「温泉宿に行って、コンクリートをこねる時に下に敷いていたベニヤ板を橋内とかいて『さない』と読む町へ返しに行くことになり雪解け道をベニヤ板を滑らせて歩いていたところ、町の人に車で送ってやると声を掛けられた。すいませんとついて行くと『千と千尋』的でなおかつ大涌谷の雰囲気もある温泉宿の地下から湯気で蒸かした根菜を食べさせてくれた。しかしこれがあまりおいしくない」

 

という不可思議な夢を見ることができるのが弊社の宿直室です。空調の大きな音がノンレム睡眠状態を持続させるのだと思います。しかしあまりにも不可思議だったので目が覚めました。当然のように尿意が。これが中年男というものです。

 

起きだして部屋のドアを開けるとそこには放送作家のS氏が立っています。「何してんの?」と言いながらとトイレへ入ると「中島みゆきのオールナイトニッポン月イチ」が聞こえてきます。

 

みゆきさんがやたらと小声で話しています。私もさすがに「これは宿直室の私の寝こみを襲うってことか」と思いましたが、その時すでにみゆきさんは隣の宿直室に身をひそめて放送していたとは知りませんでした。

 

あわててトイレから部屋にむかう途中でみゆきさんは部屋に侵入し

「誰もいない・・・」なんて言っています。なぜだか少し申し訳ないと思ってしまった私。そこで深夜のご対面と相成りました。

 

5時20分で止まったままの時計。新しくなったLEDの!電気スタンド。途中で折れたハンガーかけ。ブラウン管のアナログテレビ。

大きな空調の音。低い天井。窓はなくしかも一か所だけ何故か極端に汚れた白い壁。これらを寝ぼけながらも的確にみゆきさんにご説明申し上げましたよ。

 

鍵を内側からかけていたらどうしたのかと思ったら、総務部に根回しして合鍵も持っていました。さすがであります。

 

しかし起き抜けのベッドサイドに中島みゆき!という経験をした人はそうは多くないと思います。心配なのは部屋にこもった加齢臭であります。すいませんでした・・・ってなんであやまっているのだろう。

 

しかしあの「中島みゆき」に何をさせているのでしょう。これまたさすがであります。北の政所とみゆきさんに呼ばれているディレクターはじめスタッフのみなさん。しかも深夜4時過ぎに・・・

 

あれから様々考えました。空調の音の大きさは旅客機に中にいると思えばいいのです。するとあの質素なベッドは極限まで平らになるリクライニングするイス。はい!宿直室はあっというまにファーストクラスに乗ってヨーロッパへの旅の途中に・・・なるわけがない!