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谷繁元信が「捕手は経験がものを言う」ことを理解するキッカケになった言葉

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今回のゲストは、
プロ野球記録となる通算3021試合に出場した
名キャッチャー 谷繁元信 さんです!


 


今回は、谷繁さんの『相棒』「こだわりの用具」に迫りたいと思います!
球界を代表する名キャッチャー・谷繁さんの相棒は・・・?
『キャッチャーミット』

−いつの頃のミットですか?
2016年って刻印がされているので、最後の年に練習とかで使っていたミットですね。
自分の形にあっている。手の入れる角度、ボールをとるポケットの深さ、大きさとか色々こだわっています。
−1年でどれぐらい使用する?
僕は4個使っていました。前半戦で2個、後半戦で2個ですね。30試合ぐらい使うと、僕の好きな硬さから崩れてくるんですよね。
最初のうちはブルペンで受けて柔らかくして、ポケットはここって指定してブルペン捕手の人に指示して受け続けてもらうんです。ポケットができて「そろそろいけますよ」って報告を受けたら、最後の仕上げをしていくっていう。全部の工程を踏んで試合で使えるようになるまでに1ヶ月〜2ヶ月ぐらいかかりますね。サイクルとしては2月から始まるキャンプの時にはめてみて、練習用とゲーム用に分けて、良い方をゲームで持っていくんです。
同じように作ってもらってるんですけど、やっぱり違うんですよね。
それを後半戦で使うんですけど、前半戦は前年の9月から調整するようにしていましたね。

−他にこだわりはありますか?
僕のミットは深いって言われているですけど、
掴むっていう動作をしたくなかったので、ボールが入ってくると閉じるイメージですね。
大きさは小さいと範囲が狭まるし、大きいと扱いづらい。
そのちょうどいいサイズっていうのをハタケヤマの社長と相談しながら。
あと、映像でみると分かるんですけど、網の紐がみんな伸びているんですよ。
開いているキャッチャーが多いんです。
先が開いているっていうことは捕るとボールが逃げる可能性があるじゃないですか。
だから僕は絶対閉めるんです。
だからよくあんな先の開いているキャッチャーミットで右手に渡せるなって思いますね。
ボールがミットの中で遊んだ時点でもうダメなので。
よく後輩たちに「俺はこれ使えない」っていうんですが。8割のキャッチャーは開いてるんですよね。
−音を出すキャッチャーがいますが、谷繁さんは?
僕は出していたと思います。
若い時から訓練させられましたもん(笑)
いじわるなのか僕を育てようとしたのか分かりませんけどね。
ストレート行くぞって言ったあとに、ちょっと変化させるんですよ。
するとポソって音で捕っちゃうんですよね。
「すいません!」ていうと「オイオイ…(笑)」って言う訳ですよ。
内心、「ちょっと変化させといて…オイオイじゃねぇだろ!」って思ってましたよ(笑)
最初の頃は突き指をよくしましたね。
−現役で谷繁さんと同じミットを使う人はいますか?

見たことないですね。
ハタケヤマの社長はよく「あのミットは使いこなせないよ」って言ってるらしいです。
物理的に考えてポケットが先まであるミットってミスキャッチをした時に動く範囲が広いんです。
でも僕のポケットは一点だけなので、どこで捕ってもそこに吸い込まれて行くんです。
そう考えると、僕にはキャッチング技術がなかったのかもしれないですね(笑)
どう自分で楽をするかっていうところなんですけど。


んな谷繁元信さんに金子がより深掘りして聴いていくコーナー
『金子の深堀り!』

−現役時代に嫌なバッターはいますか?
年代によって違いますが、90年〜95年まではみんな嫌でした(笑)
それ以降は広島の前田ですかね。あれはすごいです。
どんな攻めをしたところで打ち返してくるっていうね。
そういう時は打ち損じを待つ(笑)「考えても一緒!」みたいな。
あとこれは凄いなって思ったのはイチローですね。
キャッチャーってピッチャーが投げた時に「あっ!」「よし!」って思うんですよ。
ランクでいくと、下のランク、僕みたいなバッターですね(笑)
「あ!」って思ってもミスしてくれることがあるんです。それで、上のランクだと7〜8割は持っていかれるんです。
「よし!」って思った場合は大体打ち取れるか良くてもファウルなんです。
でもイチローに「よし!」って思ったボールがレフト前に運ばれたことがあったんです。
日本で初めて「よし!」って思ったボールをヒットされたのがイチローだったんですよ。
−他にそういうバッターはいますか?
あとはのちにチームメートになった和田一浩ですね。
彼と2004年に日本シリーズを戦ったんです。
投手は川上憲伸で、インコースにシュートを投げたんです。
打ったところでファウル。中に入れようとすると詰まるっていうボールだったんですけど、
そのボールをレフトポール際にホームランにしたんです。
嘘だろ?って。あの一本で彼への攻め方が狂いましたね。


そんな谷繁元信さんが今でも忘れられない言葉、大きなチカラになった言葉とは?
『リセット』
これはある方からいただいたコトバなんですけど、「あまり考え込んでも良くない」って言われたんですよ。「はい次っ!」って切り替えですよね。それを僕はリセットって言ってたんですけど。
キャッチャーって「経験がものを言う」っていうじゃないですか。それって何なのかなって思ってたんです。自分の中で3回の日本シリーズが経験として役に立っているのかなって疑問に感じていたんです。
「経験がものを言う」って迷うし、答えが出ない時もあるし…こんなの経験したってわからないじゃんって思ってたんです(笑)
その中でリセットすることで、色んなものを感じることが増えてきたんです。
自分の中で、仕分けができるようになったんです。
そして2007年からようやく落ち着いて日本シリーズでキャッチャーができるようになったんです。


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