守る条例」。
この条例で定める、「タバコを吸ってはいけない場所」というのは、
いったいどのような場所なんでしょうか?
尾﨑:お子さんがどういうところで生活をしているのか、ということですよね。
家庭内。それから学校や保育園に行く途中の通学路。
そしてもちろん学校や幼稚園、お子さんが遊ぶ公園。
小児科の診療所の周りも、吸うのはやめましょう!
というようなことになっています。
自見:実は私たちの手元には、東京都の福祉局が作ったリフレットがあります。
表紙には衝撃的と思える、イラストがあります。
クルマに、お子さんと保護者の方が乗っていて、
密閉された空間で、モクモクの煙が立ち込めています。
今回の条例には、子供が乗っているクルマなど、
私的な空間も含められているんですよね。
尾﨑:一番重要なのは、このクルマの中だと思っているんです。
室内よりも車内は空間としては狭いわけです。
お子さんを後部座席に乗せた場合、たとえ窓を全開にしたとしても、
かなりの害を受けます。また窓を閉め切った場合ですと、よくテレビで
みる北京のPM2.5の害と同じぐらいになってしまうんです。
是非、お子さんが同乗しているクルマの中では、
タバコを吸わないようにして頂きたい。
自見:この東京都の条例、罰則はあるのでしょうか?
尾﨑:当初はあったほうがいい!という意見もあったのですが、
なかなか色々な意味で理解されない部分もあり、
当面は罰則はなく、いわゆる「努力義務」ということになっています。
それでも、このようなリフレットをお配りしていますと、
「うちはタバコを吸えますが、お子さんは入らない方がいいのでは?」と
注意をしてくれるお店も出てきています。
条例は徐々に効果を出しているのかなと思っています。