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国会で起こっている本当のこと~田﨑史郎解説委員とひも解く

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情報収集はすべて自分で! 田﨑流のやり方

東島)今日のゲストは、時事通信社特別解説委員、田﨑史郎さんです。

田﨑)よろしくお願いします。

東島)それでは、田﨑さんのプロフィールをご紹介します。田﨑史郎さんは、1950年、福井県のお生まれです。中央大学法学部法律学科を卒業し、1973年4月、時事通信社に入社。経済部浦和支局を経て、1979年から政治部に。1982年4月からは、自民党田中派を担当。以来竹下派、橋本派を中心に取材し、政治取材歴は38年にもなります。編集局次長、解説委員長などを経て、現在は特別解説委員を務めていらっしゃいます。

須田)この番組には総理も出演していただいたのですが、番組史上もっとも上品な方の登場です。

東島)ホッとしますね。

須田)ただ、最近評判悪いんですよ、田﨑さん。何故かというと、「安倍ベッタリ」と言われているのです。

田﨑)そういう風に、ネット上で呼ばれているみたいですね。

須田)それについて何か、反論とか、一言言いたいことはありますか?

田﨑)僕は基本的に記者ですから。官邸取材をして、もちろん安倍総理や菅官房長官、あるいはほかの方々にも取材をするわけです。それで、取材に基づいて話していると、「ベッタリだ」と言われるようになる。僕にすれば、自分の取材に基づき、きちんと話しているつもりなのですが、それをそう取られないようになっていますね。

須田)私は時事通信に友人が何人かいるのですが、田﨑さんが会社にいると、どうも近寄りがたいオーラが漂っていて、いつも電話をかけているんですって。「あの人は、電話取材の鬼だ!」という話ですが、やはり情報収集などは自分でやるのですか?

田﨑)それはもちろん。僕はもうすぐ67歳になりますが、60歳になった時点で会社の情報メモを、まったく見られなくなったのですよ。それまでは社員だったので、政治は政治部記者が作るメモで動いているところがある。
僕は60歳になって見られなくなったこともありますが、もう一切、現場の情報に頼らない。自分で取材して、それに基づいて話すように切り替えたのです。自分で取材するようになって、本当に情報に対して強くなったな、という感じがします。

須田)そうすると、普段喋られていること、聞かれること、今日話していただくことに関して、絶対的に情報に自信を持っている、と。

田﨑)それは自分で取った情報である、という理由です。情報メモとか他の人から聞いた話というのは、「どこまで信じたら良いのか」という感じがするのですよ。取材した記者が取材対象から聞いているわけですが、取材対象はその記者に対して本当の話をしているのかどうか、分からないわけです。自分で取材して、「これはウソを言っているな」とか、「ここは正しいな」という区分けは、自分で取材していれば分かるわけです。だから、あくまで自分の取材にこだわる。他人から聞いた話は、基本的に話さないようにしています。

須田)楽しみだよね、そういうのを聞いていると、極秘情報、極秘取材の結果がどのように出てくるのか。まず伺ってみたいのは、今国会の振り返り、ということなのですが、最終的にはどうですか? 私としては、グチャグチャに終わってしまったな、と。
森友学園問題が年明け早々に弾けて、その一方で共謀罪、テロ等準備罪の審議が始まっていく。併せて加計学園問題。いろいろな材料が出てきたと思うのですが、この国会を振り返ってみて、田﨑さんはどのようにご覧になりましたか?

「最後は強行採決で終わる」という繰り返し

田﨑)終わり方が、非常に後味の悪い終わり方なのですよ。最後は採決強行して終わっていく、という形です。また、文部科学省の再調査も出ましたが、「与野党間で何かを話し合って生み出していこう」という力が、与野党双方弱まっている感じがするのです。民進党の議員さんには「同じことを何回繰り返しているんですか?」と申し上げています。特定秘密保護法のときも、あるいは安全保障法制のときも、野党があまり審議に協力しないと、与党は採決を強行するようになる。それに対して野党は「暴挙だ」と騒ぐ。それで、一時的に内閣支持率が下がる。そして、またもとに戻っていく……これの繰り返しなのです。僕は日本維新の会が、たとえば共謀罪の問題では修正要求をして、ある程度通りましたよね。そういう修正要求をきちんとして通った方が、僕は良いんじゃないかと思うのです。強行で終わっていく繰り返しでは……

須田)何も得るものがないじゃないか、と。

田﨑)100か0かの戦いを野党がするわけです。それで、100の内のどれくらい獲れるかは分かりませんが、20でも30でも獲得できれば、それが蓄積されて国民からも評価されていくのではないか、と思うのです。ただ、民進党がそれだけの修正交渉とかをやらなくて、もう突っぱね続けて終わっていく。それで、「暴挙だ」という話になっていく。「これで良いんだろうか?」と思うのです。もちろん与党が度量を示すのも大事なことですが。やはり与野党双方に今回の結末は問題があると思います。

テロ等準備罪~自民党と民進党が手を握っていた?

