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チャレンジドアスリートとは

スポーツに打ち込み、磨き抜かれた技で、
観る者を感動・興奮させるアスリートたち。
アスリートの中には、障がいを持ちながら
国際舞台を目指している者たちもいる。
そんなアスリートたちの戦い続ける素顔、軌跡、
そして、支える人たちにも迫る
『ニッポン チャレンジド・アスリート』。


今週のピックアップアスリート

土田和歌子(つちだ・わかこ)選手

土田和歌子
(つちだ・わかこ)選手

1974年、東京生まれの40歳。1993年、冬季競技のアイススレッジスピードレースを始め、98年、長野パラリンピックで金・銀合わせて4個のメダルを獲得。99年から陸上競技に転向し、2004年、アテネパラリンピックに出場。5000mで金、マラソンで銀メダルを獲得し、日本人初のパラリンピック夏冬メダリストとなった。2012年のロンドンパラリンピックでは日本選手団のキャプテンも務め、今月22日に行われた東京マラソンでは、女子車いすの部・8連覇を達成した。

■2月21日放送分(前編)

17歳の時に交通事故で脊髄を損傷した土田選手。初めはショックで涙する日々だったが、入院した病院は脊髄損傷の患者が多く、彼らが車いすでアクティブに動く姿を見て「私も早く車いすに乗って、元の生活を取り戻したいと思うようになったんです」▼スポーツはリハビリの一環で始めたが「やるならもっと上手くなりたい」と、19歳の時、ストックとソリを使う「アイススレッジ・スピードレース」の講習会に参加。そこで才能を見込まれた土田選手はコーチから、「リレハンメルパラリンピックに出てみないか?」という思いがけない誘いを受ける。▼だが結果は惨敗。悔しさを晴らすべく猛練習を積み、4年後の長野パラリンピックでは1000m・1500mで金、100m・500mで銀と4個のメダルを獲得。一躍トップアスリートとなった。「自国開催ということもあって応援してくれる人が多かった。一番高い表彰台に登れたことが思い出深い大会でした」▼しかし競技人口の少なさを理由に、アイススレッジ・スピードレースはパラリンピック種目から除外されてしまう。そこで新たに取り組んだのが、氷のない夏場に腕の力を鍛えようと始めた「車いすマラソン」だった。距離は一般のマラソンと同じ42.195kmを走るが、最大の違いは何だろうか?「車輪を使っているので慣性が働きますから、自転車競技に近い部分があります。難しいのはレース中の駆け引きですね。ドラフティングといって、他の選手の後ろを走ると、風よけになって普段より早く走ることができるんです。そういう駆け引きが勝敗を分けたりします」▼今月行われた東京マラソン、土田選手は去年まで女子車いすの部で7連覇中。今年も招待選手として出場した。東京出身なので、この大会にかける思いは強いという。「普段なかなか通れない道を通れるのが嬉しい。銀座から抜けて雷門に行く道が好き。いつも沿道の声に励まされています。ぜひ今年も優勝したいと思っています!」▼放送翌日、土田選手は1時間46分30秒というタイムで優勝を飾り、見事期待に応えた。8連覇、おめでとうございます。▼次回も土田選手にパラリンピックでの栄光と挫折、結婚生活と競技の両立について伺います。

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番組紹介

スポーツがいつも話題の中心の2014年。
国外では、ソチ冬季オリンピック、ブラジルワールドカップ、
国内では、プロ野球ペナントレース、Jリーグ、競馬、ゴルフ、相撲など。
また、2014年後半からも、プロ野球クライマックスシリーズ~日本シリーズ

日米野球、MLB、Jリーグ、アギレジャパン、東京マラソン。 これら話題のスポーツを数多く中継しているニッポン放送が
徹底的にスポーツを掘り下げる新スポーツ番組が
「サタデー ショウアップスポーツ」です!

プロフィール

師岡正雄(もろおか・まさお)

1960年2月15日生まれ。東京都出身。
Jリーグの開幕、ジョホールバルの奇跡、
WBCの2度の優勝などエポックメイキングなシーンを多数実況。
豊かな声量と明朗な声色が魅力のスポーツアナウンサー。宴会大好き、焼酎大好き。
ダイエットのためジョギングにトライするも膝痛に悩まされている。

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