中国の「南シナ海領有権問題」どうなっている? 東シナ海の尖閣諸島は?

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4月3日 FM93AM1242 ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!③

今日のキーワードは「南シナ海領有権問題」
7:27~教えて!ニュースキーワード:コメンテーター有本香(ジャーナリスト)

南シナ海領有権問題

中国の王毅外相は1日、ベトナムのファム・ビン・ミン外相と会談を行った。会談後の記者会見で王外相は南シナ海の領有権問題について、両国が対話を通じて解決すべきだとの考えを示した。

飯田)南シナ海領有権問題、キーワードを解説して頂きます。領有権で揉めているというのは中国が九段線と呼ばれる長く舌が伸びたような形ですけが、明らかにそれは中国から遠いだろみたいなところまで全部自分たちの領土だと言ってしまっている。

有本)自分たちの海だと、海と島だと言ってしまっているのですよね。

飯田)それだけでなくて埋め立てをしたりだとか。

有本)もうすっかり観光客を送り込んだりしていますからね。

飯田)滑走路まで3,000m級のものがある。

ベトナム人の反中感情

有本)そうなんですよね。それでこのベトナムとの対立というのは、4年前、2014年の5月だったと思いますが、ベトナムでものすごい反中デモがありました。一部日本企業もとばっちりを受けていろいろなことがありました。それから中国人が亡くなったりしましたよね。そんなようなこともありで反中感情が高まった。そのきっかけになったのは南シナ海で石油の掘削を始めたということなのですよね。かねてからベトナムには外資系企業と言われるところは、日本も含めて沢山進出していました。経済発展もしていますが、経済発展するということは同時に格差も生まれてくるということです。そしてその豊かさの象徴が一つの外資系企業ということでもある。それから伝統的にベトナムは中国人が入って来ることに関してあまり良しとは思っていないわけですよ。

飯田)かつて何度も干戈を交えたところですね。

ベトナム経済のための対中外交

有本)そういう経緯もあるので、金持って入ってきている中国人に対しては反感が強い。これはベトナムもインドネシアもそうです。ですから何かがあると、必ず襲われるということが起きます。ただ、このときの反中デモというのは、中国系だけではなくて台湾の企業や日本の企業もとばっちりを受けてしまい、結局ベトナム政府側としては賠償を支払わざる得なくなったりして大変なことになるわけです。その2年後にベトナムは政権交代して、いまの政権になりました。この政権が6つの目標を掲げているのですが、その1番目に挙げたのがマクロ経済、この環境を良くして、着実な経済成長を遂げて行くと。こういうことを言っているのですね。そのときに中国というのは好むと好まざるとを関わらず、いまベトナムにとって最大の貿易相手、そして投資も最も多く来ている。その点でやはり中国側と関係を改善せざるを得ない。
ただ一方ではさっき言った6つの目標の中に、主権の確立ということを言っています。領土の保全、主権の確立ということも明確にうたっているので、南シナ海の問題での妥協ということは表立っては絶対に許されないけれど、中国との関係は改善しなければならない。こういう事情があるわけです。

飯田)メールが来ていますが「日本にとってはこの南シナ海、タンカーなどが通行する重要な輸送路。シーレーン確保のためにも我が国も対岸の火事ではなく、ベトナムに同調するような姿勢を中国に対してはっきり示すことが肝要かと思います」と。

日本も許すべきではない中国の海洋進出

有本)全くそうですね。南シナ海での中国のやりたい放題、これは絶対許さないということは日本側がはっきり表明していく必要があります。それから東シナ海も日本のニュースでは殆ど報じられなくなってしまいましたが、中国は着実に東シナ海の尖閣諸島の周辺ですね、ここでの接続水域への中国公船の侵入。侵入という言い方は接続水域への場合はちょっと微妙ですが。それから領海内への侵入、これも向こうからの言い方で敢えて言うと着実に繰り返し、頻度を少しずつ上げ、かつ船の数を増やして来ていますよ。ですからこの問題を私たちは、南シナ海から東シナ海に連なる中国の海洋進出として厳しく捉え直さなければいけないということですね。

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