須田)この番組は「ニュースアウトサイダー」ということで、ふつうの新聞、テレビ、ラジオ等でやっているニュースとは違った角度から、裏側を掘り下げていこう、というのを狙っています。これは私の思いこみかもしれませんが、今回の国会、かなり「茶番劇」だったなという風に見ています。それについて伺っていきたいのですが、もし間違えているところがあれば、田﨑情報で修正していただきたい。

田﨑)はい。

須田)どういうことかと言うと、最終的なテロ等準備罪のところでも、中間報告というやり方で、本会議で採決をしましたよね? その一連を見ていくと、結果的にあの日の午後を思い出してみると、民進党を含む野党が全委員会欠席という情報が流れてきて。午後になったら参院の予算委員会の集中審議で、何かに応じている。「何これ!?」と見ていたら、どうも裏で自民党と民進党は手を握って、「ちょっと顔を立てるから、そっちにおみやげを渡すから、出てよ」みたいなところで、「だったらやってやるか」……あれで、決着を見た。こういう一連の流れを見ていると、相当の茶番が行われたのではと思うのですが、どうでしょう?

田﨑)茶番までは断言できないのですが、参院の民進党と自民党が握っている可能性はあると思ってみているのです。一方で、衆院段階では、内々行われていたのは、民進党と自民党の間で、修正交渉というのはある程度進んでいたのですよ。表に出ませんでしたが。

須田)自民党と民進党の間で。

共産党との協調を重視せざるを得ない民進党

田﨑)ええ。でも「民進党の内部が纏まらない」ということで、いつの間にか強行戦術にいくのです。民進党は、もう強行な戦術を採っていくほかない、というところに来ているのは、やはり共産党との選挙協力なのですよ。それで、民進党の勢いがないわけですよね。民進党の力だけでは次の衆院選挙で総議席は伸びないだろう、と。共産党が候補者を下ろしてくれるのなら、そこで共産党の票が乗って自民党との戦いが有利になる、と。だから共産党との共同歩調というのを、常に彼らは考えているわけです。
すると、共産党の主張通り、あるいは共産党に引っ張られていくようなところがあるのです。だから、政権を取る前の旧民主党は、もっと柔軟に修正交渉をやって、「これだけ勝ち取った」というようなことをやっていたのですが、いまは共産党との協調を重視せざるを得ない。だから国会戦術でも、非常に幅が狭くなってくると思うのです。

「審議拒否をすれば次に自分たちが叩かれる」民進党もつらい立場にある

須田)その一方で、これは森友学園問題に絡んでいることなのですが、今年度の予算案が衆院を2月末に通過しました。あのときのことを具に見ていくと、民進党の国対と自民党の国対、これを握って、あそこに通過させるというのがありますよね? 私が思うに、本来であるなら、私が民進党の国対ならば、予算案を人質に取り、森友学園問題をゴリゴリやるのが普通なのではないかな、と。

田﨑)その当時、民進党の山井国対委員長と少し話したことがあるのですが、やはり彼らも、迷っているのですよ。というのは、そういう具合に強い抵抗を示していくと、あるいは審議拒否のようなことをすると、「次に自分たちが叩かれる」と。今はあまり審議拒否とかをやる人は少ないですから。かつて、激しく叩かれたこともあるわけです。そこで、抵抗戦術も限界があるその中でやっていく苦しさというのが、彼らなりにあると思います。もし須田さんが言った戦術をとった場合、メディアから「何をやっているんだ」という話になり、国民からも叩かれていくということになると思います。

須田)そのことを恐れて、2月28日に、とりあえず予算案を通過させようということになった。そうすると表面上は激しく対立しているように見えるのだけれど、一皮めくって見るといろいろな思惑が働いていて、必ずしも全面衝突ではない可能性も……

田﨑)もちろん。民進党の方は、ある程度は自分たちの限界をわきまえながらも、しかし、戦っているという姿勢を示さなくてはいけない。共産党と一緒にやっている姿勢を示さなければいけない。非常に辛いのです。

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